サイバリンクス Research Memo(5):2015年12月期は上場後2期連続して過去最高益を更新
[16/03/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(1) 2015年12月期業績概要
サイバーリンクス<3683>の2015年12月期業績は、売上高が前期比5.0%増の9,296百万円、営業利益は同21.6%増の734百万円と増収、2ケタ営業増益となり、前期に続き売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。なお、中長期的な視点に立った先行投資を積極化させているため、同社の事業の収益力を実質的に評価する指標と考えられる償却前経常利益※は同24.9%増の1,039百万円となり、営業利益を上回る高い伸びを記録した。
※償却前経常利益=経常利益+減価償却費(ソフトウェア償却費を含む)+のれん償却額
増収を確保したのは、ITクラウド事業が流通、官公庁分野ともに好調に推移したことに加えて、モバイルネットワーク事業もタブレット端末やスマートフォンの販売増加に支えられ堅調に推移したことによる。売上原価率は、ITクラウド事業で官公庁向けの高収益のシステム開発案件があったことや、モバイルネットワーク事業で高採算の周辺商材の販売を強化した効果などにより、前期比1.7ポイント改善した。販管費は2014年12月期に実施したM&Aに伴うのれん償却額の増加、合併等の業容拡大に伴う人員増強による費用増等により前期比で151百万円増加し、販管費比率は同0.6ポイント上昇した。この結果、営業利益率は前期の6.8%から7.9%へ上昇した。
一方、期初会社計画(売上高9,101百万円、営業利益640百万円)対比でみると、売上高、営業利益ともに会社計画を上回った。これは、上期(2015年1−6月)業績がITクラウド事業、モバイルネットワーク事業ともに好調に推移したために売上高4,989百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益550百万円(同45.5%増)となり、上期計画(売上高4,791百万円、営業利益388百万円)を上回ったことが主要因。さらに、2015年11月に上方修正した通期会社計画(売上高9,279百万円、営業利益704百万円)についても、モバイルネットワーク事業が年末にかけて想定以上に堅調に推移したことが原動力となり売上高、営業利益ともに上振れた。
○ITクラウド事業
ITクラウド事業は、売上高が前期比9.1%増の4,955百万円、セグメント経常利益は同32.8%増の506百万円と増収、2ケタ増益を確保し、それぞれ期初会社計画(売上高4,887百万円、セグメント利益480百万円)を上回った。
官公庁クラウド分野で、上期に法改正に伴う高収益のシステム開発案件があったことや複数の大型防災無線工事案件があったことなどが売上拡大のリード役となった。さらに、流通クラウド分野では、中・大規模小売に対し「@rms基幹」、「生鮮EDI」、「ネットスーパー」等の@rmsシリーズのサービス導入が進捗したこと、前期の事業譲受、合併(アイコンセプト及びエニタイムウェア)がプラス寄与したこと、2015年9月に吸収合併したニュートラルもプラス寄与したことなどにより、@rmsシリーズ導入社数(前期末比25社増加)、及び「クラウドEDI-Platform」の導入社数(同13社増)がそれぞれ順調に増加し、売上増大のプラス要因となった。
セグメント利益が大幅増益となったのは、上期の官公庁向けの高収益のシステム開発案件や複数の大型防災無線工事案件があったことが主要因。ちなみに、ITクラウド事業の売上総利益は1,521百万円となり、売上総利益率は30.7%(前期27.4%)へ上昇した。
○モバイルネットワーク事業
モバイルネットワーク事業は、売上高が同0.8%増の4,340百万円、セグメント経常利益は同14.7%増の418百万円と微増収ながら2ケタ増益となり、それぞれ期初計画(売上高4,213百万円、セグメント利益342百万円)を上回った。
フィーチャーフォンの減少により販売台数は前期比で2.0%減少したものの、iPadを含むタブレット端末の販売が好調に推移したことと、販売単価の高いスマートフォン端末の販売台数が増加したことでカバーし、微増収を確保した。にもかかわらず、2ケタ増益を確保したのは、スマートフォン用アクセサリー等の周辺商材の販売を強化した効果が顕在化したことによる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
