カイオム Research Memo(2):理研によって開発された抗体作製技術がコア技術
[16/03/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(1) ADLib®システムとは
カイオム・バイオサイエンス<4583>のコア技術であるADLib®システムは、理研によって2003年に開発された抗体作製技術で、現在は同社と理研で特許を持っている。ADLib®システムによる抗体作製法を簡単に説明すると、まずニワトリ由来の培養細胞株であるDT40細胞が持つ抗体遺伝子の組み換えを活性化することにより、抗体タンパクの多様性を増大させ、目的の抗原に結合する細胞のみを磁気ビーズに付着して回収し、その後1週間程度培養することによって所望の抗体を獲得する、といった手順となる。
現在、上市されている抗体医薬品は、既存の抗体作製技術であるマウスハイブリドーマ法やファージディスプレイ法で作製された抗体によるもので、これら既存技術に対してADLib®システムが持つ主な優位点は、困難抗原への対応が可能であるということと、抗体作製にかかる期間が短いという点にある。
また、課題とされてきた完全ヒト抗体の作製に関して、2014年3月に実用化レベルでの技術が完成したことを発表している。完全ヒトADLib®システムとは、DT40細胞の持つニワトリ抗体の遺伝子をヒト人工遺伝子に置換し、ヒト抗体として医薬候補抗体の取得を実現する技術となる。この完全ヒト抗体の実用化に関しては、既存法との比較で遅れていた部分でもあるだけに、今後の事業展開に向けて意義の大きい一歩であったと評価される。現在は、完全ヒトADLib®システムの技術導出に向けて、開発効率の高いPOC※確立済みのターゲットに対しての抗体作製実績を蓄積している段階にある。
※POC(Proof of Concept):基礎研究の段階で疾患とその標的の関連性が明らかになっているものを生物学的POCといい、臨床試験で安全性・有効性が確認されているものを臨床的POCと呼ぶ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
(1) ADLib®システムとは
カイオム・バイオサイエンス<4583>のコア技術であるADLib®システムは、理研によって2003年に開発された抗体作製技術で、現在は同社と理研で特許を持っている。ADLib®システムによる抗体作製法を簡単に説明すると、まずニワトリ由来の培養細胞株であるDT40細胞が持つ抗体遺伝子の組み換えを活性化することにより、抗体タンパクの多様性を増大させ、目的の抗原に結合する細胞のみを磁気ビーズに付着して回収し、その後1週間程度培養することによって所望の抗体を獲得する、といった手順となる。
現在、上市されている抗体医薬品は、既存の抗体作製技術であるマウスハイブリドーマ法やファージディスプレイ法で作製された抗体によるもので、これら既存技術に対してADLib®システムが持つ主な優位点は、困難抗原への対応が可能であるということと、抗体作製にかかる期間が短いという点にある。
また、課題とされてきた完全ヒト抗体の作製に関して、2014年3月に実用化レベルでの技術が完成したことを発表している。完全ヒトADLib®システムとは、DT40細胞の持つニワトリ抗体の遺伝子をヒト人工遺伝子に置換し、ヒト抗体として医薬候補抗体の取得を実現する技術となる。この完全ヒト抗体の実用化に関しては、既存法との比較で遅れていた部分でもあるだけに、今後の事業展開に向けて意義の大きい一歩であったと評価される。現在は、完全ヒトADLib®システムの技術導出に向けて、開発効率の高いPOC※確立済みのターゲットに対しての抗体作製実績を蓄積している段階にある。
※POC(Proof of Concept):基礎研究の段階で疾患とその標的の関連性が明らかになっているものを生物学的POCといい、臨床試験で安全性・有効性が確認されているものを臨床的POCと呼ぶ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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