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プレサンス Research Memo(5):近畿圏を中心にマンション用地の先行取得を進めてきた

注目トピックス 日本株
■成長戦略

○中長期的な利益目標
プレサンスコーポレーション<3254>は外部環境に即応し経営の自由度を確保するために、あえて中長期計画を策定しない方針を取っているため、具体的な数値目標はない。ただし、経済環境が悪化するなどの特別な要因がなければ、営業利益ベースで前期比2ケタ増(10%強の年成長率)を目標と考えている。2008年3月期から2015年3月期までの7年間の営業利益の伸びが年13.9%であったという実績からすると、この目標は堅実なものと考えてよいだろう。ちなみにこの期間はリーマンショックや東日本大震災などがあり、必ずしもマンションデベロッパーにとっての環境が良かったわけではない。

○仕掛販売用不動産の残高
土地の仕入れが雌雄を決するマンションデベロッパーにとって、現状の首都圏マンション用地の高騰は懸念材料である。同社は潤沢な内部留保を背景に、近畿圏中心にマンション用地の先行取得を進めてきた。2015年12月末の仕掛販売用不動産は70,341百万円、販売用不動産は3,861百万円。これら2つの合計から事前工事代などを差し引いた取得済用地の資産額は56,846百万円である。これらの土地をマンションに換算すると、ファミリーマンション4,476戸(16/3期計画数の3.2年分)、ワンルームマンション4,408戸(2016年3月期計画数の3.1年分)、一棟販売2,352戸(2016年3月期計画数の5.8年分)に相当する。積極的な仕入れを可能にしているのは資金力だけではなく、情報力も一役買っている。リーマンショック時も用地を買い続けた実績や審査・回答の早さが同社の強みであり、地場の不動産業者からの一次情報を獲得するうえで有利に働いている。

○ホテル事業への取り組み
訪日外国人旅行者の増加を背景としてホテル不足は深刻化しており、この傾向は近畿圏においても同様である。同社では大阪・京都の中核駅に隣接した取得用地の中から、マンション事業よりもホテル事業として取り組んだほうが収益向上を見込める場所ではホテル事業を展開する方針だ。既に完成予定の物件が4件(2018年3月期に大阪で2物件完成、京都で1物件。2019年3月期に大阪で1物件完成)あり、この4物件に関しては、ホテル事業会社へ売却するスキームだが、中長期的には自社保有や自社運営を含めた多角的な展開を視野に入れている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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