イチネンHD Research Memo(3):自動車総合サービスが主力
[16/05/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(2)主な事業内容
イチネンホールディングス<9619>の事業セグメントは、自動車総合サービス、ケミカル、パーキング、機械工具販売、合成樹脂、その他に分けられている。各セグメントの売上高(2016年3月期実績)は自動車総合サービス41,258百万円(構成比54.9%)、ケミカル11,063百万円(同14.7%)、パーキング4,825百万円(同6.4%)、機械工具販売11,843百万円(同15.8%)、合成樹脂5,996百万円(同8.0%)、その他109百万円(同0.2%)となっている。またセグメント別営業利益は、自動車総合サービス3,348百万円(同60.9%)、ケミカル1,096百万円(同19.9%)、パーキング526百万円(同9.6%)、機械工具販売284百万円(同5.2%)、合成樹脂215百万円(同3.9%)、その他27百万円(同0.5%)であった。(注:セグメント別売上高および営業利益構成比は調整前)
各事業セグメントの概要は以下のようになっている。
●自動車総合サービス事業
この部門はさらに以下のようなサブセグメントに分けられる。
□オートリース
トヨタレンタリースやオリックスなどと同様に、自動車のリースを行う事業。したがって競合他社は多いが、特色としては比較的大型車(4トン以上)の取り扱いが少ない。またメンテナンス部門を有していることから、メンテナンス付きで受注する場合も多い。リースは一度受注すると数年間継続することから、比較的安定した部門。
□自動車メンテナンス受託
全国約7,200の自動車整備工場と提携し、他のリース会社からのメンテナンス契約を受託するもの。この部門の売上高は他社から受託したものだけで、自社リースに付随したメンテナンスはリース売上高に含まれる。
□燃料販売
石油元売各社から発行されるガソリンスタンド(GS)用の給油カードを主に販売する事業。車両1台に対して1枚のカードが発行されるが、販売先は必ずしも同社のリース先とは限らない。ガソリンの販売価格は同社が決定し全国一律価格で提供される。顧客にとっては、全国の支店や事業所等での利用を同一価格で一括請求して貰えるため、業務効率の改善につながるメリットがある。なお同社の売上高として計上されているのは、末端販売金額から仕入金額を差引いた分だけである。
□車体修理管理サービス
主に鈑金修理の斡旋を行う事業。損害保険会社出身のアジャスター(損害査定士)と呼ばれる社員が、顧客からの修理依頼に基づいて適正価格の見積もりを行い、全国各地の鈑金工場と交渉を行うもの。引取手数料無料、代車の無料手配、修理箇所の永久保証などのサービスを付加し他社との差別化を図っている。
各サブセグメントの詳細売上高は開示されていないが、部門売上高に占める大体の比率は、リースが約72%、メンテナンスが約21%、燃料販売が約5%、残りがその他となっている。
●ケミカル事業
主力製品は、発電用大型ボイラーおよび船舶エンジン向け燃料添加剤。その他にはプロ向けケミカル(潤滑剤、防錆剤、各種洗浄剤、補修塗料等)、一般消費者向け(自動車用クリンビュー等)、特殊ケミカル(ゴム、エラストマーなどの難密着素材へのコーティングや各種OA部品向けケミカル製品等)などを扱っている。部門の約70%が自社製品で残り約30%が仕入商品であるため、部門の粗利率は高い(40〜50%)。また海外展開の強化として、2015年6月に上海で合弁会社を設立した。
●パーキング事業
土地所有者から土地を借りて駐車場事業を行うもので、コイン式、立体式、管理受託など契約形態は様々。全国展開しているが、関西地区の比率(約65%)が高いのが特色。
●機械工具販売事業
既述のように同社は自動車メンテナンス受託事業の関連で全国約7,200の自動車整備工場と提携しているが、これらの整備工場向けに機械工具を販売することでシナジーが得られるとして、この事業に参入した。子会社5社が事業を行っているが、歴史が長いイチネン前田は主に自動車用工具と産業用工具を扱っている。イチネンTASCOは空調工具、環境計測器を扱っているが、空調工具では業界一の売上実績があり「TASCO」ブランドは高い信頼を得ている。またイチネンミツトモは電動工具やDIY用品を扱っているが、オリジナルブランドによる幅広い製品ラインアップを揃えている。近年は、子会社イチネンネットを通してネット販売も強化している。また海外展開の強化として、2015年春にタイで合弁会社を設立した。
●合成樹脂事業
主に3つのサブセグメントに分けられるが、合成樹脂事業では熱可塑性の合成樹脂原料を扱っている。アミューズメント事業は、主にパチスロ機の前面部分を設計、製造するもので、商社およびメーカー機能を合わせ持っている。その他に酸素濃度計、ガス検知警報機の開発・製造・販売も行っている。
●その他
新規に開始した農業事業、遊休不動産の賃貸・管理事業などが含まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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(2)主な事業内容
