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ファストロジク Research Memo(10):集客支援、仕入支援の両ビジネスが着実に伸びていく模様

注目トピックス 日本株
■業績動向

(2)2016年7月期見通し

2016年7月通期についてファーストロジック<6037>は、売上高1,251百万円(前期比37.1%増)、営業利益575百万円(同22.3%増)経常利益551百万円(同19.9%増)、当期純利益369百万円(同28.5%増)を予想している。この予想値は期初予想から変更はない。

2016年7月期の下期も第2四半期までの傾向が継続すると弊社ではみている。すなわち、物件掲載数、会員数、PV数といったKPIが順調に上昇し、集客支援、仕入支援の両ビジネスが着実に伸びるという構図だ。「楽待」は投資用不動産のポータルサイトとして第1位の地位を確立しているため、各KPIに正の循環が働いて上昇していく状況にある。他方、「大家さんの味方」は、2016年7月期は先行投資を行って商品力を拡充するための時期であり、収益貢献は極めて限定的なものになるという見方は従来から変わっていない。

投資家が注目する売上高営業利益率は、「大家さんの味方」への先行投資や人員増を理由に、2016年7月通期の会社予想ベースでは46.0%と見込まれている。第2四半期実績の営業利益率が41.6%であったことから、計算上は今下期の営業利益率は49.6%にまで高める必要がある。「大家さんへの味方」の開発投資はすでにピークアウトし、今後は改良や保守メンテナンスが主体となるとみられる。また、今下期以降は増加した人員による収益貢献も期待できるため、2016年7月期下期の営業利益率が第2四半期実績を上回る可能性は十分に高いと弊社ではみている。

(3)2017年7月期以降の考え方

2017年7月期以降の業績の見方はいくつかの前提条件をどう設定するかで大きく変わってくるとみている。前述のように同社の成長モデルはX(数量=物件掲載数など)、Y(単価=加盟店1店当たり売上単価)、Z(サービスの重層化)の3軸で考えることが出来る。

2017年7月期以降の業績の考え方として最も保守的な想定は、2016年7月期までと同様に、主としてX軸の成長(物件掲載数の増加)だけを織り込む考え方である。これをベースに、Y軸の成長(掲載料金の改定等)やZ軸の成長(「大家さんの味方」の伸長や新サービスへの展開など)による収益貢献の上乗せ具合を考えていくことになろう。

具体的な試算としては、物件掲載数や会員数の伸びが2016年7月期までと同じペースが続くとすれば、売上高は前期比20%〜30%増となり、1,300百万円〜1,500百万円程度への成長が期待できる。これに対して利益面では、固定費、変動費共に2016年7月期の水準からほぼ横ばいと考えられるものの、2017年4月入社の人員増を15人〜20人と計画していることと、「大家さんの味方」への追加投資等を勘案すると、営業利益は560百万円〜690百万円(営業利益率43.0%〜46.0%)が想定レンジとして浮かびあがってくる。正確な収益予想は2016年7月期末を待たねばならないが、収益水準のイメージを掴む一助にはなろう。

2018年7月期以降はX軸に加えてZ軸の成長(特に「大家さんの味方」の拡大)が本格化してくると弊社では期待している。また、Y軸の成長についても、同社はかねがね単価引き上げへの意欲を示しており、どこかの時点では実行してくる可能性が高いと考えている。弊社では2017年7月期まではじっくりと足場を固めたうえで2018年7月期一気に高成長を打ち出してくるのをメインシナリオと考えているが、その一部または全部が前倒しされる可能性も否定できない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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