【今、この株を買おう】連休に読む5大テーマ(2)ドローン:流通、防犯、災害救助などで新事業が創出
[16/05/04]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
「空の産業革命」として期待されるドローン(無人飛行機)は、2013年末に米アマゾンがドローンによる配送計画を発表して急速に関心が高まる状況になった。国内でも、ソニー<6758>が2015年7月にドローン事業への参入を発表している。こうした大手企業の進出に加えて、アベノミクスの成長戦略を後押しするうえでも、今後は規制緩和などによる政策支援が想定されることで、ここにきて事業参入や関連システム・サービス参入の動きが活発化してきている。
国内においては、シード・プランニングがドローンの市場予測を行っており、2015年に16億円、2020年には186億円に成長を予想、2020年以降はさらなる市場拡大が見込まれ、2022年には400億円を超えると見込んでいるようだ。用途としては、現在中心の農薬散布用に代わって、整備・点検、測量などの市場が大きく拡大すると予測しているもよう。いずれにせよ、今後の法整備の進展、技術やノウハウの蓄積によって、目先、世界的に市場の急拡大局面が到来すると予想される。
国内でも、政治的な取り組みが徐々に顕在化してきている。2015年12月15日の国家戦略特区諮問会議で国家戦略特区に追加された千葉市では、無人タクシーの走行などと並んで、ドローンでの宅配も規制改革される。千葉市では官民共同でプロジェクトチームを立ち上げ、事業化を検討する企業も参加して実証実験を開始、安全性や事業の可能性を調べて、2020年までの実用化を目指す。また、2016年1月25日に開かれた政府の産業競争力会議では、これまでの政府成長戦略と産業競争力強化策のレビューを行い、「改革2020」と呼ぶ成長戦略の進化のための検討方針が示されている。具体策の一つであるドローンに関しては、3年以内にドローンを使った荷物配送を可能とするなど、「空の産業革命」の実現に向けて、今夏までに制度設計の方向性をまとめるとされている。
ドローンの利用が進むと見られる産業は、危険な作業の代替、コストの大幅な引き下げにつながる分野となるが、カメラやセンサーなどの小型化が進んでドローンへの搭載も可能になっていることで、対象分野も急速に拡大していくことになろう。現時点では、空撮により地形を3Dモデル化してデータを建設や工事に活用させるサービス、自律型飛行監視ロボットによるセキュリティサービス、千葉市が実証実験に取り組んでいる宅配サービス、太陽光パネルなども含めたインフラの点検サービスなどが中心になるとみられる。
ドローンそのものは、中国のDJI社が世界トップとみられるが、関連部品やシステム、サービスの分野では、足元で国内企業の展開が加速化する状況となっている。とりわけ、電子部品メーカーはスマホなどで培った小型化や低電力化技術を生かして、小型・軽量の電池やセンサー、高効率モーター、動画撮影用のLSI、高効率のプロペラ駆動用モーターなどの開発が積極化されている。また、ドローンの検査装置、イベント会場などへのドローンの侵入を防ぐ装置、さらには、ドローンの安全な利用を支援する教育サービスなども登場してきている。3Dモデル作成に向けては、空間情報の解析技術なども必要性が高まってくるとみられるほか、ドローン関連のベンチャー支援事業なども有望になってくる可能性があろう。一方、ドローンを積極活用できる企業も今後は評価対象とされてくる公算が大きい。
<主な関連銘柄>
<6758>ソニー
{ドローン事業に新規参入、ZMPと共同出資会社のエアロセンスを新設}
<7272>ヤマハ発動機 {ドローン「RMAX」の使用がアメリカで認可、農薬散布用の大型無人機では初めて}
<4825>ウェザーニューズ {ドローン宅配の実用化をめざす官民連携事業に参加、安全運航や飛行可否の判断に必要な気象情報を提供}
<6902>デンソー {開発したドローンを使って老朽化した橋梁などのインフラ点検に活用する計画}
<6810>日立マクセル {ドローン向けに安全性を高めたリチウムイオン電池を開発}
<4726>ソフトバンク・テクノロジー {ドローンにカメラやセンサーを搭載して空撮画像や計測データをクラウドに集め、人工知能などで生育状況を分析する計画}
<9232>パスコ {造成現場における実証実験で、通常は2週間が必要だった現地測量とデータ処理作業を2日以内に短縮}
<7752>リコー {GPSの信号が届かない屋内環境でも、ドローンが位置を認識しながら自動飛行できる技術を開発}
