高木証券 Research Memo(3):ファンド分析ツール「ファンド・ラボ」をコンサルティング営業に活用
[16/05/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(2)特長
高木証券<8625>は、創業以来、個人取引を中心とした対面営業に徹してきたが、その強みを生かせる商品として、投資信託のコンサルティング営業に注力している。ここ数年の業績を振り返っても、投資信託の関連手数料が同社業績の下支えとなってきた。
同社は、更なる差別化を図るため、投資信託の品ぞろえを充実させるとともに、国内で設定されている約4,500本の公募投資信託について、公平・中立・透明に評価できる組織として「ファンド・リサーチセンター」を新設し、そこで設計される「ファンド・ラボ」シリーズ(ファンド分析ツール)を活用したコンサルティング営業を開始した。顧客の保有する投資信託の客観的な診断や顧客の運用ニーズにあった投資信託(組み合わせも含め)の提案を行うサービスである。系列運用会社の投資信託を扱っている大手証券会社には難しいサービスと言える。また、各ファンドを評価する調査会社はあるが、顧客のポートフォリオの診断及び提案にまで踏み込むものは他に類を見ない。顧客の利益を最優先とするサービスの提供により、顧客との信頼関係を構築することで、結果として投資信託の取扱いを増やすことを目的としている。
なお、診断及び提案の結果を販売に結び付けるため、投資信託の品ぞろえを約1,500本(2年前の約4倍)にまで増やしてきた。今後もさらに増やしていく方針であるが、系列以外では取扱いできないものや満期の近いもの、残高が10億円を下回るものなどを除くと、同社の取扱いが可能となる投資信託は、約3,500本とみられるため、そのうち約43%を既にカバーしていることになる。これは、大手証券を含め対面営業を中心とした証券会社の中では圧倒的な品ぞろえと言える。
また、これまでの取り組みとして、各店舗に同社独自の「投信の窓口」やセミナー会場の設置を進め、店頭への集客力を高める活動を推進してきたが、昨年11月2日には業界初となる投資信託専門店である「投信の窓口」を東京・日本橋と三軒茶屋に同時オープンした。事前予約制による無料相談窓口となっており、「くらべる。選べる。納得できる。」をコンセプトとして、取扱金融機関を問わず、国内約4,500本の投資信託を「ファンド・ラボ」の活用により客観的に診断するところに特長がある。ターゲットは、既に投資信託を保有している個人投資家であり、同社に口座を開設していなくても無料診断及び相談が可能となっており、新たな顧客層の取り込みに狙いがある。今年6月には大阪(梅田)にも3店舗目をオープンする予定である。
2016年3月末までの来店客数は2店舗(日本橋及び三軒茶屋)合計で538名に上り、おおむね100口座の開設及び600百万円程度の取引実績を挙げたようだ。これまでの広告宣伝活動は、日経新聞への広告のほか、店舗周辺の駅広告、電車の中吊り広告、周辺地域への折込み広告などが中心であり、露出面でやや限定的であったことを考慮すれば、まずまずの立ち上がりと言えそうだ。同社は、とにかく体験してもらう機会さえ確保できれば成功の確度は高くなるものと手応えをつかんでおり、裏を返せば、いかに認知度を高めて集客を図るかが最大の課題となっている。今期はTVCMやTV番組での取り上げなども予定しており、本格的な認知度拡大に向けて一気に攻勢をかける構えである。
また、今年4月からはこちらも業界初となる「投信の窓口」WEB支店(対面オンラインサービス)も開始した。これによって、全国各地の顧客が店舗と同様の個別相談を自宅などで気軽に受けることが可能となった。これまでの専用ホームページへのアクセス件数は約8,500ビューにのぼっており、これまで取引が見込めなかった地方からの相談も増えていることから、インターネットならではの新たな顧客層の開拓にも期待ができそうだ。
また、差別化戦略の一環として国内だけでなく東南アジア株式の取扱いも行っている。現在の取扱いマーケットは香港、ベトナム、インドネシア、タイ(2016年5月末で取扱い終了)、マレーシアの5ヶ国だが、同社ではただ取扱いを行うだけでなく、独自の推奨銘柄を選定するとともに個別株式レポートを作成・提供することで、より詳細な提案ができるようになっている。
さらには、対面営業の強みをさらに発展させて、相続対策や不動産売買紹介など、外部の専門家との業務提携により、顧客の資産形成全体をサポートするサービスも展開している。会計事務所や保険会社、不動産会社等からの紹介手数料を得ること以上に、顧客との長期的な取引を前提とした「家計資産のベストパートナー」を目指すことで、顧客基盤の強化を図ることが目的である。
また、「ファンド・ラボ」シリーズ(ファンド分析ツール)を活用したコンサルティング営業や顧客の資産設計全体のサポートなど、専門性や付加価値の高いサービス提供を行うインフラを整備することは、ファイナンシャルアドバイザー(FA)を含む同社の営業スタッフ(約170名)のモチベーションやスキルを高めるとともに、新たな人材獲得にも効果があると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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(2)特長
