フリービット Research Memo(2):モバイルとアドテクノロジー事業の好調で2ケタ増収・営業増益を確保
[16/04/11]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■決算動向
(1)2016年4月期第3四半期累計業績の概要
3月11日に発表されたフリービット<3843>の2016年4月期第3四半期累計(2015年5月−2016年1月)の連結業績は、売上高が前年同期比29.5%増の20,419百万円、営業利益は同51.8%増の1,269百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同57.2%減の341百万円となった。
業績好調の要因は、モバイル事業、フルスピードのアドテクノロジー事業が好調に推移したことに加えて、ブロードバンド事業でマンションインターネットサービスが拡大したことによる。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の減益は前期に繰延税金資産計上等の一時的要因があったためだ。
○ブロードバンド事業
売上高は同5.7%増の7,434百万円、セグメント利益は同22.1%減の1,250百万円となった。増収は、ギガプライズのマンションインターネット・サービス(15/3期3Q:91,887戸→16/3期3Q:131,503戸数、通期目標140,000戸)や(株)ドリーム・トレイン・インターネット(以下、DTI)の個人向けインターネット・サービスでDTI光(ユーザー数は1年間で約9倍に拡大)が順調に拡大したことが主要因。にもかかわらず、減益となったのは、固定網の接続サービスの売上減による利益減と固定回線を介した動画視聴等が増加したことによるトラフィック増加に伴いネットワーク関連費用が増加したことがマイナス要因として働いたためだ。もっとも、四半期ベースで見たマンションインターネット売上高を除いたそれ以外の売上高、セグメント利益ともに下げ止まり傾向が鮮明になっている。
○モバイル事業
売上高は同117.6%増の3,249百万円と大幅増収となり、セグメント損失は前期の659百万円から96百万円へ大幅に縮小した。この要因として、MVNOパッケージサービス「freebit MVNO Pack」の提供先事業者の加入者獲得が順調に進んだ(2016年3月の「freebit MVNO Pack」帯域幅は前年同月比約4.9倍増、2015年12月は同約4.6倍増)ことやプリペイドSIMも堅調に推移した(2015年2月からの1年間の累計販売枚数22万枚、2015年12月時点18万枚)、DTIで昨年9月からサービスの提供を開始したモバイル高速データ通信サービス「DTI SIM」の契約数が大幅に拡大(2Q比で4〜5倍に増加)したこと、スマートデバイス事業で「TONE m15」の出荷を開始したことなどを挙げることができる。四半期別で見ると、売上高の拡大に伴いセグメント損失は順調に縮小※しており、第4四半期に黒字転換する可能性が高い。
※第3四半期に30百万円の引当金を計上した。これを除いた実質的なセグメント利益は黒字転換している。
○アドテクノロジー事業
売上高は同44.8%増の8,490百万円、セグメント利益は同85.9%増の654百万円と大幅な増収・増益を確保した。増収・増益となったのは、フルスピードで注力している独自広告運用総合プラットフォーム「AdMatrix」シリーズが順調に増加した※ことに加えて、アフィリエイト広告やソーシャル・メディア・マーケティングなどのサービスも堅調に推移したことが主要因。
※13/4期2Q売上高を1とした場合、15/4期3Q売上高は22.1倍へ拡大した。ちなみに、15/4期2Qは14.8倍であった。
○クラウド事業
売上高は同2.6%減の1,483百万円、セグメント利益は同73.1%減の23百万円と、減収及び大幅な減益を余儀なくされた。ハウジングやホスティングなどレガシーサービスの減少による売上・利益減が主たる要因。ただ、SaaS※1型バックアップサービス「フリービットクラウドBackup Orchestra」※2やIaaS※3型プライベートクラウドサービス「フリービットクラウドVDC Private」※4の新規サービスの提供を開始し、引合いは好調となっている。
※1インターネットなどを通じて、ソフトウェアを利用者が必要なときに呼び出して使える仕組み。
※2米Acronisのエンジンと同社の技術を組み合わせ、日常のバックアップからDR対策までを可能にした法人向けバックアップサービス。
※3情報システムの稼働に必要な機材や回線などのインフラを、インターネット上のサービスとして遠隔から利用できるようにしたもの。
※4同社が展開するIaaS(Infrastructure as a Service)の「フリービットクラウドVDC」を、フリービットクラウド環境ではなく、ユーザー環境内にプライベートクラウドとして構築するサービス。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