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(1) 2015年12月期業績概要
サイバーリンクス<3683>の2015年12月期業績は、売上高が前期比5.0%増の9,296百万円、営業利益は同21.6%増の734百万円と増収、2ケタ営業増益となり、前期に続き売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。なお、中長期的な視点に立った先行投資を積極化させているため、同社の事業の収益力を実質的に評価する指標と考えられる償却前経常利益※は同24.9%増の1,039百万円となり、営業利益を上回る高い伸びを記録した。
※償却前経常利益=経常利益+減価償却費(ソフトウェア償却費を含む)+のれん償却額
増収を確保したのは、ITクラウド事業が流通、官公庁分野ともに好調に推移したことに加えて、モバイルネットワーク事業もタブレット端末やスマートフォンの販売増加に支えられ堅調に推移したことによる。売上原価率は、ITクラウド事業で官公庁向けの高収益のシステム開発案件があったことや、モバイルネットワーク事業で高採算の周辺商材の販売を強化した効果などにより、前期比1.7ポイント改善した。販管費は2014年12月期に実施したM&Aに伴うのれん償却額の増加、合併等の業容拡大に伴う人員増強による費用増等により前期比で151百万円増加し、販管費比率は同0.6ポイント上昇した。この結果、営業利益率は前期の6.8%から7.9%へ上昇した。
一方、期初会社計画(売上高9,101百万円、営業利益640百万円)対比でみると、売上高、営業利益ともに会社計画を上回った。これは、上期(2015年1−6月)業績がITクラウド事業、モバイルネットワーク事業ともに好調に推移したために売上高4,989百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益550百万円(同45.5%増)となり、上期計画(売上高4,791百万円、営業利益388百万円)を上回ったことが主要因。さらに、2015年11月に上方修正した通期会社計画(売上高9,279百万円、営業利益704百万円)についても、モバイルネットワーク事業が年末にかけて想定以上に堅調に推移したことが原動力となり売上高、営業利益ともに上振れた。
○ITクラウド事業
ITクラウド事業は、売上高が前期比9.1%増の4,955百万円、セグメント経常利益は同32.8%増の506百万円と増収、2ケタ増益を確保し、それぞれ期初会社計画(売上高4,887百万円、セグメント利益480百万円)を上回った。
官公庁クラウド分野で、上期に法改正に伴う高収益のシステム開発案件があったことや複数の大型防災無線工事案件があったことなどが売上拡大のリード役となった。さらに、流通クラウド分野では、中・大規模小売に対し「@rms基幹」、「生鮮EDI」、「ネットスーパー」等の@rmsシリーズのサービス導入が進捗したこと、前期の事業譲受、合併(アイコンセプト及びエニタイムウェア)がプラス寄与したこと、2015年9月に吸収合併したニュートラルもプラス寄与したことなどにより、@rmsシリーズ導入社数(前期末比25社増加)、及び「クラウドEDI-Platform」の導入社数(同13社増)がそれぞれ順調に増加し、売上増大のプラス要因となった。
セグメント利益が大幅増益となったのは、上期の官公庁向けの高収益のシステム開発案件や複数の大型防災無線工事案件があったことが主要因。ちなみに、ITクラウド事業の売上総利益は1,521百万円となり、売上総利益率は30.7%(前期27.4%)へ上昇した。
○モバイルネットワーク事業
モバイルネットワーク事業は、売上高が同0.8%増の4,340百万円、セグメント経常利益は同14.7%増の418百万円と微増収ながら2ケタ増益となり、それぞれ期初計画(売上高4,213百万円、セグメント利益342百万円)を上回った。
フィーチャーフォンの減少により販売台数は前期比で2.0%減少したものの、iPadを含むタブレット端末の販売が好調に推移したことと、販売単価の高いスマートフォン端末の販売台数が増加したことでカバーし、微増収を確保した。にもかかわらず、2ケタ増益を確保したのは、スマートフォン用アクセサリー等の周辺商材の販売を強化した効果が顕在化したことによる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
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