このレポートは4月22日に発売された株ムック「今、この株を買おう 2016年春夏号」の要約版となります。「5大テーマで探る2016年株のトレンド!」という特集で、今回のフィンテックのほか、ドローン、ヘルスケア、5G、AR/VRの5大テーマを採り上げ、テーマ株全550銘柄を収録している中からの抜粋となります。
<TM>
国内においては、シード・プランニングがドローンの市場予測を行っており、2015年に16億円、2020年には186億円に成長を予想、2020年以降はさらなる市場拡大が見込まれ、2022年には400億円を超えると見込んでいるようだ。用途としては、現在中心の農薬散布用に代わって、整備・点検、測量などの市場が大きく拡大すると予測しているもよう。いずれにせよ、今後の法整備の進展、技術やノウハウの蓄積によって、目先、世界的に市場の急拡大局面が到来すると予想される。
国内でも、政治的な取り組みが徐々に顕在化してきている。2015年12月15日の国家戦略特区諮問会議で国家戦略特区に追加された千葉市では、無人タクシーの走行などと並んで、ドローンでの宅配も規制改革される。千葉市では官民共同でプロジェクトチームを立ち上げ、事業化を検討する企業も参加して実証実験を開始、安全性や事業の可能性を調べて、2020年までの実用化を目指す。また、2016年1月25日に開かれた政府の産業競争力会議では、これまでの政府成長戦略と産業競争力強化策のレビューを行い、「改革2020」と呼ぶ成長戦略の進化のための検討方針が示されている。具体策の一つであるドローンに関しては、3年以内にドローンを使った荷物配送を可能とするなど、「空の産業革命」の実現に向けて、今夏までに制度設計の方向性をまとめるとされている。
ドローンの利用が進むと見られる産業は、危険な作業の代替、コストの大幅な引き下げにつながる分野となるが、カメラやセンサーなどの小型化が進んでドローンへの搭載も可能になっていることで、対象分野も急速に拡大していくことになろう。現時点では、空撮により地形を3Dモデル化してデータを建設や工事に活用させるサービス、自律型飛行監視ロボットによるセキュリティサービス、千葉市が実証実験に取り組んでいる宅配サービス、太陽光パネルなども含めたインフラの点検サービスなどが中心になるとみられる。
ドローンそのものは、中国のDJI社が世界トップとみられるが、関連部品やシステム、サービスの分野では、足元で国内企業の展開が加速化する状況となっている。とりわけ、電子部品メーカーはスマホなどで培った小型化や低電力化技術を生かして、小型・軽量の電池やセンサー、高効率モーター、動画撮影用のLSI、高効率のプロペラ駆動用モーターなどの開発が積極化されている。また、ドローンの検査装置、イベント会場などへのドローンの侵入を防ぐ装置、さらには、ドローンの安全な利用を支援する教育サービスなども登場してきている。3Dモデル作成に向けては、空間情報の解析技術なども必要性が高まってくるとみられるほか、ドローン関連のベンチャー支援事業なども有望になってくる可能性があろう。一方、ドローンを積極活用できる企業も今後は評価対象とされてくる公算が大きい。
<主な関連銘柄>
<6758>ソニー
{ドローン事業に新規参入、ZMPと共同出資会社のエアロセンスを新設}
<7272>ヤマハ発動機 {ドローン「RMAX」の使用がアメリカで認可、農薬散布用の大型無人機では初めて}
<4825>ウェザーニューズ {ドローン宅配の実用化をめざす官民連携事業に参加、安全運航や飛行可否の判断に必要な気象情報を提供}
<6902>デンソー {開発したドローンを使って老朽化した橋梁などのインフラ点検に活用する計画}
<6810>日立マクセル {ドローン向けに安全性を高めたリチウムイオン電池を開発}
<4726>ソフトバンク・テクノロジー {ドローンにカメラやセンサーを搭載して空撮画像や計測データをクラウドに集め、人工知能などで生育状況を分析する計画}
<9232>パスコ {造成現場における実証実験で、通常は2週間が必要だった現地測量とデータ処理作業を2日以内に短縮}
<7752>リコー {GPSの信号が届かない屋内環境でも、ドローンが位置を認識しながら自動飛行できる技術を開発}
このレポートは4月22日に発売された株ムック「今、この株を買おう 2016年春夏号」の要約版となります。「5大テーマで探る2016年株のトレンド!」という特集で、今回のフィンテックのほか、ドローン、ヘルスケア、5G、AR/VRの5大テーマを採り上げ、テーマ株全550銘柄を収録している中からの抜粋となります。
<TM>