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C&Gシステムズ Research Memo(2):CADとCAMを融合することでの利便性や、海外展開を見越して経営統合

注目トピックス 日本株
■会社概要

(1)沿革

C&Gシステムズ<6633>の起源は、主にCAD(コンピュータ設計支援:Computer Aided Design)を事業の主体とするコンピュータエンジニアリング(株)とCAM(コンピュータ製造支援:Computer Aided Manufacturing)を製造する(株)グラフィックプロダクツという2つの会社に由来する。当初はそれぞれ別々に企業活動を行っていたが、CADとCAMを融合することによるユーザビリティの向上や、将来の海外展開を見越して、両社は2007年3月に株式移転方式による経営統合に合意。同年7月には純粋持ち株会社であるアルファホールディングス株式会社を設立してその株式をJASDAQ証券取引所(当時)に上場した。その後、純粋持ち株会社であるアルファホールディングスが2010年に両社を吸収する形で新たなスタートを切り、社名を現在の株式会社C&Gシステムズに変更し現在に至っている。

(2)事業内容

同社の事業セグメントは、金型設計・製造用のCAD/CAMシステムの製造、販売、保守サービスを行う「CAD/CAMシステム等事業」と金型製造を請負う「金型製造事業」の2事業。2015年12月期のセグメント別売上比率は、CAD/CAMシステム等事業が82.6%、金型製造事業が17.4%であった。

さらにCAD/CAMシステム等事業は3つに分類され、CAD/CAM製品の販売が連結売上高の32.9%、保守サービスが46.5%、開発サービスが3.2%に分けられる。

主要ユーザーはトヨタ自動車<7203>、アイシン精機<7259>、ヤマハ発動機<7272>、パナソニック<6752>、オムロン<6645>、アルプス電気<6770>、ニフコ<7988>、TOTO<5332>、ニコン<7731>、キヤノン<7751>、オリンパス<7733>などの大手メーカーから中小金型メーカーまで幅広く、総ユーザー数(事業所数)は7,000を超えている。ただし、これらの顧客のうち約5,500事業所は従業員20人未満の中小メーカーとのこと。販売は約80%が代理店経由(大手代理店5社、主要1次代理店約30社)、約20%が直接販売となっているが、代理店販売であっても同社の技術スタッフが同伴するケースが多く、顧客ニーズを細かく汲み取っている。

国内の金型設計用CAD/CAMシステム市場における正確な統計は整備されていないが、矢野経済研究所のデータによれば同社のシェアは約20%で、国内では日本ユニシス<8056>グループに次いで第2位となっている。ただし同データに掲載された他社の売上高の中にはCAD/CAMシステム及び金型向け以外の売上高も含まれていることから、純粋にCAD/CAMシステムだけの市場シェアで考えれば、同社の実質的なシェアは40〜50%前後と推測される。

金型製造事業は、北米の自動車部品メーカー(日系及び米系)から金型の製造を受注し、これを同社がアジア(主に韓国)の金型メーカーへ発注、そして同社経由でユーザーへ納入するもので、すべて米国向けである。売上金額は連結売上高の17.4%を占め、黒字を計上している。また、為替変動の影響を受けるが、収益への影響は軽微である。

●CAD/CAMと同社の領域
CADとはコンピュータを利用して各種製品や部品などの設計を行うシステム(ソフトウェア)のことである。自動車のボディや各種製品の形状設計、部品設計、金型設計、電子回路設計等に利用される。この中で同社が扱っているのは、「金型設計用」であり、同じCADであっても車体デザイン用や電子回路設計用などとは領域(市場)が異なる。

上記のCADで設計された製品や部品の多くは、最終的にはNC(Numerical Control)工作機械を使って製造されるが、そのためにはあらかじめCADで設計されたデータをNC工作機械用の数値データに変換することが必要で、これを行うのがCAMである。このため、通常はCADとCAMは一体で使用されるが、別々に利用される場合もある。同社においても、CAD/CAM一体で販売するケースとそれぞれ別々に販売するケースがあるが、CADとCAMの売上高内訳は公表されていない。

製品価格はオプション追加の有無等により150万〜600万円ほどになるが、平均では1システム当たり300万円ほど。CAD/CAMシステムは一種のパッケージソフトであるが、ハードウェアについては特別の制限はなく、一般のPCでグラフィックス機能が強化されたものであれば使用が可能。顧客の買い換えサイクルは、リース期間との関係もあり平均で5年ほどであるが、特別な技術革新が進んだ場合やハードウェアの陳腐化などによって、サイクルが早まる場合もある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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