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ティーガイア Research Memo(4):将来に向けての戦略的投資を積極的に実施

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

(1) 2017年3月期業績見通し

ティーガイア<3738>の2017年3月期の業績は売上高が前期比0.7%減の616,000百万円、営業利益が同4.3%減の15,000百万円、経常利益が同4.3%減の14,950百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.1%増の9,700百万円となる見通し。携帯電話の販売台数は前期比15万台減の454万台と見ている。前期同様アクセサリーなど関連商材の販売に注力していくことで、台当たり・お客様当たりの粗利益を伸ばしていくことに変わりないが、競争力の強化やCS向上を目的とした移転・改装・大型化など店舗拡充のための投資や人財育成に関わる戦略的投資を積極的に推進することで、営業利益は減益を見込んでいる。当期純利益に関しては実効税率の低下等により増益を維持する見通しだ。事業セグメント別の見通しは以下のとおり。

○モバイル事業
モバイル事業は売上高が前期比1.2%減の515,000百万円、営業利益が同2.7%減の11,400百万円となる見通し。過度な販売競争の沈静化やMVNO※による格安スマホの普及などを含め、事業環境が厳しくなる中、携帯電話等販売台数は前期比14万台減の436百万台を予想しているが、引き続きアクセサリーやコンテンツなどスマートフォン関連商材やタブレットの販売に注力していくことで、売上高は微減にとどめる見通し。利益面では店舗投資や人財育成等の戦略的投資を積極的に推進することもあり、減益計画となる。

※MVNO(Mobile Vertual Network Operator:仮想移動体通信事業者)・・・携帯電話などの無線通信インフラを自社で持たずに、他社のインフラを借りて音声通信やデータ通信のサービスを提供する事業者のこと。

今期は新たな商材として、電力サービスや保険商品の取扱い等も開始する。電力サービスは4月よりau、ソフトバンクショップで展開されている。商材そのものの収益へのインパクトは限定的なものの、来店客数の増加等に寄与しているようだ。また、保険商品についてはauショップで各種保険の取扱い(契約引き継ぎ)を始めたほか、2016年秋にはドコモショップで生命保険の販売を開始する予定だ。取扱店舗数は全国で数店舗と当面は少数でスタートし、状況を見ながら店舗数の拡大を検討していく方針となっている。

携帯ショップの取扱商材・サービスが携帯電話関連にとどまらず、光回線や電力、保険など様々な生活インフラまで拡大する中、同社ではお客様の生活に密着した多様な商材・サービスを提案・提供できる総合ショップへと進化させることで、店舗の集客力や収益力並びにCSを高めていく戦略だ。そのためには、販売スタッフの更なるスキルアップが必要となる。取扱商材・サービスが高度化し、料金プランが複雑化するなかで、店頭での接客時間も長時間化しており、スキルの差によって効率性・生産性が大きく変わってくるためだ。同社は業界でいち早く社内教育・研修機関となる「TGアカデミー」を創設し、スタッフの教育・研修に注力してきたこともあり、人財育成力に関しては業界内でも高い評価を得ている。優秀なスタッフに関しては社員登用なども進めながら、全社的なレベルアップを図っていく方針だ。

なお、直営の携帯ショップ数については、ほぼ前期並みの水準となる見通し。ただ、集客力や収益力、CSを高めるための移転・改装・大型化などの戦略的投資は引き続き積極的に行っていく予定だ。また、アクセサリーショップ「Smart Labo」については、販売好調が続いており、早期に店舗数を前期末の13店舗から20店舗近くに増やしていく計画だ。保護フィルムやケース・カバーなどに加えて音響製品(ヘッドフォン、イヤホン)など販売アイテムも広がりを見せていることから、、今期は店舗での売場面積を広げ、商品ラインナップの拡充を図ることで、一段の売上増加を目指していく方針だ。また、SIMフリー端末の販売についても前期に大阪の「Smart Lavoなんば戎橋」でスタートしたが、今期は「Smart Labo新宿東口」を始めとして新規出店店舗等でも取り扱いを始める予定となっている。

○ソリューション事業
ソリューション事業の売上高は前期比2.4%減の25,000百万円、営業利益は同4.8%増の2,470百万円となる見通し。携帯電話等の販売台数が1万台減の17.6万台なる影響もあり減収を見込んでいるが、ソリューションサービスや「movino star」の契約数増加、「TG光」の再卸事業の推進などによって増益を計画している。

○決済サービス事業他
決済サービス事業他の売上高は前期比3.8%増の76,000百万円、営業利益は同29.0%減の1,130百万円となる見通し。決済サービス事業において、PIN系商材の減少スピードが鈍化する一方で、ギフトカードについては新たな販路や商材の開拓が進み、販売が大幅に伸長することで増収となる。利益面では、前期に計上した一過性の収益が無くなることや、販売関連システム投資や積極的な販売施策の展開などの戦略的投資を推進することもあり、減益となる。海外の決済事業は現在、シンガポールのみだが、今期は周辺国への進出も検討していく予定となっている。また、中国の携帯ショップ事業については、引き続き収益改善を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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