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アウトソシング Research Memo(1):6期連続で売上高過去最高を更新、各利益も過去最高を更新

注目トピックス 日本株
アウトソーシング<2427>は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「製造系アウトソーシング事業」のほか、メーカーの研究開発部門やIT及び土木建築系企業に対して技術者派遣等を行う「技術系アウトソーシング事業」「海外事業」なども展開している。海外を含めた人材提供数(外勤社員数)は2.9万人を超え、業界最大の規模を誇っている(2015年12月末現在)。旺盛な人材ニーズを背景として、業界全体が好調に推移しているなかで、景気変動の影響を受けやすい事業特性からの脱却や今後の環境変化への対応を図るため、事業構造の変革に取り組んでおり、IT及び土木建築分野や海外事業に注力している。また、「製造系アウトソーシング事業」においても、独自の事業モデルであるPEO(Professional Employer Organization)スキームによって、これまでの短期の生産調整領域から長期領域での人材ニーズの創出と顧客の囲い込みに取り組んでおり、同社ならではの成長戦略は本格的に動き出した。

2015年12月期(2015年1月−12月)の連結業績は、売上高が前期比36.1%増の80,860百万円、営業利益が同55.5%増の3,125百万円と期初計画を上回る増収増益となり、6期連続で売上高の過去最高を更新するとともに、各利益も過去最高を達成した。旺盛な人材ニーズに加え、労働者派遣法の改正※を受けてPEOスキームが軌道に乗り始めたことから「製造系アウトソーシング事業」が好調に推移したほか、「技術系アウトソーシング事業」もキャリアチェンジに資する独自の人材育成カリキュラムが奏功したことによりIT及び土木建築分野を中心に大きく伸長した。また、積極的なM&Aの実施により「海外事業」も大きく拡大した。

※2015年9月11日に改正案が成立した(9月30日より施行)。

2016年12月期の業績予想(連結)について同社は、売上高を前期比36.0%増の110,000百万円、営業利益を同72.8%増の5,400百万円と、引き続き大幅な増収増益を見込んでいる。今期より新セグメントに移行したが、「国内製造系アウトソーシング事業」並びに「国内技術系アウトソーシング事業」が好調を持続するとともに、新たに追加された「国内サービス系アウトソーシング事業」も、コンビニ業界や米軍基地向けに伸長する見通しである。また、「海外事業」も前期に実施したM&Aの効果が期初から寄与するうえ、グループシナジーの創出等により大きく拡大する想定となっている。

同社は2017年12月期を最終年度とする中期経営計画を推進している。注力する「技術系アウトソーシング事業」とアジアから欧州及び環太平洋地域へと展開する「海外事業」の伸びが、同社の中期的な成長をけん引するシナリオとなっており、2017年12月期の目標として売上高1,300億円、営業利益85億円を掲げている。

弊社では、今回の労働者派遣法改正により事業拡大が見込めるPEOスキームのほか、重点施策である「技術系アウトソーシング事業」及び「海外事業」の進展に注目している。特に「海外事業」は、更なるM&Aを含め、金融システムIT分野におけるグループシナジーの創出や米軍基地向けの環太平洋地域への展開のほか、公共事業の民間委託が進む国での各種事業の請負などを目指しており、潜在的な成長余地は大きいものとみている。

■Check Point
・業界最大規模の人材提供数を誇る
・成長産業で技術者が不足しているIT及び土木建築産業への人材進出を支える
・売上高は前期比36.1%増の808.60億円、営業利益は同55.5%増の31.25億円で着地

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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