コスモ・バイオ Research Memo(4):自社製品や受託サービスなどの高付加価値製品の売上が順調に推移
[16/03/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
コスモ・バイオ<3386>の2015年12月期の連結業績は、売上高が14年12月期比1.7%増の7,357百万円、営業利益が同23.7%増の200百万円、経常利益が同30.9%増の373百万円、当期純利益が同14.3%増の230百万円だった。売上高は計画を下回ったが、利益は計画超の増益(1月26日に売上高を減額修正、利益を減額修正)だった。
商品別売上高は、研究用試薬が同2.3%増の5,217百万円、機器が同横ばいの2,002百万円、臨床検査薬が同4.0%増の137百万円だった。市場はやや低迷したが、新規導入仕入先商品の売上、自社製品や受託サービスなどの高付加価値商品の売上が順調に推移した。顧客訪問数の大幅増加などの営業強化策も奏功した。円安進行に対応して輸出も拡大しているようだ。
利益面では、円安進行(平均為替レートは2014年12月期1ドル=106円、2015年12月期1米ドル=121円)に伴う輸入仕入原価増加で売上総利益率が低下したが、販売価格の適正化、高付加価値商品の拡販、販管費の効率的使用などが寄与して大幅増益だった。売上総利益率は32.4%で同1.1ポイント低下、販管費比率は29.6%で同1.7ポイント低下した。営業外収益では為替差益が増加(2014年12月期1億2百万円計上、2015年12月期1億45百万円計上)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(2014年12月期44百万円計上、2015年12月期13百万円計上)した。
2016年12月期通期の連結業績予想は、売上高が2015年12月期比5.3%増の7,750百万円、営業利益が同40.2%減の120百万円、経常利益が同41.1%減の220百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同48.0%減の120百万円としている。営業強化などで増収だが、ドル高・円安による輸入仕入原価の増加で減益予想としている。
事業環境としては、iPS細胞(人工多能性幹細胞)など幹細胞利用による再生医療研究、脳神経科学研究、さらに癌研究など活発な研究開発活動が期待されるが、一方で政府の科学研究予算の総額は2015年度並みにとどまる見込みで、2015年12月期と同様に厳しい事業環境が続くと想定している。
また利益面では、想定平均為替レートを1ドル=125円(2015年12月期実績1ドル=121円)として輸入仕入原価の増加を見込んでいる。また業務効率化に向けて2016年春に新基幹システムの稼働を予定している。
なお為替に関してはドル高・円安観測がやや後退し、第1四半期(1月−3月)は会社想定よりドル安・円高水準で推移している。この傾向が継続すれば利益上振れ要因となりそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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コスモ・バイオ<3386>の2015年12月期の連結業績は、売上高が14年12月期比1.7%増の7,357百万円、営業利益が同23.7%増の200百万円、経常利益が同30.9%増の373百万円、当期純利益が同14.3%増の230百万円だった。売上高は計画を下回ったが、利益は計画超の増益(1月26日に売上高を減額修正、利益を減額修正)だった。
商品別売上高は、研究用試薬が同2.3%増の5,217百万円、機器が同横ばいの2,002百万円、臨床検査薬が同4.0%増の137百万円だった。市場はやや低迷したが、新規導入仕入先商品の売上、自社製品や受託サービスなどの高付加価値商品の売上が順調に推移した。顧客訪問数の大幅増加などの営業強化策も奏功した。円安進行に対応して輸出も拡大しているようだ。
利益面では、円安進行(平均為替レートは2014年12月期1ドル=106円、2015年12月期1米ドル=121円)に伴う輸入仕入原価増加で売上総利益率が低下したが、販売価格の適正化、高付加価値商品の拡販、販管費の効率的使用などが寄与して大幅増益だった。売上総利益率は32.4%で同1.1ポイント低下、販管費比率は29.6%で同1.7ポイント低下した。営業外収益では為替差益が増加(2014年12月期1億2百万円計上、2015年12月期1億45百万円計上)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(2014年12月期44百万円計上、2015年12月期13百万円計上)した。
2016年12月期通期の連結業績予想は、売上高が2015年12月期比5.3%増の7,750百万円、営業利益が同40.2%減の120百万円、経常利益が同41.1%減の220百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同48.0%減の120百万円としている。営業強化などで増収だが、ドル高・円安による輸入仕入原価の増加で減益予想としている。
事業環境としては、iPS細胞(人工多能性幹細胞)など幹細胞利用による再生医療研究、脳神経科学研究、さらに癌研究など活発な研究開発活動が期待されるが、一方で政府の科学研究予算の総額は2015年度並みにとどまる見込みで、2015年12月期と同様に厳しい事業環境が続くと想定している。
また利益面では、想定平均為替レートを1ドル=125円(2015年12月期実績1ドル=121円)として輸入仕入原価の増加を見込んでいる。また業務効率化に向けて2016年春に新基幹システムの稼働を予定している。
なお為替に関してはドル高・円安観測がやや後退し、第1四半期(1月−3月)は会社想定よりドル安・円高水準で推移している。この傾向が継続すれば利益上振れ要因となりそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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