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【新年度の相場展望】(A)日本株見通し:円安、原油高、補正予算、年金運用見直し、消費増税延期が揃えば20000円台も

注目トピックス 日本株

3月16日にフィスコIRが開催した個人投資家向けセミナー「大荒れの新年度日本株相場をフィスコアナリストが読み解く!」では、「荒れる申年の日本株相場見通し」と題して、アナリストの田代昌之が日本株の需給面を読み解き、荒れる申年相場の日本株の方向性を示した。主な内容は以下の通り。

■戦後の景気循環を読み解く

まずは戦後の景気循環を読み解いてみる。これまで15回の景気循環が発生し、内閣府では現在16循環に入っているとしている。過去15回の拡大局面の平均は33ヵ月、後退局面は15ヶ月。この平均を当てはめると2012年11月を起点とした16循環のピークは15年8月となる。足元の相場で日経平均がピークを打ったのは、昨年6月24日の20952.71円。景気の山よりも3ヶ月から6ヶ月ほど早く日経平均はピークを迎える傾向が多いことから、ひょっとすると今回の16循環は既に山を迎えた可能性がある。実際、1-3月期は前期比年率で+3.9%、4-6月期は同-1.2%、7-9月期は同+1.0%、10-12月期は同-1.1%とまちまち。景気は悪いとも言えないが良いとも言えない。まちまちの状況からピークアウトを判断するのは難しいが、その可能性は頭に入れておきたい。

■3月以降の主要イベント

続いて3月以降のスケジュールを確認する。足元、消費増税引上げ延期観測が話題となっている。浜田宏一、本田悦郎内閣官房参与がともに消費増税に否定的な意見を表明。5月中旬に1-3月期GDP速報値が発表されることから、この辺りでなんらかの動きがでてきそうだ。仮に消費増税引上げ延期となれば、小売関連は強含むと見る。加えて、3月4日の閣議後、麻生財務大臣は5月末のサミット前に金融庁提出の銀行法改正案を成立させたいとコメントしている。法制化は制度整備や仮想通貨の規制が改正案の主眼でマネロン対策がメインとなっているが、仮想通貨関連には材料となる可能性もある。ただ、選挙で日本株が上昇する流れは起きにくいと考えられる。経済優先ならば外国人投資家も反応しただろうが、今はどちらかというと改憲が主軸となっているので。

■新年度の日経平均想定レンジ

以上の点をふまえると、昨年6月高値20952.71円をクリアするような地合いは難しい。今年のレンジは、17年3月期5%減益でEPS1113円(3月15日時点1172.40円の5%マイナス)を基準に、PER14倍の15592円からPER16倍の17280円で推移すると想定。昨年6月24日の20952.71円はPER17倍レベルでその前の4月28日がPER18倍。1990年台のPKO時はPER40-50倍。仮に今のEPS×40倍とすると46896円となるが、足元バブルではないので、こうしたPERの状況を想定する必要は無いと考える。

仮に円安、原油価格上昇、政府補正予算、かんぽ生命<7181>の運用見直し、消費増税延期といった材料がそろえば、買い優勢の地合いとなりPER18倍、EPS上昇で20000円台は見えてくるかもしれない。ただ、日本株を押し上げてくれる外国人投資家がアベノミクスに対して再び興味を示さない限りは個人投資家中心の商いとなる。つまり売買代金が3兆円に届かない地合いとなり業績やテーマに関心が向かおう。

(アナリスト 田代昌之)

フィスコ個人投資家向けセミナー
「大荒れの新年度日本株相場をフィスコアナリストが読み解く!」
セミナー資料より抜粋



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