ファストロジク Research Memo(5):掲載不動産件数は順調に拡大
[16/04/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長シナリオと論点整理
(2)X軸成長のための施策
X軸の成長は、ファーストロジック<6037>の成長戦略の重要な一角を占める。上図ではX軸は加盟店数としているが、掲載物件数に置き換えても同じことで、同社は掲載物件数で情報開示を行っている。2016年7月期第2四半期末の掲載物件数は42,165件で、順調に拡大基調をたどっている。
物件数(もしくは加盟店数)の潜在成長性について弊社では以下のように考えている。不動産業界内では現在の不動産店舗数を大まかに約20万店といわれている。総務省の「平成18年(2006年)事業所・企業統計調査」によれば不動産取引業の事業数は247,517ヶ所であった。他方、国土交通省の統計では2006年度から2013年度までの間に宅地建物取引業者数は6.5%減少したとされる。業界の20万件という認識は、こうした統計値とほぼ一致しているといえる。
20万店舗のうち10%を加盟店化し、1店舗当たり20件掲載するという状況を想定すると、掲載物件数は【20,000店舗×20件=400,000万件】となり、現状の10倍だ。この場合の物件掲載サービスの売上高は、20件で月20,000円の収入となるので【20,000円×12か月×20,000店=4,800百万円】ということになる。実際に2万店を加盟店化できるかは検討が必要だ。居住用主体で不動産仲介を行う“街の不動産屋さん”が大多数を占めると考えられるため、そうしたところは潜在顧客にならないと慎重に考えるべきであろう。反対に、加盟1店舗当たり20件という掲載数は現実にはもっと多いと考えられる。結論としては、内訳の詳細は予測が難しいものの、物件掲載数が40万件〜50万件に増大するのは、十分現実性があると弊社では考えている。
この潜在市場の開拓をどう進めるかの具体策について、同社はまず営業担当者の増員を図る予定だ。2016年2月末時点の同社の全社員数は34名で、そのうち20名が営業担当者だ。各営業担当者はFAX等で不動産会社にファーストコンタクトをとって見込み客のスクリーニングを行ったうえで訪問するなど、効率的な営業に努めているが、潜在顧客数に対して営業人員の絶対数が足りていない状況だ。そこで同社は今年度中にさらに数人の増員を行うほか、2017年4月入社の新卒を15〜20名採用する方向で準備を進めている。
物件数(もしくは加盟店数)の拡大については営業エリア拡大も一つの策として考えうる。現状では3大都市圏に絞って営業を行っており、政令指定都市も含めて地方都市は実質的には手つかずの状況だ。この点について同社は、当面は3大都市圏に集中する方針を表明している。理由として同社は、3大都市圏の潜在顧客をカバーするだけで営業人員が手一杯になるということと、同社が社内目標で掲げる加盟店数/掲載物件数の目標達成には、3大都市圏の潜在顧客だけで十分可能とみていることを挙げている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(2)X軸成長のための施策
X軸の成長は、ファーストロジック<6037>の成長戦略の重要な一角を占める。上図ではX軸は加盟店数としているが、掲載物件数に置き換えても同じことで、同社は掲載物件数で情報開示を行っている。2016年7月期第2四半期末の掲載物件数は42,165件で、順調に拡大基調をたどっている。
物件数(もしくは加盟店数)の潜在成長性について弊社では以下のように考えている。不動産業界内では現在の不動産店舗数を大まかに約20万店といわれている。総務省の「平成18年(2006年)事業所・企業統計調査」によれば不動産取引業の事業数は247,517ヶ所であった。他方、国土交通省の統計では2006年度から2013年度までの間に宅地建物取引業者数は6.5%減少したとされる。業界の20万件という認識は、こうした統計値とほぼ一致しているといえる。
20万店舗のうち10%を加盟店化し、1店舗当たり20件掲載するという状況を想定すると、掲載物件数は【20,000店舗×20件=400,000万件】となり、現状の10倍だ。この場合の物件掲載サービスの売上高は、20件で月20,000円の収入となるので【20,000円×12か月×20,000店=4,800百万円】ということになる。実際に2万店を加盟店化できるかは検討が必要だ。居住用主体で不動産仲介を行う“街の不動産屋さん”が大多数を占めると考えられるため、そうしたところは潜在顧客にならないと慎重に考えるべきであろう。反対に、加盟1店舗当たり20件という掲載数は現実にはもっと多いと考えられる。結論としては、内訳の詳細は予測が難しいものの、物件掲載数が40万件〜50万件に増大するのは、十分現実性があると弊社では考えている。
この潜在市場の開拓をどう進めるかの具体策について、同社はまず営業担当者の増員を図る予定だ。2016年2月末時点の同社の全社員数は34名で、そのうち20名が営業担当者だ。各営業担当者はFAX等で不動産会社にファーストコンタクトをとって見込み客のスクリーニングを行ったうえで訪問するなど、効率的な営業に努めているが、潜在顧客数に対して営業人員の絶対数が足りていない状況だ。そこで同社は今年度中にさらに数人の増員を行うほか、2017年4月入社の新卒を15〜20名採用する方向で準備を進めている。
物件数(もしくは加盟店数)の拡大については営業エリア拡大も一つの策として考えうる。現状では3大都市圏に絞って営業を行っており、政令指定都市も含めて地方都市は実質的には手つかずの状況だ。この点について同社は、当面は3大都市圏に集中する方針を表明している。理由として同社は、3大都市圏の潜在顧客をカバーするだけで営業人員が手一杯になるということと、同社が社内目標で掲げる加盟店数/掲載物件数の目標達成には、3大都市圏の潜在顧客だけで十分可能とみていることを挙げている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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