高木証券<8625>は、創業以来、個人取引を中心とした対面営業に徹してきたが、その強みを生かせる商品として、投資信託のコンサルティング営業に注力している。ここ数年の業績を振り返っても、投資信託の関連手数料が同社業績の下支えとなってきた。
同社は、更なる差別化を図るため、投資信託の品ぞろえを充実させるとともに、国内で設定されている約4,500本の公募投資信託について、公平・中立・透明に評価できる組織として「ファンド・リサーチセンター」を新設し、そこで設計される「ファンド・ラボ」シリーズ(ファンド分析ツール)を活用したコンサルティング営業を開始した。顧客の保有する投資信託の客観的な診断や顧客の運用ニーズにあった投資信託(組み合わせも含め)の提案を行うサービスである。系列運用会社の投資信託を扱っている大手証券会社には難しいサービスと言える。また、各ファンドを評価する調査会社はあるが、顧客のポートフォリオの診断及び提案にまで踏み込むものは他に類を見ない。顧客の利益を最優先とするサービスの提供により、顧客との信頼関係を構築することで、結果として投資信託の取扱いを増やすことを目的としている。
なお、診断及び提案の結果を販売に結び付けるため、投資信託の品ぞろえを約1,500本(2年前の約4倍)にまで増やしてきた。今後もさらに増やしていく方針であるが、系列以外では取扱いできないものや満期の近いもの、残高が10億円を下回るものなどを除くと、同社の取扱いが可能となる投資信託は、約3,500本とみられるため、そのうち約43%を既にカバーしていることになる。これは、大手証券を含め対面営業を中心とした証券会社の中では圧倒的な品ぞろえと言える。
また、これまでの取り組みとして、各店舗に同社独自の「投信の窓口」やセミナー会場の設置を進め、店頭への集客力を高める活動を推進してきたが、昨年11月2日には業界初となる投資信託専門店である「投信の窓口」を東京・日本橋と三軒茶屋に同時オープンした。事前予約制による無料相談窓口となっており、「くらべる。選べる。納得できる。」をコンセプトとして、取扱金融機関を問わず、国内約4,500本の投資信託を「ファンド・ラボ」の活用により客観的に診断するところに特長がある。ターゲットは、既に投資信託を保有している個人投資家であり、同社に口座を開設していなくても無料診断及び相談が可能となっており、新たな顧客層の取り込みに狙いがある。今年6月には大阪(梅田)にも3店舗目をオープンする予定である。
2016年3月末までの来店客数は2店舗(日本橋及び三軒茶屋)合計で538名に上り、おおむね100口座の開設及び600百万円程度の取引実績を挙げたようだ。これまでの広告宣伝活動は、日経新聞への広告のほか、店舗周辺の駅広告、電車の中吊り広告、周辺地域への折込み広告などが中心であり、露出面でやや限定的であったことを考慮すれば、まずまずの立ち上がりと言えそうだ。同社は、とにかく体験してもらう機会さえ確保できれば成功の確度は高くなるものと手応えをつかんでおり、裏を返せば、いかに認知度を高めて集客を図るかが最大の課題となっている。今期はTVCMやTV番組での取り上げなども予定しており、本格的な認知度拡大に向けて一気に攻勢をかける構えである。
また、今年4月からはこちらも業界初となる「投信の窓口」WEB支店(対面オンラインサービス)も開始した。これによって、全国各地の顧客が店舗と同様の個別相談を自宅などで気軽に受けることが可能となった。これまでの専用ホームページへのアクセス件数は約8,500ビューにのぼっており、これまで取引が見込めなかった地方からの相談も増えていることから、インターネットならではの新たな顧客層の開拓にも期待ができそうだ。
また、差別化戦略の一環として国内だけでなく東南アジア株式の取扱いも行っている。現在の取扱いマーケットは香港、ベトナム、インドネシア、タイ(2016年5月末で取扱い終了)、マレーシアの5ヶ国だが、同社ではただ取扱いを行うだけでなく、独自の推奨銘柄を選定するとともに個別株式レポートを作成・提供することで、より詳細な提案ができるようになっている。
さらには、対面営業の強みをさらに発展させて、相続対策や不動産売買紹介など、外部の専門家との業務提携により、顧客の資産形成全体をサポートするサービスも展開している。会計事務所や保険会社、不動産会社等からの紹介手数料を得ること以上に、顧客との長期的な取引を前提とした「家計資産のベストパートナー」を目指すことで、顧客基盤の強化を図ることが目的である。
また、「ファンド・ラボ」シリーズ(ファンド分析ツール)を活用したコンサルティング営業や顧客の資産設計全体のサポートなど、専門性や付加価値の高いサービス提供を行うインフラを整備することは、ファイナンシャルアドバイザー(FA)を含む同社の営業スタッフ(約170名)のモチベーションやスキルを高めるとともに、新たな人材獲得にも効果があると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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