ステップ Research Memo(2):売上高の82%を占める小中学部、県内公立進学校の合格者実績で他塾を圧倒
[16/05/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要とステップ<9795>の特徴
神奈川県内の小中学生、現役高校生向けを対象とした学習塾「STEP」を運営。また、2016年3月より新たに学童保育事業も開始している。2016年3月末時点で、小中学部119スクール(うち21スクールはハイレベルな指導を行うHi-STEP)、高校部14校、個別指導部1校、学童部1校の合計135校を開設している。生徒総数も右肩上がりで増加しており、2016年3月時点で2万人を超える水準となっている。売上高の82%を小中学部で占めており、県内の公立進学校トップ19校の合格者実績では他塾を圧倒しており、その指導力の高さと堅実経営に定評がある。
同社の特徴は、「教師のプロ化による質の高い学習指導」「ドミナント展開と口コミ情報による効果的なマーケティング戦略」「高い収益性・安定性」に集約することができる。
(1)教師のプロ化による質の高い学習指導
同社では「教師は学習指導のプロでなければならない」との考え方のもと、教師を正社員化し、授業内容の専門化・高技術化に努め、その学習指導力によって高い進学実績を積み上げ、成長基盤としてきた。2016年4月末時点では中高全教師634名中、正社員教師が607名、専任講師が15名、講師12名(うち6名は英語科のネイティブ講師)の構成となっており、正社員率で95.7%、専任比率では98.1%に達するなど、ほぼ100%がプロの教師と呼べる指導体制となっている。同業他社では、大学生や大学院生などアルバイト講師を採用しているケースも多いが、同社は個別指導部を除き、学生アルバイトは一切採用していない。また、教師が生徒獲得のため電話勧誘やポスティングなどの勧誘活動を行うこともなく、学習指導に専念できる体制を整えていることが特徴となっている。各教師においては「日々指導技術の研鑽を怠らず、一人ひとりの生徒と向き合い、学力向上に真摯に取り組んでいく」ことを基本方針として、研修活動なども定期的に行いながらスキルアップに努めている。
こうした教師のプロ化による質の高い学習指導によって、2016年度は神奈川県内の公立高校トップ19校で2,029名(前年比111名増)と過去最高の合格者を輩出、うち11校において塾別合格者数で最多の実績を出すなど、学習指導の質の高さとともに志望校への受験合格といった結果も残している。県内の競合として臨海セミナー、中萬学院、湘南ゼミナールなどがあるが、いずれも公立トップ校の合格者数では同社の半分以下の水準であり、同社が突出した実績を上げている。なお、志望校への合格率についても、公表はされていないが同社は平均で80%を超えており、競合他塾よりも高い合格率になっていると見られる。また、ステップ生の通学圏内で最難関と位置付けられている国立東京学芸大付属高校への合格実績でも外部進学生用の定員106名に対して68名を占めるなど、8年連続で全塾中トップの実績となっている。
現役高校生向けの高校部に関しても、難関大学の合格者実績が着実に増加傾向にある。2016年度の国公立、早慶上智、MARCH、東京理科大の合計合格者数は1,410名(前年比68名増)と過去最高を更新した。「高校生活の充実と志望大学への現役合格の両立」を目指す同社の教育方針が着実に成果に結びついてきたと言える。大学の合格実績が上がってきた要因として、チューター制度が機能してきたことが挙げられる。ここで言うチューターとは、学生の進路相談や悩みなどの相談を受け、効率の良い学習計画を提案するなど的確なアドバイスを行うスタッフのことを指す。同社では高校部の各校舎に専任のチューターを配置している。年々、チューターと積極的にコミュニケーションを取る生徒数が増加傾向にあったが、特に最近は学習計画や進路相談の悩みに加えて、推薦やAO入試の論文作成、面接練習などにおいても、チューターは受験生の頼れる存在となってきており、難関大学への合格実績アップにつながっていると考えられる。
