ダイヤモンドD Research Memo(4):保有ブランドの多様性が収益の安定と持続的な成長の両立を実現
[16/05/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
(3)特長
ダイヤモンドダイニング<3073>の特長(強み)として、以下の5点を挙げることができるが、それぞれが相互に機能し合うことで、同社独自の価値創造を実現している。
・独自のブランドマネジメントによる収益の安定と成長の両立
業態開発力を活かした保有ブランドの多様性(ブランドポートフォリオ)は、環境変化への機動的な対応や主力ブランドのライフサイクルの分散を図ることで、収益の安定と持続的な成長の両立を実現するものである。同社のブランドポートフォリオは、ブランドごとの特性やグループ内の役割から、「多店舗展開予備軍ブランド&少数展開ブランド」「多店舗展開によるスケールメリット追求」「フラグシップブランド等によるコーポレートブランディング」と明確化されている。店舗それぞれで役割及び特性が異なるほか、客単価設定や出店方針も差別化することで、ブランドポートフォリオの最適化が図られている。
・ドミナント展開による効率性及び回遊性の向上
同社は、保有ブランドの多様性を活かしたドミナント展開を基本としている。好立地への集中出店は、集客面で有利であることに加えて、物流コストの削減など効率性を高めることが可能となる。特に、同社の場合は、ブランドの役割や特性が異なることから、ブランド間競合(カニバリゼーション)が少ない上に、ブランド間で顧客の回遊性を高める相乗効果が発揮されている。今後は、地方の中核都市へ出店エリアの拡大が考えられるが、そこでもドミナント出店を基本に据える方針のようだ。
・独自のコンセプトに基づく個性的な店舗づくり
「世界No.1のエンターテインメント企業グループ」をビジョンに掲げる同社にとって、独自発想による業態開発並びに店舗づくりの重要性に変化はない。「コンセプト」「空間」「ストーリー」を重視した個性的な店舗づくりやスタッフが歌を唄いお客様を熱狂させる「宴」の演出は、他社との差別化要因となっている。同社の既存店売上高が、厳しい業界環境の中で比較的好調であるのは、固定のファンの心をつかんでいる証左と言えよう。また、松村氏の故郷である高知県よさこい祭りに参加して、県外チーム初の「金賞」(2015年)を受賞するなど、メディア戦略を含めた話題性の提供やブランドイメージの醸成にも積極的に取り組んでいる。
・顧客を囲い込むCRM(顧客管理システム)戦略
同社は、「24時間オンラインシステム」「予約コールセンター(宴会コンシェルジュ)」等の仕組みで構成されるCRM予約管理システム(以下、当システム)を構築している。「24時間オンラインシステム」では、インターネット上で24時間予約が可能なほか、「予約コールセンター(宴会コンシェルジュ)」では午前8時から午後11時までコールセンターでの対応を受け付けており、希望条件に合った店舗を紹介してもらうことができる。
これらによって、予約の電話がつながらない、予約したいがどの店が空いているかわからないといった顧客にとっての不便を解消するとともに、同社にとっても機会ロスの減少(空いている店舗への誘導を含む)が図られている。また、当システムの利用の有無に拘らず、会計の10%相当がポイント(マイル)付与されることから「DDマイル」会員として囲い込むことができ、リピート率の向上にもつながっている。なお、「DDマイル」とは同社グループ独自のポイントシステムであり、1マイル=1円として1マイル単位から店舗利用券との交換や、旅行や家電などの賞品と交換することができる。DDマイルは2012年12月にスタートし、2016年2月末の会員数は13.5万人を超えている。また、当システムを通じた売上高(月間)は国内飲食事業(既存店)の平均7.6%を占めており、会員基盤の積み上げは、機会ロスの削減とリピート率の向上により、同社の既存店売上高を下支えする要因となっている。
なお、2015年5月には、同社のCRMシステムが、米国の国際的なビジネスアワードである「アジアパシフィックスティービーアワード」の「カンパニー・オブ・ザ・イヤー部門」で「ブロンズ賞」を獲得した。
・充実した人材育成体制の確立
独自のコンセプトに基づく業態を展開する同社にとって、経営理念及びビジョンの共有は最重要事項である。同社は、全社員が集う「DDGコンベンション(全社員総会)」を年2回開催するとともに、社内報を2ヶ月ごとに発行し、理念浸透に取り組んでいる。また、「スマイルプロジェクト(店舗オペレーション力向上プロジェクト)」や「SVR(店舗QC管理向上プロジェクト)」による組織力向上、「DDゼミナール(Off-JT)」や「外部研修」などによるスキルアップにも積極的に取り組んでおり、人材不足が成長のボトルネックとして懸念されている業界において長期的に人材育成を行う基盤が確立している。
特に「スマイルプロジェクト」は、iPad miniを使用した「近代的教育システム」であり、従業員ごとに用意されたカルテを使って進捗管理を行うことができるとともに、模範となる動画を見せることで実践的な指導に役立てている。このシステムの導入によりアルバイトの定着率が大幅に改善しているようである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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(3)特長
