【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家夢見る父さん氏:インデックス投資への疑問と自分なりの回答
[16/03/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家夢見る父さん氏(ブログ「夢見る父さんのコツコツ投資日記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2016年3月25日23時に執筆
個人投資家が一番楽に収益を上げられる可能性があるのは国際分散された指数に長期投資するインデックス投資だと思っていますが、こうした投資手法への疑問、批判は散見されます。自分なりに疑問に答えてみます。
Q1 インデックス投資なら必ずもうかるのか。
答 指数が下がれば当然、損します。また、インデックス投資は平均を狙うものであり、すべてのアクティブ投資や個人投資家に勝つのは不可能です。ただ、長期にわたってインデックス投資を超える成績を出すには、勉強、才能、運などが必要でしょうし、そのような投資家は個人だろうとファンドであろうと、少ないのは事実です。ファンドの場合は信託報酬などコストが成績を下げる原因になりますし、個人でも頻繁な売買や集中投資で外れた場合などは成績を押し下げます。
Q2 インデックス投資は平均しかとれないので、もっと大もうけしたい。
答 確かに、1年間で国際分散したインデックス投資が何倍にも増えるというのはまずありえません。何十億円という大金持ちになるのは、元の資産が巨額でない限り無理でしょう。けれども、平均というのは機関投資家も含めた市場全体なので、個人投資家としては平均をとるだけでも大きな意味があります。例えば、日経マネーの個人投資家アンケートでは2013年に5%以上のリターンを挙げた投資家は39%しかいませんでした。しかし、世界中の株式に投資する米バンガードのトータル・ワールド・ストックETF(VT)は49%も上昇しています。日経マネーのアンケートでは、49%以上リターンがあった投資家の割合はありませんが、VTに投資していれば、個人投資家の中でもかなり上位のリターンがあったと推察されます。中央値と平均は違うので、個人投資家の真ん中より上位に来る可能性は十分あると思います。
上智大学の川西諭教授らが2012年に発表した研究によると、投資歴10年以上の長期パッシブ(インデックス)投資家の資産平均は4000万円を超えていたのに、短期集中するアクティブ投資家は約2500万円しかありませんでした。一方、投資歴6ヶ月未満では短期アクティブ投資家の資産の平均は約1000万円で、長期インデックス投資家を上回っていました。こうしてみると、長期インデックス投資家の方が、長期的な資産形成には向いているといえましょう。
Q3 国際分散投資といっても、日本株、先進国株、新興国株の相関関係は以前より高まっているから意味がない。
A 相関関係は高まっていますが完全に一致しているわけではありません。だから、集中投資しているより、動きがマイルドになる可能性が高いといえます。さらに、債券は株式と相関関係が低いので、株だけでなく債券にも分散投資することを実践しています。
Q4 長期投資といっても、ずっと持ち続けているのでなく、高いときに売って、低いときに買わなければ損だ。
A 自分が完璧に売買タイミングが分かる方なら、そうしたらいいでしょう。けれども、行動経済学の観点から見ると、個人投資家は自信過剰といわれます。前述のようにアベノミクス真っ最中の2013年ですら、個人投資家はインデックスを上回るのが難しかったわけです。アメリカの投資理論家、チャールズ・エリス氏の研究では稲妻が輝く瞬間といって、過去72年間のうち上昇がすごかったわずか5日を逃すだけで、利益は半減するそうです。もちろん、持ち続けると下落がすごかった日にもぶつかるわけですが、タイミングが分からない普通の人はどちらも甘受していいと思います。国際分散されたインデックスは結果的には長期でリターンがのぞめるわけですから。
Q5 インデックス投資はやることがないので、楽しくない。
A 楽しさは個人によって違うので、なんとも言えませんが、前述の川西教授らの調査では、長期インデックス投資家の7割が自分の投資方法に満足し、8割がストレスを感じていません。一方、短期アクティブ集中型は半数以上が自分の投資に満足しておらず、7割がストレスを感じています。投資が本業だったり、大好きな人は別ですが、普通の人は本業の仕事や投資よりも楽しいことに注力して、自然に増えていくインデックスを享受すればいいのでは。僕自身はごく一部で個別株やアクティブ投信を購入しており、相場の楽しい雰囲気も味わうけど、メインはインデックスにしています。
Q6 インデックス投資家は勉強不足。
A 勉強が目的ではなくて、資産が増えることが目的なので、勉強不足といわれても、そうですかとしかいいようがありません。
Q7 インデックス投資は出口戦略がない。
A 近い将来の子供の教育資金など、短期で絶対必要という資金はインデックス投資に向いているとはいえません。市場環境によっては元本割れの可能性があるからです。でも、死ぬまで市場から退場しないのならば、目先の上げ下げを余り気にせず、必要に応じて取り崩していけばよいと考えています。
なお、投資は自己責任です。インデックス投資に関心がある方は夢見る父さんのブログをご覧ください。
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執筆者名:夢見る父さん
ブログ名:夢見る父さんのコツコツ投資日記
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