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オンコリスバイオファーマ---がんや重症感染症領域に留まらず希少疾病用医薬品にも注力

注目トピックス 日本株
オンコリスバイオファーマ<4588>は、創薬バイオ企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高い基盤技術であるウイルス遺伝子改変技術を活用した新規がん治療薬、新規がん検査薬の開発を行い、さらに重症感染症などの難病に対する治療薬の開発と事業化を推進している。また、長期的にはがんや重症感染症領域に留まらず、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)領域にも拡大を目指している。

特にがん領域においては、固形がんの治療を行う腫瘍溶解ウイルスOBP-301(テロメライシン(R))、転移がんの治療を行うエピジェネティックがん治療薬OBP-801、がんの早期発見または再発予測を行うOBP-401(テロメスキャン(R))及びOBP-1101(テロメスキャンF35)を揃え、がんの発見から治療までを網羅するパイプラインを構築した。

現在、テロメライシンが様々な領域で開発が進んでいる。食道がんに対して放射線との併用試験を岡山大学と実施。テロメライシンを投与した7例中4例でがんが消滅、1例でがんが半減した。また、メラノーマ(皮膚がん)患者に対しても5例の投与経験があり、テロメライシンを一箇所に注射したところ、他の場所のがん組織の縮小も認められた。生検の結果、CD8のリンパ球の著名な浸潤、樹状細胞の浸潤が認められ、がん細胞破壊による免疫機能の上昇が認められた。PD1抗体との併用が著名な効果を示した。

がんの早期発見のための検査薬テロメスキャンでは、昨年、ペンシルベニア大学および同大学元教授らにより設立されたリキッドバイオテック社とのライセンス契約を締結。今後、アメリカでの開発が本格化する。2020年までに米国でのCTC検出を目的としたがん検査薬としての許可取得を目指して臨床試験が始まっている。また、中国を含むアジア地域、ヨーロッパ、日本企業とのラインセンス契約締結も推進する。


2016年12月期業績については、売上高が前期比55.5%増の1.88億円、営業損失が12.73億円、経常損失が12.73億円、当期純損失が12.76億円の赤字を見込んでいる。研究開発型の創薬バイオベンチャー企業であり、利益が本格的に拡大するのは、現在開発しているパイプラインが上市され、ライセンス契約締結先からロイヤリティ収入を得る時期になる予定である。


したがって、現段階においては、ライセンス先からの契約一時金やマイルストーンによる収入を拡大させるためのパイプライン充実化と共に検査事業の収入による財務リスクの低減を図りながら、早期の安定黒字化を目指している




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