ブイキューブ Research Memo(5):主力のクラウドが順調に拡大し増収増益
[16/04/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
(1) 2015年12月期の実績
●損益状況
ブイキューブ<3681>の2015年12月期の連結業績は売上高6,083百万円(前期比30.0%増)、営業利益348百万円(同13.7%減)、経常利益179百万円(同69.8%減)、当期純利益93百万円(同64.2%減)となった。
販売形態別では、主力のクラウドは昨年度からの販売活動投資の効果に加えてWizlearn社の連結開始もあり3,947百万円(同39.8%増)と好調に推移した。また、「クラウド」型サービスの重要指標である契約ポート数(利用単位)及び平均利用時間も順調に拡大しており、将来の増収につながる顧客基盤は拡大しつつあると言えそうだ。
オンプレミスは金融関係や海外案件のクロージングの遅れにより軟調であったが、「ずれ込み」が要因であるため特に懸念されるような内容ではなかった。アプライアンス(主にPVC社の電子黒板システム関連売上高)は1,218百万円(同42.9%増)と順調に拡大した。
地域別売上高では日本が4,783百万円(同19.8%増)、中国が836百万円(同41.6%増)、その他海外が463百万円(同374.8%増)となった。日本はクラウドの伸びに加えPVC社の寄与もあり堅調に推移した。海外では、中国が順調に立ち上がり連結売上高に寄与した。その他海外ではタイの政情混乱からの回復に加えてシンガポール、インドネシア等で成長軌道や買収の影響で売上高は大幅増となった。この結果、海外売上比率は前期の14.7%から21.4%へ上昇した。
売上総利益率は、比較的利益率の低いアプライアンスの売上高の伸び率が高かったことから55.1%(前期は57.7%)へ低下したが、売上高の増加に伴い売上総利益(額)は3,354百万円(同24.2%増)へ増加した。しかし一方で販管費が積極的な販売活動投資などにより3,006百万円(同30.8%増)と大幅に増加したことから、営業利益は348百万円(同13.7%減)と減益となった。販管費の増加708百万円の内訳としては、会社規模拡大に伴う人件費の増加430百万円、地代家賃等の増加164百万円、子会社の買収等によるのれん償却費71百万円などによる。
さらに営業外損益で為替差損が170百万円(前期は171百万円の差益)発生したことなどから経常利益は179百万円(同69.8%減)、当期純利益93百万円(同64.2%減)と前期比で大幅減益となった。
●財務状況
2015年12月期末の財務状況は以下のようであった。流動資産は4,453百万円(前期末2,987百万円)へ増加したが、主に現預金の増加962百万円、受取手形及び売掛金の増加235百万円等による。固定資産は5,702百万円(同3,270百万円)へ増加したが、主に積極的な投資に伴うソフトウェア(ソフトウェア仮勘定を含む)の増加551百万円やのれんの増加1,616百万円によるもの。この結果、総資産は10,156百万円(前期末比3,898百万円増)となった。
流動負債は4,345百万円(前期末1,350百万円)へ増加したが、主に短期借入金及び1年以内返済予定の長期借入金の増加2,662百万円、前受金の増加212百万円によるもの。また純資産は4,601百万円(同4,400百万円)へ増加したが、主に資本金の増加61百万円、資本剰余金の増加61百万円、当期純利益の計上による利益剰余金の増加93百万円によるものである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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(1) 2015年12月期の実績
●損益状況
ブイキューブ<3681>の2015年12月期の連結業績は売上高6,083百万円(前期比30.0%増)、営業利益348百万円(同13.7%減)、経常利益179百万円(同69.8%減)、当期純利益93百万円(同64.2%減)となった。
販売形態別では、主力のクラウドは昨年度からの販売活動投資の効果に加えてWizlearn社の連結開始もあり3,947百万円(同39.8%増)と好調に推移した。また、「クラウド」型サービスの重要指標である契約ポート数(利用単位)及び平均利用時間も順調に拡大しており、将来の増収につながる顧客基盤は拡大しつつあると言えそうだ。
オンプレミスは金融関係や海外案件のクロージングの遅れにより軟調であったが、「ずれ込み」が要因であるため特に懸念されるような内容ではなかった。アプライアンス(主にPVC社の電子黒板システム関連売上高)は1,218百万円(同42.9%増)と順調に拡大した。
地域別売上高では日本が4,783百万円(同19.8%増)、中国が836百万円(同41.6%増)、その他海外が463百万円(同374.8%増)となった。日本はクラウドの伸びに加えPVC社の寄与もあり堅調に推移した。海外では、中国が順調に立ち上がり連結売上高に寄与した。その他海外ではタイの政情混乱からの回復に加えてシンガポール、インドネシア等で成長軌道や買収の影響で売上高は大幅増となった。この結果、海外売上比率は前期の14.7%から21.4%へ上昇した。
売上総利益率は、比較的利益率の低いアプライアンスの売上高の伸び率が高かったことから55.1%(前期は57.7%)へ低下したが、売上高の増加に伴い売上総利益(額)は3,354百万円(同24.2%増)へ増加した。しかし一方で販管費が積極的な販売活動投資などにより3,006百万円(同30.8%増)と大幅に増加したことから、営業利益は348百万円(同13.7%減)と減益となった。販管費の増加708百万円の内訳としては、会社規模拡大に伴う人件費の増加430百万円、地代家賃等の増加164百万円、子会社の買収等によるのれん償却費71百万円などによる。
さらに営業外損益で為替差損が170百万円(前期は171百万円の差益)発生したことなどから経常利益は179百万円(同69.8%減)、当期純利益93百万円(同64.2%減)と前期比で大幅減益となった。
●財務状況
2015年12月期末の財務状況は以下のようであった。流動資産は4,453百万円(前期末2,987百万円)へ増加したが、主に現預金の増加962百万円、受取手形及び売掛金の増加235百万円等による。固定資産は5,702百万円(同3,270百万円)へ増加したが、主に積極的な投資に伴うソフトウェア(ソフトウェア仮勘定を含む)の増加551百万円やのれんの増加1,616百万円によるもの。この結果、総資産は10,156百万円(前期末比3,898百万円増)となった。
流動負債は4,345百万円(前期末1,350百万円)へ増加したが、主に短期借入金及び1年以内返済予定の長期借入金の増加2,662百万円、前受金の増加212百万円によるもの。また純資産は4,601百万円(同4,400百万円)へ増加したが、主に資本金の増加61百万円、資本剰余金の増加61百万円、当期純利益の計上による利益剰余金の増加93百万円によるものである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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