きちり Research Memo(2):PFS事業のクラウドサービス契約店舗数は順調に増加、利益増に貢献
[16/03/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
きちり<3082>の事業は自社ブランド展開事業とPFS事業に分けられ、現時点では売上高の99%を自社ブランド展開事業で占めている。主な店舗には首都圏、関西で展開するカジュアルダイニング「KICHIRI」と首都圏のショッピングモール内で展開するハンバーグ専門店「いしがまやハンバーグ」などがある。PFS事業で提携した顧客企業のブランドを活用した店舗も含めて2015年12月末時点の店舗数は16業態、78店舗となっており(関西40店舗、首都圏で38店舗)、ここ数年は首都圏での新規出店を積極化している。
主力店舗である「KICHIRI」は女性客を主要ターゲットに、高品質な料理とおしゃれ感を演出した店舗づくり、「おもてなし」の接客を重視することで、関西圏で高い支持を得たあと、2006年より東京に進出を果たしている。また、平均予算で3,500円前後と比較的低価格帯で若者客を主要ターゲットとした「Casual Dining KICHIRI」と、平均予算5,000円前後で企業の接待ニーズにも対応可能な「新日本様式 KICHIRI」の2つの業態で展開している。
PFS事業は、ブランド・コンテンツ活用型とクラウドサービス展開型の2つの事業モデルに分けられる。
○ブランド・コンテンツ活用型事業
ブランド・コンテンツ活用型事業とは、健康分野やエンターテイメント、第1次産業分野などで強いブランド・コンテンツを持った企業と業務提携し、外食ビジネスを展開することによって、当該ブランド価値を高めていく新たな販促手法となる。提携先企業にとっては店舗運営を同社に任せることで、店舗運営リスクを抱えることなく、ブランド力の向上が期待できることになる。
店舗運営に関しては、既存のKICHIRIプラットフォームを活用できるため、業務管理コストや食材の仕入コストなどを独力で店舗運営するよりも低く抑えられるほか、ブランド価値訴求型の店舗であるため価格も維持しやすく、一定の収益が見込みやすいビジネスモデルであることも特徴の1つとなっている。
契約内容は一律ではないが、1店舗目については店舗運営コストなどの費用を提携先が負担するケースが多い(同社の売上高としてはプラットフォームの使用料を計上)。また、2店舗目以降は同社が直営店舗として展開していくことも可能となっている。提携先企業にとっては店舗を増やして収益を拡大することが目的ではなく、あくまでもブランド価値向上が目的となっているためだ。なお、売上高に関しては、同社が直営で運営する場合は飲食事業に含まれることになる。
ブランド・コンテンツ活用型の例としては、福岡県の農事組合法人である福栄組合が生産する「はかた地どり」のブランド価値向上を狙った居酒屋「福栄組合」や、イタリアの有名アパレル雑貨ブランドのオロビアンコと共同プロデュースしたイタリアンレストラン「Osteria Orobianco」などがある。また、2015年1月には長野県と「食を通じた健康長寿の推進」に関する戦略的連携協定を締結し、JR長野駅ビル内に「長野県長寿食堂」を出店するなど、地方公共団体からの引き合いも増えており、今後の横展開が期待される。
○クラウドサービス展開型事業
クラウドサービス展開型事業とは、同社が既に自社で構築しているバックオフィス(会計処理、給与管理等)やバックヤード(仕入・物流システム)、バックアップ企業(銀行や取引企業等)などのプラットフォームを、「外食向けクラウド」として安価な料金で提供するサービスとなる。サービス料金は企業ごとに店舗数やニーズが異なるため、個別対応での料金体系となっている。顧客対象としては食材など比較的共通部分が多い付加価値提案型の外食企業となり、規模的には売上高で10億円以上、店舗数15店舗以上であれば同サービスの導入メリットが得られやすいという。こうした自社のプラットフォームを同業他社に貸し出すビジネスモデルは、業界でも同社が初めてとなる。
顧客企業は同サービスを利用することによって、食材の共同調達による仕入れコスト低減や店舗の維持運営にかかる業務システムなどのコストが、自社で構築するよりも低減できることになる。ここ最近は人件費や食材、物流コストの上昇により、中小規模の外食企業ではコストの削減が重要課題となっているだけに、潜在需要は大きいと言える。2015年6月末時点の契約店舗数は2014年6月末の約300店舗から2015年6月末は約400店舗と順調に拡大している。