ダイヤモンドダイニング<3073>の特長(強み)として、以下の5点を挙げることができるが、それぞれが相互に機能し合うことで、同社独自の価値創造を実現している。
・独自のブランドマネジメントによる収益の安定と成長の両立
業態開発力を活かした保有ブランドの多様性(ブランドポートフォリオ)は、環境変化への機動的な対応や主力ブランドのライフサイクルの分散を図ることで、収益の安定と持続的な成長の両立を実現するものである。同社のブランドポートフォリオは、ブランドごとの特性やグループ内の役割から、「多店舗展開予備軍ブランド&少数展開ブランド」「多店舗展開によるスケールメリット追求」「フラグシップブランド等によるコーポレートブランディング」と明確化されている。店舗それぞれで役割及び特性が異なるほか、客単価設定や出店方針も差別化することで、ブランドポートフォリオの最適化が図られている。
・ドミナント展開による効率性及び回遊性の向上
同社は、保有ブランドの多様性を活かしたドミナント展開を基本としている。好立地への集中出店は、集客面で有利であることに加えて、物流コストの削減など効率性を高めることが可能となる。特に、同社の場合は、ブランドの役割や特性が異なることから、ブランド間競合(カニバリゼーション)が少ない上に、ブランド間で顧客の回遊性を高める相乗効果が発揮されている。今後は、地方の中核都市へ出店エリアの拡大が考えられるが、そこでもドミナント出店を基本に据える方針のようだ。
・独自のコンセプトに基づく個性的な店舗づくり
「世界No.1のエンターテインメント企業グループ」をビジョンに掲げる同社にとって、独自発想による業態開発並びに店舗づくりの重要性に変化はない。「コンセプト」「空間」「ストーリー」を重視した個性的な店舗づくりやスタッフが歌を唄いお客様を熱狂させる「宴」の演出は、他社との差別化要因となっている。同社の既存店売上高が、厳しい業界環境の中で比較的好調であるのは、固定のファンの心をつかんでいる証左と言えよう。また、松村氏の故郷である高知県よさこい祭りに参加して、県外チーム初の「金賞」(2015年)を受賞するなど、メディア戦略を含めた話題性の提供やブランドイメージの醸成にも積極的に取り組んでいる。
・顧客を囲い込むCRM(顧客管理システム)戦略
同社は、「24時間オンラインシステム」「予約コールセンター(宴会コンシェルジュ)」等の仕組みで構成されるCRM予約管理システム(以下、当システム)を構築している。「24時間オンラインシステム」では、インターネット上で24時間予約が可能なほか、「予約コールセンター(宴会コンシェルジュ)」では午前8時から午後11時までコールセンターでの対応を受け付けており、希望条件に合った店舗を紹介してもらうことができる。
これらによって、予約の電話がつながらない、予約したいがどの店が空いているかわからないといった顧客にとっての不便を解消するとともに、同社にとっても機会ロスの減少(空いている店舗への誘導を含む)が図られている。また、当システムの利用の有無に拘らず、会計の10%相当がポイント(マイル)付与されることから「DDマイル」会員として囲い込むことができ、リピート率の向上にもつながっている。なお、「DDマイル」とは同社グループ独自のポイントシステムであり、1マイル=1円として1マイル単位から店舗利用券との交換や、旅行や家電などの賞品と交換することができる。DDマイルは2012年12月にスタートし、2016年2月末の会員数は13.5万人を超えている。また、当システムを通じた売上高(月間)は国内飲食事業(既存店)の平均7.6%を占めており、会員基盤の積み上げは、機会ロスの削減とリピート率の向上により、同社の既存店売上高を下支えする要因となっている。
なお、2015年5月には、同社のCRMシステムが、米国の国際的なビジネスアワードである「アジアパシフィックスティービーアワード」の「カンパニー・オブ・ザ・イヤー部門」で「ブロンズ賞」を獲得した。
・充実した人材育成体制の確立
独自のコンセプトに基づく業態を展開する同社にとって、経営理念及びビジョンの共有は最重要事項である。同社は、全社員が集う「DDGコンベンション(全社員総会)」を年2回開催するとともに、社内報を2ヶ月ごとに発行し、理念浸透に取り組んでいる。また、「スマイルプロジェクト(店舗オペレーション力向上プロジェクト)」や「SVR(店舗QC管理向上プロジェクト)」による組織力向上、「DDゼミナール(Off-JT)」や「外部研修」などによるスキルアップにも積極的に取り組んでおり、人材不足が成長のボトルネックとして懸念されている業界において長期的に人材育成を行う基盤が確立している。
特に「スマイルプロジェクト」は、iPad miniを使用した「近代的教育システム」であり、従業員ごとに用意されたカルテを使って進捗管理を行うことができるとともに、模範となる動画を見せることで実践的な指導に役立てている。このシステムの導入によりアルバイトの定着率が大幅に改善しているようである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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