ファストロジク Research Memo(7):「大家さんの味方」の中期的な成長に期待
[16/04/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長シナリオと論点整理
(4)Z軸成長のための施策
Z軸における成長策では、「大家さんの味方」の立ち上がりによる収益増大が当面の最重要課題といえる。「大家さんの味方」を開始したことのファーストロジック<6037>の企業収益上の意義は、前述のように、不動産投資家のサイクル全般について収益機会を得ることが出来るということだ。
リフォーム市場の規模について、業界内では市場規模の総額は7兆円市場で、リフォーム事業を手掛ける企業は約100万社、リフォームに関する広告市場は3,500億円、という数字で語られている。ここが「大家さんの味方」が狙う市場であり、企業数では「楽待」が対象とする不動産会社(約20万社)の5倍以上と、大きなポテンシャルを秘めている。
「大家さんの味方」の足元の状況は、加盟店数で見た場合、過去の「楽待」の成長ペースと比較して圧倒的に速いものの、同社の当初計画に対しては遅れているとみられる。リフォーム会社側の受注獲得に対する意識の有り様が、「楽待」で経験してきた不動産会社のそれとかなり異なっており、そうしたことへの対応で予想以上に時間を要していることが、計画を下回っている主要な原因の模様だ。また、リフォーム会社側から「大家さんの味方」の使い勝手について様々なリクエストも寄せられており、それに対応した改良作業なども続いている状況だ。
同社は当面、「大家さんの味方」の運営方法や営業方法の地道な改善に取り組むことを優先し、必ずしも“ロケットスタート”にはこだわらない方針だ。潜在的市場規模が莫大なだけに、問題を抱えたままで走って他社にスキを見せるよりも、盤石な足場を築いてから成長を加速させ、圧倒的なトップの地位の確立を目指す方針だ。具体的施策の一例として、前述したように「大家さんの味方」を「楽待」のオプションと位置付けたことが挙げられる。これにより「楽待」の既存会員をそのまま活用することが出来、相乗効果も得やすくなると期待される。
また、営業人員を当初は「楽待」チームと「大家さんの味方」チームに分けて編成していたが、現状は営業担当者が双方の営業を兼ねる体制へと変更した。不動産とリフォーム業者は隣接した業界でそれぞれが他方の情報を有しており、クロスセル(重ね売り)の効果が出やすいと判断したことが背景にある。
これら施策を通じて「大家さんの味方」は中期的に「楽待」と並ぶ収益の柱に成長すると期待されている。弊社では、足元の進捗の遅れによって、2016年7月期と2017年7月期にはその影響が残る可能性があるが、2018年7月期には収益に貢献してくる可能性が高いとみている。2016年7月期と2017年7月期の遅れ分については、「楽待」がカバーするため、同社の業績予想・業績計画に対しては影響を及ぼさないと考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(4)Z軸成長のための施策
Z軸における成長策では、「大家さんの味方」の立ち上がりによる収益増大が当面の最重要課題といえる。「大家さんの味方」を開始したことのファーストロジック<6037>の企業収益上の意義は、前述のように、不動産投資家のサイクル全般について収益機会を得ることが出来るということだ。
リフォーム市場の規模について、業界内では市場規模の総額は7兆円市場で、リフォーム事業を手掛ける企業は約100万社、リフォームに関する広告市場は3,500億円、という数字で語られている。ここが「大家さんの味方」が狙う市場であり、企業数では「楽待」が対象とする不動産会社(約20万社)の5倍以上と、大きなポテンシャルを秘めている。
「大家さんの味方」の足元の状況は、加盟店数で見た場合、過去の「楽待」の成長ペースと比較して圧倒的に速いものの、同社の当初計画に対しては遅れているとみられる。リフォーム会社側の受注獲得に対する意識の有り様が、「楽待」で経験してきた不動産会社のそれとかなり異なっており、そうしたことへの対応で予想以上に時間を要していることが、計画を下回っている主要な原因の模様だ。また、リフォーム会社側から「大家さんの味方」の使い勝手について様々なリクエストも寄せられており、それに対応した改良作業なども続いている状況だ。
同社は当面、「大家さんの味方」の運営方法や営業方法の地道な改善に取り組むことを優先し、必ずしも“ロケットスタート”にはこだわらない方針だ。潜在的市場規模が莫大なだけに、問題を抱えたままで走って他社にスキを見せるよりも、盤石な足場を築いてから成長を加速させ、圧倒的なトップの地位の確立を目指す方針だ。具体的施策の一例として、前述したように「大家さんの味方」を「楽待」のオプションと位置付けたことが挙げられる。これにより「楽待」の既存会員をそのまま活用することが出来、相乗効果も得やすくなると期待される。
また、営業人員を当初は「楽待」チームと「大家さんの味方」チームに分けて編成していたが、現状は営業担当者が双方の営業を兼ねる体制へと変更した。不動産とリフォーム業者は隣接した業界でそれぞれが他方の情報を有しており、クロスセル(重ね売り)の効果が出やすいと判断したことが背景にある。
これら施策を通じて「大家さんの味方」は中期的に「楽待」と並ぶ収益の柱に成長すると期待されている。弊社では、足元の進捗の遅れによって、2016年7月期と2017年7月期にはその影響が残る可能性があるが、2018年7月期には収益に貢献してくる可能性が高いとみている。2016年7月期と2017年7月期の遅れ分については、「楽待」がカバーするため、同社の業績予想・業績計画に対しては影響を及ぼさないと考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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