同事業に関しては同社が自社で利用しているプラットフォームを活用するため、追加の費用増は発生せず、収益性及び安定性の高いストック型のビジネスモデルとなっている(ただし、契約数が拡大しサーバーの処理能力を超えた場合は、サーバー増強に伴う追加コストが発生する)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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きちり<3082>の事業は自社ブランド展開事業とPFS事業に分けられ、現時点では売上高の99%を自社ブランド展開事業で占めている。主な店舗には首都圏、関西で展開するカジュアルダイニング「KICHIRI」と首都圏のショッピングモール内で展開するハンバーグ専門店「いしがまやハンバーグ」などがある。PFS事業で提携した顧客企業のブランドを活用した店舗も含めて2015年12月末時点の店舗数は16業態、78店舗となっており(関西40店舗、首都圏で38店舗)、ここ数年は首都圏での新規出店を積極化している。
主力店舗である「KICHIRI」は女性客を主要ターゲットに、高品質な料理とおしゃれ感を演出した店舗づくり、「おもてなし」の接客を重視することで、関西圏で高い支持を得たあと、2006年より東京に進出を果たしている。また、平均予算で3,500円前後と比較的低価格帯で若者客を主要ターゲットとした「Casual Dining KICHIRI」と、平均予算5,000円前後で企業の接待ニーズにも対応可能な「新日本様式 KICHIRI」の2つの業態で展開している。
PFS事業は、ブランド・コンテンツ活用型とクラウドサービス展開型の2つの事業モデルに分けられる。
○ブランド・コンテンツ活用型事業
ブランド・コンテンツ活用型事業とは、健康分野やエンターテイメント、第1次産業分野などで強いブランド・コンテンツを持った企業と業務提携し、外食ビジネスを展開することによって、当該ブランド価値を高めていく新たな販促手法となる。提携先企業にとっては店舗運営を同社に任せることで、店舗運営リスクを抱えることなく、ブランド力の向上が期待できることになる。
店舗運営に関しては、既存のKICHIRIプラットフォームを活用できるため、業務管理コストや食材の仕入コストなどを独力で店舗運営するよりも低く抑えられるほか、ブランド価値訴求型の店舗であるため価格も維持しやすく、一定の収益が見込みやすいビジネスモデルであることも特徴の1つとなっている。
契約内容は一律ではないが、1店舗目については店舗運営コストなどの費用を提携先が負担するケースが多い(同社の売上高としてはプラットフォームの使用料を計上)。また、2店舗目以降は同社が直営店舗として展開していくことも可能となっている。提携先企業にとっては店舗を増やして収益を拡大することが目的ではなく、あくまでもブランド価値向上が目的となっているためだ。なお、売上高に関しては、同社が直営で運営する場合は飲食事業に含まれることになる。
ブランド・コンテンツ活用型の例としては、福岡県の農事組合法人である福栄組合が生産する「はかた地どり」のブランド価値向上を狙った居酒屋「福栄組合」や、イタリアの有名アパレル雑貨ブランドのオロビアンコと共同プロデュースしたイタリアンレストラン「Osteria Orobianco」などがある。また、2015年1月には長野県と「食を通じた健康長寿の推進」に関する戦略的連携協定を締結し、JR長野駅ビル内に「長野県長寿食堂」を出店するなど、地方公共団体からの引き合いも増えており、今後の横展開が期待される。
○クラウドサービス展開型事業
クラウドサービス展開型事業とは、同社が既に自社で構築しているバックオフィス(会計処理、給与管理等)やバックヤード(仕入・物流システム)、バックアップ企業(銀行や取引企業等)などのプラットフォームを、「外食向けクラウド」として安価な料金で提供するサービスとなる。サービス料金は企業ごとに店舗数やニーズが異なるため、個別対応での料金体系となっている。顧客対象としては食材など比較的共通部分が多い付加価値提案型の外食企業となり、規模的には売上高で10億円以上、店舗数15店舗以上であれば同サービスの導入メリットが得られやすいという。こうした自社のプラットフォームを同業他社に貸し出すビジネスモデルは、業界でも同社が初めてとなる。
顧客企業は同サービスを利用することによって、食材の共同調達による仕入れコスト低減や店舗の維持運営にかかる業務システムなどのコストが、自社で構築するよりも低減できることになる。ここ最近は人件費や食材、物流コストの上昇により、中小規模の外食企業ではコストの削減が重要課題となっているだけに、潜在需要は大きいと言える。2015年6月末時点の契約店舗数は2014年6月末の約300店舗から2015年6月末は約400店舗と順調に拡大している。
同事業に関しては同社が自社で利用しているプラットフォームを活用するため、追加の費用増は発生せず、収益性及び安定性の高いストック型のビジネスモデルとなっている(ただし、契約数が拡大しサーバーの処理能力を超えた場合は、サーバー増強に伴う追加コストが発生する)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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