イチネンホールディングス<9619>の事業セグメントは、自動車総合サービス、ケミカル、パーキング、機械工具販売、合成樹脂、その他に分けられている。各セグメントの売上高(2016年3月期実績)は自動車総合サービス41,258百万円(構成比54.9%)、ケミカル11,063百万円(同14.7%)、パーキング4,825百万円(同6.4%)、機械工具販売11,843百万円(同15.8%)、合成樹脂5,996百万円(同8.0%)、その他109百万円(同0.2%)となっている。またセグメント別営業利益は、自動車総合サービス3,348百万円(同60.9%)、ケミカル1,096百万円(同19.9%)、パーキング526百万円(同9.6%)、機械工具販売284百万円(同5.2%)、合成樹脂215百万円(同3.9%)、その他27百万円(同0.5%)であった。(注:セグメント別売上高および営業利益構成比は調整前)
各事業セグメントの概要は以下のようになっている。
●自動車総合サービス事業
この部門はさらに以下のようなサブセグメントに分けられる。
□オートリース
トヨタレンタリースやオリックスなどと同様に、自動車のリースを行う事業。したがって競合他社は多いが、特色としては比較的大型車(4トン以上)の取り扱いが少ない。またメンテナンス部門を有していることから、メンテナンス付きで受注する場合も多い。リースは一度受注すると数年間継続することから、比較的安定した部門。
□自動車メンテナンス受託
全国約7,200の自動車整備工場と提携し、他のリース会社からのメンテナンス契約を受託するもの。この部門の売上高は他社から受託したものだけで、自社リースに付随したメンテナンスはリース売上高に含まれる。
□燃料販売
石油元売各社から発行されるガソリンスタンド(GS)用の給油カードを主に販売する事業。車両1台に対して1枚のカードが発行されるが、販売先は必ずしも同社のリース先とは限らない。ガソリンの販売価格は同社が決定し全国一律価格で提供される。顧客にとっては、全国の支店や事業所等での利用を同一価格で一括請求して貰えるため、業務効率の改善につながるメリットがある。なお同社の売上高として計上されているのは、末端販売金額から仕入金額を差引いた分だけである。
□車体修理管理サービス
主に鈑金修理の斡旋を行う事業。損害保険会社出身のアジャスター(損害査定士)と呼ばれる社員が、顧客からの修理依頼に基づいて適正価格の見積もりを行い、全国各地の鈑金工場と交渉を行うもの。引取手数料無料、代車の無料手配、修理箇所の永久保証などのサービスを付加し他社との差別化を図っている。
各サブセグメントの詳細売上高は開示されていないが、部門売上高に占める大体の比率は、リースが約72%、メンテナンスが約21%、燃料販売が約5%、残りがその他となっている。
●ケミカル事業
主力製品は、発電用大型ボイラーおよび船舶エンジン向け燃料添加剤。その他にはプロ向けケミカル(潤滑剤、防錆剤、各種洗浄剤、補修塗料等)、一般消費者向け(自動車用クリンビュー等)、特殊ケミカル(ゴム、エラストマーなどの難密着素材へのコーティングや各種OA部品向けケミカル製品等)などを扱っている。部門の約70%が自社製品で残り約30%が仕入商品であるため、部門の粗利率は高い(40〜50%)。また海外展開の強化として、2015年6月に上海で合弁会社を設立した。
●パーキング事業
土地所有者から土地を借りて駐車場事業を行うもので、コイン式、立体式、管理受託など契約形態は様々。全国展開しているが、関西地区の比率(約65%)が高いのが特色。
●機械工具販売事業
既述のように同社は自動車メンテナンス受託事業の関連で全国約7,200の自動車整備工場と提携しているが、これらの整備工場向けに機械工具を販売することでシナジーが得られるとして、この事業に参入した。子会社5社が事業を行っているが、歴史が長いイチネン前田は主に自動車用工具と産業用工具を扱っている。イチネンTASCOは空調工具、環境計測器を扱っているが、空調工具では業界一の売上実績があり「TASCO」ブランドは高い信頼を得ている。またイチネンミツトモは電動工具やDIY用品を扱っているが、オリジナルブランドによる幅広い製品ラインアップを揃えている。近年は、子会社イチネンネットを通してネット販売も強化している。また海外展開の強化として、2015年春にタイで合弁会社を設立した。
●合成樹脂事業
主に3つのサブセグメントに分けられるが、合成樹脂事業では熱可塑性の合成樹脂原料を扱っている。アミューズメント事業は、主にパチスロ機の前面部分を設計、製造するもので、商社およびメーカー機能を合わせ持っている。その他に酸素濃度計、ガス検知警報機の開発・製造・販売も行っている。
●その他
新規に開始した農業事業、遊休不動産の賃貸・管理事業などが含まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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