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ジグソー Research Memo(2):Linux OSの開発からスタートした自動マネジメントサービス提供企業

注目トピックス 日本株
■会社の概要・沿革

(1)会社の概要

ジグソー<3914>は、世の中のインターネットサービスが快適かつ安定稼働するために、IoTビッグデータをベースとした自動運用サービスを提供する次世代総合システム運用カンパニー。インターネットの未来に安心を提供し続けることをミッションとして、自動検知及び自動制御というコンセプトでユーザー、社会のインターネットサービスを支え・守るマネジメントサービス事業を展開し、デジタルユニバース(Digital Universe)※1を支えるNo.1企業になることを目指している。2013年以降、モノのインターネット(IoT)へのパラダイムシフトを予見し、IoT分野への取り組みを本格化。2015年12月にはIoTデバイス組込み開発事業を手掛けるモビコムを子会社化し、IoTエッジ分野まで一気に対象領域を拡大し、エッジからシステムまでのあらゆるIoTデータを自動的に監視・運用する会社として体制をわずか2年余りで構築した。なお、2015年4月に認知度の向上と社会的信用度を高めることを狙い東京証券取引所マザーズ市場に上場した。

※地球上で生成されるデータ全体の世界のこと。

(2)会社の沿革

同社の前身は、北海道札幌市において、Linux OSの自社開発及びその他ソフトウェアの受託開発を目的として2001年11月に設立されたアイピー・テレコム株式会社。2008年8月に社名をジグソー株式会社※へ変更し、同時に、システムの監視、障害対応及びフルマネジメントからなる運用サービスを事業目的とする。続く同年9月に同社を存続会社として、ユニキド・ホールディングス(株)、スーパーエディション(株)と合併。

※当時、グーグル、アマゾン、ソニーなどカタカナ名の企業が脚光を浴びていたことを背景に、「何か具体的なものを連想させる名前にしたくない」と、「将来的の世界への事業展開を踏まえて海外でも通用する名前にしたい」という2つの思いから、命名された。「ノコギリ(鋸)」という英語の意味はまったくない。

2009年1月に物理サーバ向けマネジメントサービスの提供を開始。2013年に入ってからは、ヒトのインターネットからモノのインターネットへ変化するというパラダイムシフトを予見し、IoTに対する本格的な取り組みを開始する。こうした状況下で、2014年4月には顧客ニーズに対応しクラウドインフラ向けマネジメントサービスの提供を開始したほか、同年6月には同社の運用実績、ノウハウを集約したロボット型ソフトウェア「puzzle」をリリース。さらに、同年7月に「クラウドの窓口」、「セキュリティの窓口」のサービスを開始したほか、同年10月に札幌コントロールセンター(SCC)を開設したことで、自動マネジメントサービスの事業基盤を確立した。

さらに、2015年に入ってから、それまでのサービスの提供により蓄積したナレッジとビッグデータを通じて作り上げた、すべてのIoT端末から送信されるデータを自動受信・検知・制御するIoT OS 「SINGULARITY」及びpuzzle for IoTによるIoTデータコントロールサービス「IoT-A&A Service」(同年6月)の提供を開始したほか、インターネットサービスにおける人の目による確認作業を代替する「コンポーネント型自動チェックロボット:ABR」(同年7月)をリリースするなど、IoTに絡んだ新しいサービスや機能を相次いで発表。

その一方で、同社のサービス基盤のミドルレイヤーとなる対象市場の研究をそのレイヤーの先端事業者、宇宙分野では(株)ispace(同年1月)、AR※/VR分野で英国Kudan Limited(同年2月)などと共同で取り組むことにも注力。また、2015年12月にはIoTデバイス組込み開発事業を展開するモビコムを子会社化(第三者割当増資1万株を取得。同社出資比率83.3%)し、IoTデバイス・モジュール・センサー組込み・開発事業へ参入。加えて、そのモビコムを通じてAltair Semiconductorと最新IoT-LTEチップを含むLTEチップセットの「包括技術ライセンス契約」を締結した。これらの結果、エッジまでを対象としたIoTデータコントロールサービスを提供できる体制を構築した。また2016年1月にはZMPと自動運転向けリアルタイムOS「IZAC-OS」共同開発アナウンスしており、加えて2016年3月には月面探査プロジェクトに挑戦するispaceと「宇宙資源探査のための宇宙群ロボット」の共同研究開発も発表している。

※ARはAugmented Realityの略で拡張現実と訳されている。現実に存在するものに対してコンピュータが情報をさらに付与し、さらに強い・深い知覚を可能にする技術のこと。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



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