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イントランス Research Memo(1):企業再生のプロが率いる不動産デベロッパー

注目トピックス 日本株
イントランス<3237>は、不動産再生を手掛ける不動産デベロッパーである。ワンルームマンションの仲介業務を行う会社として設立され、2006年に東証マザーズ上場を果たすが、リーマンショックを機に経営危機に陥った。2010年に現社長である麻生正紀氏が買収を行い、新経営体制に移行した。その後麻生社長に率いられた同社は増益基調を取り戻し、2015年3月期には10億円を超える営業利益を稼ぐまでに再生した。

同社は、全国の商業ビル、オフィスビル、レジデンス等幅広い中古物件を対象とした不動産再生事業を営んでおり、購入後はエリアの特性やニーズに合わせバリューアップし、時期をみて売却するという流れで事業を行っている。他社が扱わない難しい物件においても、クリエイティブな発想力と果敢な行動力によって、高い収益を獲得するという事業モデルが特徴だ。芝公園プロジェクトの事例では、築47年の中古オフィスビルを、東京タワーを眺望できる結婚式場にコンバージョンし約10億円の利益を得た。土地開発においても隣接地関係者への提案を粘り強く行い、権利関係を調整するのが同社の真骨頂だ。

2016年3月期は、売上高2,321百万円(前期比63.4%減)、営業利益442百万円(同57.0%減)、経常利益360百万円(同63.7%減)、当期純利益202百万円(同79.0%減)と減収減益の決算となった。減収の主な要因は、大型開発プロジェクトのリスク軽減策として、自己保有による投資からJV等を活用した投資に変更し、利益のみを売上計上する会計処理を行ったためだ。減益の主な要因は、2016年3月期中での完了を予定していた中国地方における開発プロジェクトの期ずれなどであり、一過性のものである。

2017年3月期は、自己資金による販売用不動産の取得は引き続き行うものの、JV等を活用した開発投資へ軸足を移すとともに、保有する販売用不動産の早期売却にも力を入れる。連結子会社の大多喜ハーブガーデンは黒字化が見えてきており、順天堂大学大学院との共同開発による高機能ハーブの製品化が成功すれば、さらに企業価値は向上する。2017年3月期連結業績予想は売上高3,100百万円、営業利益870百万円と増収増益、配当も年3円と増配を見込む。

■Check Point
・企業再生のプロフェッショナルであるトップのリーダーシップ
・“訳あり”物件を発想力と行動力で再生
・JV等を活用した投資によりリスク低減

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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