【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家夢見る父さん氏:ロボット五輪で介護ロボに注目
[16/05/14]
提供元:株式会社フィスコ
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以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家夢見る父さん氏(ブログ「夢見る父さんのコツコツ投資日記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2016年5月12日23時に執筆
政府は2020年の東京オリンピック・パラリンピックにあわせて、ロボットオリンピック(仮称)を開きます。日本の最先端技術を世界にアピールするとともに、国民にもロボットを身近なものと感じてもらうのが狙いです。そのため、ロボット産業をもり立てようと官民一体となった活動がはじまっています。
ロボットオリンピックでは、「ものづくり」「サービス」「公共」の3分野があります。このうち、私がもっとも注目しているのは「サービス」のなかの介護ロボットです。日本は世界一の高齢化社会であり、同時にものづくり大国です。日本で介護ロボットのデファクトスタンダードを建てれば、世界中がそれに従うことも夢ではありません。実際、経済産業省や厚生労働省は介護ロボット普及・促進に向けた動きを進めています。
介護ロボットというと、人型ロボットが高齢者を運ぶという想像をしますが、実際は、これがロボットなの?と思える形のものが進んでいます。代表的なのはパナソニック<6752>が開発した「リショーネ」です。これは普段はベッドの形をしているのが、ボタン一つで電動車いすになるというもの。すでにいくつかの老人ホームなどで導入されています。寝たきりの高齢者を車いすに移す際、これまでは職員や家族が数人がかりで行っていたのが、ワンタッチでできるもの。介護従事者は高齢者が抵抗して傷ついたり、重たい高齢者を運ぶので腰を痛めたりする危険がありました。こうした懸念が一掃されます。
ベンチャーが活躍できる分野でもあります。サイバーダイン<7779>のロボットスーツ「HAL」は、市場でも話題になったのでご存じの方も多いでしょう。介護支援用のものは、腰に電極をはり、人が体を動かすときに脳から筋肉へ送られる信号「生体電位信号」を読み取り、重たい高齢者を持ったときの腰への負荷を軽減するものです。
こうした、介護ロボットの活用で恩恵を受けるのはメーカーだけではありません。介護の作業が効率化すれば、ニチイ学館<9792>、ツクイ<2398>のような介護事業者にも役立つでしょう。
オリックス・リビングが2015年9月、40代以上の男女1238人にネット調査をしたところ、「自分が介護される立場になった場合、介護ロボットの介護を受けたいか」という質問に、78%が「積極的に受けたい」「受けてもよい」と答えました。厚労省の推計では、介護サービスの利用者は2012年度の452万人が、25年度には663万人と1.5倍に増え、在宅介護も320万人から447万人に激増します。高齢者同士が介護する老老介護も増える中、国民の側にも介護の作業を軽減する介護ロボットを受け入れる素地ができています。
政府は月内にも一億総活躍プランを発表する予定で、そこでも介護はクローズアップされ、補正予算で措置される施策が打ち出されるでしょう。短期的にも注目ですが、介護ロボが世界に活躍すれば、中長期にも面白い分野だと思います。
投資は自己責任です。インデックス投資に関心がある方は夢見る父さんのブログをご覧ください。
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執筆者名:夢見る父さん
ブログ名:夢見る父さんのコツコツ投資日記
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