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サイバネット Research Memo(1):日本のものづくりを支えるエンジニアリング系ITソリューションプロバイダー

注目トピックス 日本株
サイバネットシステム<4312>は、CAE※に特化したエンジニアリング系ITソリューションプロバイダーで、組込み系開発で独立系大手の富士ソフト<9749>グループの一員。自動車、電気機器など製造業の設計・研究開発などに利用されるCAEソフトウェア開発・販売、コンサルティング、技術支援などのサービスを提供する。世界的に実績のある20社以上、50種類以上のCAEソフトウェア、情報セキュリティソフトウェアなどを自動車、機械、電機などの製造業を中心とする約2,000の企業や500の研究機関・大学へ提供し、1985年の創業以来過去30年以上にわたって日本のものづくりを支える。

※CAEとは Computer Aided Engineeringの略で、評価対象物をコンピュータ上でモデル化し、その機能や強度等をはじめとする多くの工学的問題をシミュレーション(模擬実験)する手法。

2015年12月期(2015年1月−12月)連結業績は、売上高が前期比0.8%増の15,518百万円、営業利益は同5.1%増の851百万円と微増収、増益にとどまった。自動車業界向けエンジニアリングサービス、イノベーション支援サービスのほか、ITソリューションサービス事業及び海外子会社が好調であったものの、前期の北米子会社の大型案件の反動減に加えて、EDA※分野の取扱商品の変更による影響などがマイナス要因として働き、相殺したことによる。

※EDAとは Electronic Design Automationの略で、電子機器、半導体 など電気系の設計作業を自動化し支援するためのソフトウェア、ハードウェア及び手法の総称。

2016年12月期業績は、立ち上がりが遅れていたEDA分野が拡大することに加えて、ビッグデータ、テスト・計測などのCAEソリューション事業分野で2ケタ成長が続くほか、海外子会社の好調も続く、などから、売上高が前期比8.3%増の16,800百万円、営業利益は同11.5%増の950百万円と増収、2ケタ営業増益を見込む会社計画。弊社では、中国経済を始めとする新興国経済の先行きや為替動向に対する不透明感があるものの、1)前期低調であったEDA分野におけるパイプラインが順調に積み上がっている、2)前期に低迷した北米子会社が回復する見込みである、など明るさが見受けられることは2016年12月期業績のプラス材料と考える。

同社は昨年春、2015年から2020年までの6ヶ年にわたる中期経営計画を公表。計画期間は、前期(2015年−2017年:目標は営業利益率8%以上)と、後期(2018年−2020年:目標は連結売上高300億円超、連結営業利益30億円(営業利益率10%超))に分かれ、その内容は1)同社独自の価値の提供、2)自動車関連分野への注力、3)パートナーとの連携強化、の3点を基本戦略とする。2020年度の目標である売上高300億円の達成に当たって、テスト・計測分野への参入を視野に入れており、前期はその調査等の準備期間としての位置付けとなっている。弊社では、需要拡大が見込まれる自動車関連分野への取り組みとM&Aの進捗について注目している。

■Check Point
・2015年12月期は大型案件の反動減などの一時的な特殊要因により微増収、増益にとどまる
・2016年12月期はEDAの拡大、海外子会社の好調持続により2ケタ営業増益を見込む
・M&Aの実施を含め2020年12月期に売上高300億円、営業利益30億円の達成を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



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