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タカショー Research Memo(8):2016年1月期業績は減収ながら営業増益で着地、注力商品群は順調な伸び

注目トピックス 日本株
■決算概要

(2) 2016年1月期決算の概要

タカショー<7590>の2016年1月期の業績は、売上高が前期比3.4%減の17,853百万円、営業利益が同19.7%増の722百万円、経常利益が同12.2%減の597百万円、当期純利益が同25.4%減の240百万円と減収ながら営業増益であった。ただ、経常利益以下は円高による為替差損の発生により減益となった。また、修正後(2015年11月20日付)の業績予想に対しては、売上高ではほぼ計画線での着地となったものの、各利益は計画を下回った。

売上高は、注力する商品群である「エバーアートウッド」関連商品や屋外ライト(ローボルトライト)、景観建材が好調に推移したことからプロユース向けが伸長したものの、日除け商品の販売不振等によりホームユース向けが落ち込んだことや、海外子会社が為替の影響を含めて総じて低調に推移したことから減収となった。

損益面では、ホームユース向けにおける値上げの効果等により原価率が低下したことに加えて、システム投資に関わる費用(導入コンサルティング費用等)の減少等により営業増益を確保し、営業利益率も4.0%(前期は3.3%)に改善した。ただ、経常利益以下は外貨建債権の洗い替えによる為替差損92百万円(前期は45百万円の為替差益)の発生により大きく減益となった。

財務状態については、売掛債権や海外子会社に対する短期貸付金が増加したものの、総資産はほぼ横ばいで推移した一方、自己資本は配当金の支払いなどで減少したことから自己資本比率は43.9%(前期末は45.6%)に低下した。ただ、有利子負債はコミットメントラインの活用や債権流動化により資金効率の向上を図ったことから、長短併せて4,397百万円(前期末比424百万円の削減)に減少している。

また、キャッシュフローについても、中期経営計画に基づく積極的な投資方針により投資キャッシュフローが1,403百万円の支出(首都圏ショールームの開設や海外子会社への貸付金等)となったが、潤沢な営業キャッシュフロー(1,723百万円の収入)で十分に賄うことができた。

販売ルート別(単体)及び主力商品別(連結)の業績は以下のとおりである。

プロユース向けは順調に伸長した。主力の「エバーアートウッド」関連商品は、一昨年前(消費税増税後)の新設住宅着工指数の減少によりエクステリア市場全体が低迷したことから期初の立ち上がりで出遅れたものの、市場全体が回復するにつれて同社の業績も尻上がりに良くなってきた。また、前々期(2015年1月期)よりコントラクト分野に販売を開始した景観建材「エバーアートボード」シリーズも小規模ながら前期の3倍強に大きく伸びている。

また、もう1つの主力商品である屋外ライト商品の売上高も堅調に推移した。プロユース向けに取り扱う同社独自の「ローボルトライト」がマイスター制度の効果(認定者の拡大)により大きく伸びたものの、ホームユース向けでソーラーライトが伸び悩んだことから緩やかな伸びにとどまった。

一方、ホームユース向けは大幅な減収となった。ホームセンター業界全体に停滞感が漂うなかで、特に商品分野における「園芸・エクステリア」の低迷が同社の業績にも影響を及ぼしているようだ。加えて、6〜7月における天候不順の影響により日除け商品が落ち込んだことが業績の足を引っ張った。

また、海外子会社については、英国子会社(ベジトラグ)ブランドによるグローバル展開に向けて着々と準備を進めている段階にある。ただ、英国子会社自体は、同国内におけるガーデンセンター再編等の影響を受けて低調に推移したことに加え、(有)タカショーヨーロッパ(ドイツ)でも一部期ずれや為替の影響により仕入原価が上昇したことから業績が落ち込んだ。また、2015年2月に設立したベジトラグUSA(米国子会社)も販路確保に向けて準備段階にあり、本格的な業績貢献には至っていない。海外売上高比率は円高による為替(換算レート)の影響もあったことから10.7%(前期末は14.8%)に低下した。

弊社では、様々な外部要因が重なったことから売上高は一旦減収となったものの、注力する商品群が順調に伸びていることから、同社の成長性に変調を来すものではないとみている。むしろ、積極的な投資を含め、本格的なグローバル展開のための基盤づくりや販路拡大、積極的な啓蒙活動など、今後の成長に向けた施策は順調に進展していると評価していいだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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