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アウトソシング Research Memo(2):業界最大規模の人材提供数を誇る

注目トピックス 日本株
■会社概要

(1)事業内容

アウトソーシング<2427>は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「製造系アウトソーシング事業」のほか、メーカーの研究開発部門やIT及び土木建築系企業に対して技術者派遣等を行う「技術系アウトソーシング事業」「海外事業」なども展開している。自動車関連業界に強い顧客基盤を有しており、メーカーの生産効率向上や技術革新に貢献するとともに、M&Aを含めた効果的な人材確保に取り組んできたことが同社の成長を支えてきた。海外を含めた人材提供数(外勤社員数※)は2.9万人を超え、業界最大の規模を誇っている(2015年12月末現在)。

※外勤社員とは顧客メーカーにおける現場作業従業者の総称で、稼働中の派遣契約社員も含む。(同社の定義を使用)

事業セグメントは、「製造系アウトソーシング事業」と「技術系アウトソーシング事業」「海外事業」の3本柱のほか、「管理系アウトソーシング事業」「人材紹介事業」の5つに区分されている。事業別売上構成比では、「技術系アウトソーシング事業」が39.0%、「製造系アウトソーシング事業」が37.9%、「海外事業」が21.2%となっている(2015年12月期実績)。なお、業績の安定と規模の拡大を目的とした新たな業種への進出とグローバル展開を加速するなかで、今期(2016年12月期)からは新たなセグメント区分に変更している。

旧セグメントによる各事業の概要は以下のとおりである。

「製造系アウトソーシング事業」は、輸送用機器や電気機器などのメーカーの製造工程の外注化ニーズに対応し、人材派遣及び業務請負などを行っている。創業時からの主力事業であり、足元での業績は堅調であるが、景気変動(生産変動)の影響を受けやすいうえ、中長期的には国内市場の縮小が予想されている。同社では独自のPEOスキームを活用することで、景気変動の影響が少ない新たな領域での人材ニーズの創出と顧客の囲い込みにより、日本の安定雇用の役割を担うとともに持続的な成長を目指す方針である。

「技術系アウトソーシング事業」は、輸送用機器や電気機器、金属・建材、医薬等の幅広い分野のメーカーにおける研究開発部門への技術者派遣等のほか、IT及び土木建築系企業に対する技術者派遣などを行っている。特に市場規模が大きく、更なる成長が見込めるIT及び土木建築分野の強化に取り組んでおり、同社グループの(株)シンクスバンクが展開するKENスクールにて、顧客(通信キャリア等)と共同開発した人材育成カリキュラム(未経験・異分野からのキャリアチェンジを含む)などを進めた結果、既に4,000名を超える技術者を擁する国内有数の技術系アウトソーシング事業集団となっている。

「管理系アウトソーシング事業」は、グループ子会社(株)ORJを中心に、メーカーが直接雇用する期間社員に対する労務管理や社宅管理等に至る管理業務を一括受託するサービスを提供している。労働契約法や労働者派遣法の改正により派遣活用の利便性が高まるなかで、メーカー直接雇用による期間社員活用ニーズは縮小する方向にあると考えられる。一方、メーカーが直接受け入れる外国人技能実習生※に対する管理業務は拡大している。

※外国人技能実習制度とは、法に基づき、外国人が日本の現場で最長3年(建設系は5年)実習し、帰国後に習得技能を活用する制度

「人材紹介事業」は、グループ子会社(株)ORJを中心に、採用計画から募集、面接などの問題を一手に引き受け、人材確保及び紹介を行うサービスを提供している。こちらも労働契約法や労働者派遣法の改正により市場全体のニーズは縮小する方向にあると考えられる。

「海外事業」は、グループ子会社(株)OSインターナショナルを中心に、アジア諸国のグループ各社との連携による人材ネットワークを構築しており、新興国市場に生産拠点の移管を進める日系メーカーの人材ニーズに対応してきた。今後は、金融システムIT分野での欧州進出やグループシナジーの創出、米軍基地のアウトソーシングニーズへ対応する形での環太平洋地域への展開のほか、公共事業の民間委託が進む国での各種事業の請負などにより、事業領域の拡充や地域分散を図る方針である。

(2)セグメント変更のポイント

2015年12月期より参入したコンビニ業界や米軍基地向けのアウトソーシング事業については、「製造系アウトソーシング事業」に含まれていたが、2016年12月期からは新たに追加された「国内サービス系アウトソーシング事業」として報告されることになった。コンビニ業界向けは、大手コンビニ本部に対して店舗管理業務の受託及び人材派遣等を行う一方、米軍基地向け(沖縄各基地等)は、米軍基地内福利厚生施設への派遣や請負、滑走路等の軍事設備改修やメンテナンス業務の請負などを手掛けている。

また、海外事業についても、事業拡大に伴い「海外技術系事業」と「海外製造系及びサービス系事業」の2つに区分された。

(3)企業グループの状況

同社グループは、同社のほか、連結子会社67社(国内30社、海外37社)によって構成されている(2015年12月現在)。2014年12月時点の連結子会社は42社(国内17社、海外25社)であり、相次ぐM&Aの実施や新しい産業への進出等により大きく拡大した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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