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トーセイ Research Memo(1):東京にエリア特化し不動産流動化を主力とする総合不動産会社

注目トピックス 日本株
トーセイ<8923>は、事業エリアを東京経済圏に特化する独立系の中堅総合不動産会社。不動産流動化事業を主力に、不動産開発、不動産賃貸、不動産ファンド・コンサルティング事業など事業範囲は多岐に亘り、顧客層も国内外の機関投資家、エンドユーザーなど幅広い。事業環境の変化に応じて事業ポートフォリオを柔軟に変化させ、収益の拡大、安定化を図っている。

コア事業といえる不動産流動化事業において取り扱うアセットタイプは、レジデンス、オフィス、商業ビルなどとなっている。ストックが膨大で流動性の高い中小規模物件(3〜20億円程度)を主に手掛ける。きめ細かなバリューアップ力やエリア特化により培ったソーシング力により、キャップレートの低下に頼ることなくキャピタルゲインを獲得できる強みがある。

2014年11月に同社がシングルスポンサーを務めるトーセイ・リート投資法人<3451>を上場させ、物件のEXITの確実性を高めるとともに、安定的なAMフィー収入の拡大を図っている。

中期経営計画初年度に当る2015年11月決算は、売上高430億円(前期比14.0%減)、営業利益68.9億円(同23.9%増)。期初の営業利益予想を8.9億円上回る好決算となった。不動産流動化事業と、配当金収入や大口のAM受託があった不動産ファンド・コンサルティング事業がけん引した。

2016年11月期会社業績予想は、売上高552.5億円(前期比28.5%増)、営業利益75.6億円(同9.7%増)。商業施設2物件の開発利益がけん引し、業績続伸見込み。不動産流動化事業における物件売却価格の想定が保守的なため業績は上振れの可能性が高いだろう。

中期経営計画では企業規模の拡大を志向し、積極仕入れによる既存事業拡大やホテル事業など周辺事業の新規取組みにより、2020年11月期に売上高1,000億円を目指している。

■Check Point
・不動産流動化は東京経済圏のオフィス、商業ビル、レジデンスなどの中小型物件に特化
・事業ポートフォリオや顧客の多様性、賃料等の安定収益による金融危機時への抵抗力
・良好な不動産投資市場を背景にした積極仕入れなどにより業績拡大が続く

(執筆:フィスコ客員アナリスト 堀部 吉胤)



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