<HN>
(1)2016年4月期第3四半期累計業績の概要
3月11日に発表されたフリービット<3843>の2016年4月期第3四半期累計(2015年5月−2016年1月)の連結業績は、売上高が前年同期比29.5%増の20,419百万円、営業利益は同51.8%増の1,269百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同57.2%減の341百万円となった。
業績好調の要因は、モバイル事業、フルスピードのアドテクノロジー事業が好調に推移したことに加えて、ブロードバンド事業でマンションインターネットサービスが拡大したことによる。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の減益は前期に繰延税金資産計上等の一時的要因があったためだ。
○ブロードバンド事業
売上高は同5.7%増の7,434百万円、セグメント利益は同22.1%減の1,250百万円となった。増収は、ギガプライズのマンションインターネット・サービス(15/3期3Q:91,887戸→16/3期3Q:131,503戸数、通期目標140,000戸)や(株)ドリーム・トレイン・インターネット(以下、DTI)の個人向けインターネット・サービスでDTI光(ユーザー数は1年間で約9倍に拡大)が順調に拡大したことが主要因。にもかかわらず、減益となったのは、固定網の接続サービスの売上減による利益減と固定回線を介した動画視聴等が増加したことによるトラフィック増加に伴いネットワーク関連費用が増加したことがマイナス要因として働いたためだ。もっとも、四半期ベースで見たマンションインターネット売上高を除いたそれ以外の売上高、セグメント利益ともに下げ止まり傾向が鮮明になっている。
○モバイル事業
売上高は同117.6%増の3,249百万円と大幅増収となり、セグメント損失は前期の659百万円から96百万円へ大幅に縮小した。この要因として、MVNOパッケージサービス「freebit MVNO Pack」の提供先事業者の加入者獲得が順調に進んだ(2016年3月の「freebit MVNO Pack」帯域幅は前年同月比約4.9倍増、2015年12月は同約4.6倍増)ことやプリペイドSIMも堅調に推移した(2015年2月からの1年間の累計販売枚数22万枚、2015年12月時点18万枚)、DTIで昨年9月からサービスの提供を開始したモバイル高速データ通信サービス「DTI SIM」の契約数が大幅に拡大(2Q比で4〜5倍に増加)したこと、スマートデバイス事業で「TONE m15」の出荷を開始したことなどを挙げることができる。四半期別で見ると、売上高の拡大に伴いセグメント損失は順調に縮小※しており、第4四半期に黒字転換する可能性が高い。
※第3四半期に30百万円の引当金を計上した。これを除いた実質的なセグメント利益は黒字転換している。
○アドテクノロジー事業
売上高は同44.8%増の8,490百万円、セグメント利益は同85.9%増の654百万円と大幅な増収・増益を確保した。増収・増益となったのは、フルスピードで注力している独自広告運用総合プラットフォーム「AdMatrix」シリーズが順調に増加した※ことに加えて、アフィリエイト広告やソーシャル・メディア・マーケティングなどのサービスも堅調に推移したことが主要因。
※13/4期2Q売上高を1とした場合、15/4期3Q売上高は22.1倍へ拡大した。ちなみに、15/4期2Qは14.8倍であった。
○クラウド事業
売上高は同2.6%減の1,483百万円、セグメント利益は同73.1%減の23百万円と、減収及び大幅な減益を余儀なくされた。ハウジングやホスティングなどレガシーサービスの減少による売上・利益減が主たる要因。ただ、SaaS※1型バックアップサービス「フリービットクラウドBackup Orchestra」※2やIaaS※3型プライベートクラウドサービス「フリービットクラウドVDC Private」※4の新規サービスの提供を開始し、引合いは好調となっている。
※1インターネットなどを通じて、ソフトウェアを利用者が必要なときに呼び出して使える仕組み。
※2米Acronisのエンジンと同社の技術を組み合わせ、日常のバックアップからDR対策までを可能にした法人向けバックアップサービス。
※3情報システムの稼働に必要な機材や回線などのインフラを、インターネット上のサービスとして遠隔から利用できるようにしたもの。
※4同社が展開するIaaS(Infrastructure as a Service)の「フリービットクラウドVDC」を、フリービットクラウド環境ではなく、ユーザー環境内にプライベートクラウドとして構築するサービス。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
<HN>