こうした受験での高い合格実績や同社の教育方針は顧客からも高く評価されている。オリコン<4800>が2015年に実施した顧客満足度調査において、「公立中学進学集団塾(首都圏)」及び「大学受験 塾・予備校 現役(首都圏)」部門において、それぞれ総合第1位に、また、「高校受験 集団塾(首都圏)」でも総合第2位の評価を得ている。上位にランクされている学習塾のなかで、1県だけに事業エリアを限定しているのは同社のみであり、神奈川県内における同社のブランド力の高さがうかがえよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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神奈川県内の小中学生、現役高校生向けを対象とした学習塾「STEP」を運営。また、2016年3月より新たに学童保育事業も開始している。2016年3月末時点で、小中学部119スクール(うち21スクールはハイレベルな指導を行うHi-STEP)、高校部14校、個別指導部1校、学童部1校の合計135校を開設している。生徒総数も右肩上がりで増加しており、2016年3月時点で2万人を超える水準となっている。売上高の82%を小中学部で占めており、県内の公立進学校トップ19校の合格者実績では他塾を圧倒しており、その指導力の高さと堅実経営に定評がある。
同社の特徴は、「教師のプロ化による質の高い学習指導」「ドミナント展開と口コミ情報による効果的なマーケティング戦略」「高い収益性・安定性」に集約することができる。
(1)教師のプロ化による質の高い学習指導
同社では「教師は学習指導のプロでなければならない」との考え方のもと、教師を正社員化し、授業内容の専門化・高技術化に努め、その学習指導力によって高い進学実績を積み上げ、成長基盤としてきた。2016年4月末時点では中高全教師634名中、正社員教師が607名、専任講師が15名、講師12名(うち6名は英語科のネイティブ講師)の構成となっており、正社員率で95.7%、専任比率では98.1%に達するなど、ほぼ100%がプロの教師と呼べる指導体制となっている。同業他社では、大学生や大学院生などアルバイト講師を採用しているケースも多いが、同社は個別指導部を除き、学生アルバイトは一切採用していない。また、教師が生徒獲得のため電話勧誘やポスティングなどの勧誘活動を行うこともなく、学習指導に専念できる体制を整えていることが特徴となっている。各教師においては「日々指導技術の研鑽を怠らず、一人ひとりの生徒と向き合い、学力向上に真摯に取り組んでいく」ことを基本方針として、研修活動なども定期的に行いながらスキルアップに努めている。
こうした教師のプロ化による質の高い学習指導によって、2016年度は神奈川県内の公立高校トップ19校で2,029名(前年比111名増)と過去最高の合格者を輩出、うち11校において塾別合格者数で最多の実績を出すなど、学習指導の質の高さとともに志望校への受験合格といった結果も残している。県内の競合として臨海セミナー、中萬学院、湘南ゼミナールなどがあるが、いずれも公立トップ校の合格者数では同社の半分以下の水準であり、同社が突出した実績を上げている。なお、志望校への合格率についても、公表はされていないが同社は平均で80%を超えており、競合他塾よりも高い合格率になっていると見られる。また、ステップ生の通学圏内で最難関と位置付けられている国立東京学芸大付属高校への合格実績でも外部進学生用の定員106名に対して68名を占めるなど、8年連続で全塾中トップの実績となっている。
現役高校生向けの高校部に関しても、難関大学の合格者実績が着実に増加傾向にある。2016年度の国公立、早慶上智、MARCH、東京理科大の合計合格者数は1,410名(前年比68名増)と過去最高を更新した。「高校生活の充実と志望大学への現役合格の両立」を目指す同社の教育方針が着実に成果に結びついてきたと言える。大学の合格実績が上がってきた要因として、チューター制度が機能してきたことが挙げられる。ここで言うチューターとは、学生の進路相談や悩みなどの相談を受け、効率の良い学習計画を提案するなど的確なアドバイスを行うスタッフのことを指す。同社では高校部の各校舎に専任のチューターを配置している。年々、チューターと積極的にコミュニケーションを取る生徒数が増加傾向にあったが、特に最近は学習計画や進路相談の悩みに加えて、推薦やAO入試の論文作成、面接練習などにおいても、チューターは受験生の頼れる存在となってきており、難関大学への合格実績アップにつながっていると考えられる。
こうした受験での高い合格実績や同社の教育方針は顧客からも高く評価されている。オリコン<4800>が2015年に実施した顧客満足度調査において、「公立中学進学集団塾(首都圏)」及び「大学受験 塾・予備校 現役(首都圏)」部門において、それぞれ総合第1位に、また、「高校受験 集団塾(首都圏)」でも総合第2位の評価を得ている。上位にランクされている学習塾のなかで、1県だけに事業エリアを限定しているのは同社のみであり、神奈川県内における同社のブランド力の高さがうかがえよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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