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アデランス Research Memo(1):国内市場での業績回復期待が高まる

注目トピックス 日本株
アデランス<8170>は国内大手のウィッグ(かつら)メーカーで、国内市場において、男女向けオーダーメイド・ウィッグ、女性向けレディメイド・ウィッグ、育毛サービス、ヘアケア製品などを総合的に展開している。また海外展開に強みを持ち、次代の成長領域と位置付け、北米・欧州・アジアの各地域でウィッグや植毛、増毛などの各商品を展開中だ。

2016年2月期決算は売上高が前期比増収となったものの、営業利益以下は赤字となった。原因は明確で、国内女性向けウィッグ市場での苦戦だ。同業他社や異業種企業がレディメイド・ウィッグ市場に低価格品の攻勢を仕掛け、同社のシェアを奪っている状況が背景にある。しかしながら、弊社では同社の中長期成長シナリオを変える必要はまったくないと考えている。

新興勢力の出現はアンチエイジングとしてウィッグ市場が本格的に立ち上がりつつあることを示唆している。潜在的ウィッグ利用者の掘り起こしに貢献したという側面もある。同社がやるべきことは、他社製品に流れた利用者を取り返すことだ。全国に約400店舗を擁することを活かしてメンテナンス需要やアフターサービスで利用者を引き付け、買い替え時や買い増し時に自社の顧客として取り込む、“2週目作戦”だ。同社は“2週目作戦”のキャンペーンをTV・新聞等を通じて本格的に展開する計画だ。

海外は全般に順調だ。北米ではオーダーメイド・ウィッグ最大手のヘアクラブ社が順調に収益を伸ばしている。植毛のボズレー社は一過性のシステムトラブルで2015年度の利益は落ち込んだ。しかしトラブルは解消済みで、新サービスによる業容拡大を狙っている。欧州ではマーケティング強化とニーズに合った商品投入で、収益を伴いながらの店舗網拡大に注力中だ。

同社は従来の中期経営計画に修正を加えて、2017年2月期〜2019年2月期のローリングベースの3ヶ年中期経営計画を策定した。グローバル市場での成長を強調したテーマを掲げているが、国内市場においてもきちんと収益を確保できる体制を構築すべく、いくつかの新しいチャレンジが掲げられている。業績計画の数値は従来計画から大きく引き下げたが、その分達成の現実味と同社の本気度が増したという印象だ。

■Check Point
・女性向けアデランス事業とフォンテーヌ事業でトップシェアを誇る
・海外事業は中長期的成長のための成長エンジン
・2020年度連結売上高1,000億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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