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ドーン Research Memo(1):クラウド型防災システムが多くの自治体で採用され、全国展開加速へ

注目トピックス 日本株
ドーン<2303>は、地理情報システム(GIS)を活用したシステムを開発・販売を行う企業である。中央省庁や地方自治体、電力会社などでの採用実績が多く、信頼性の要求されるシステムに定評がある。GISエンジンソフトのライセンス販売や受託開発を事業の柱としてきたが、近年はクラウド型サービスで業績を伸ばしている。

同社の代名詞ともなっているのがクラウド型サービス「緊急通報システムNET119」である。このサービスは2010年に提供を始めた前身の「緊急通報システムWeb119」をリニューアルしたもので、聴覚や発話に障がいのある方のための緊急通報システムとして、スマートフォン・携帯電話のインターネット接続機能を利用して、簡単に素早く119番通報することができる。操作性や信頼性が評価され、多くの自治体で採用されている。2015年12月の東京消防庁での稼働を契機に全国展開の加速が期待される。

2016年5月期第3四半期は、売上高・営業利益ともに大幅に回復した。防災関連のクラウドサービスの新規契約の獲得や官公庁及び電力会社の設備管理向けの受託開発の受注が好調であったことが売上増の要因だ。2016年5月期通期も好調を維持し、売上高742百万円(前期比25.1%増)、営業利益68百万円(前期比423.1%増)を計画する。第3四半期の時点で各利益額は通期の計画に肉薄している点や第4四半期が官公庁の駆け込み需要が増える時期であることなどを勘案すると、今期の計画達成は難しくはなく、上振れの可能性も高い。

今後も地理情報システム(GIS)をはじめとする「空間情報技術(Spatial-IT)」を活かしたクラウド型サービスの拡充が基本戦略となる。特に緊急性の高く、安定稼働が求められるシステム、防災・防犯や医療の分野で次世代のヒットサービスを育成する。堅牢なデータセンター運用や専用ヘルプデスクによる対応など、クラウドに欠かせないインフラは整っている。「緊急通報システムNET119」のように、1つのサービスがヒットし全国展開できれば、開発投資が低く抑えられ継続収入が得られる。同社は収益性が高く、安定成長する事業構造に転換する過渡期にある。

■Check Point
・「緊急通報システムNET119」が広く普及し、全国展開に期待
・2016年5月期通期は大幅増収増益を予想、更なる上振れの可能性も高い
・「空間情報技術(Spatial-IT)」×「クラウド」×「緊急性」で次のヒットを狙う

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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