イグニス Research Memo(2):事業の柱は「無料ネイティブアプリ」と「ネイティブソーシャルゲーム」
[16/06/10]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
イグニス<3689>は、スマートフォン向けネイティブアプリの企画・開発・運営・販売を手掛けている。主に広告収入による「無料ネイティブアプリ」と課金収入による「ネイティブソーシャルゲーム」の2ジャンルを事業の柱とし、ゲーム及び非ゲームの領域で独自のポジショニングを確立している。
「次のあたりまえを創る。何度でも」をビジョンに掲げ、日常的に利用する様々なアプリを高品質で提供し、ダウンロード数やMAUの拡大が同社の成長をけん引してきた。前期(2015年9月期)からは、これまでの小規模アプリ中心から、コミュニケーション領域などライフタイムの長い中・大規模アプリへ開発リソースをシフトすることによる収益構造改革に取り組んでいる。2016年2 月には累計ダウンロード数で1億DLを達成した。
ネイティブアプリは、App Store及びGoogle Play等のプラットフォームを通じてスマートフォンユーザーに提供されているが、同社はスマートフォンアプリ事業を収益モデル別に、「無料ネイティブアプリ」(広告収入モデル)、「ネイティブソーシャルゲーム」(課金収入モデル)の大きく2つのジャンルに分類している。なお、前期まで独立したジャンルとしていた「全巻無料型ハイブリッドアプリ」(広告収入モデル+課金収入モデル)については、「無料ネイティブアプリ」に含めて記載することとなった。
2016年9月期上期実績では、好調な「ぼくとドラゴン」の貢献により「ネイティブソーシャルゲーム」が売上高の約87.7%を占めている。一方、これまで同社の収益基盤を支えてきた「無料ネイティブアプリ」については、収益貢献までに時間のかかる中・大規模アプリ(更新型アプリ)に注力していることから一旦縮小しているが、これは収益構造改革を進めるに当たっての一時的な現象と見るのが妥当である。
各ジャンルの特徴は以下のとおりである。
(1)無料ネイティブアプリ(広告収入モデル)
このモデルは無料で提供するアプリ内に広告を掲載することで、広告主からの広告収入を主な収益源とする。したがって、ダウンロード数及びMAUを増やすことが広告収入の拡大に結び付く。スマートフォンの使い勝手及び日常生活の利便性を高めるツール系アプリのほか、カジュアルゲーム系アプリ、コミュニケーション系アプリなど、様々なジャンルのアプリを展開している。無料ながら有料アプリと同等の品質を保証していることに加え、利便性の追求、パンダのオリジナル人気キャラクター「だーぱん」の活用などがユーザーからの評価を高め、ダウンロード数及びMAUの拡大に貢献してきた。特に同社の得意分野であるツール系アプリは、基本的に収益貢献が3ヶ月程度であるカジュアルゲーム系と違って、長期使用を前提としたユーザー積み上げ型であり、同社の事業基盤を支えている。
前期(2015年9月期)からは、コミュニケーション領域などの中・大規模アプリの開発に注力しており、更なるユーザー数の積み上げとライフタイムの長期化に取り組んでいる。また、最近の環境変化により、無料ネイティブアプリにおいても、広告収入だけではなく課金収入の重要性も高まってきているようだ。
一方、今期から「無料ネイティブアプリ」に含めて記載されることになった「全巻無料型ハイブリッドアプリ」(広告収入+課金収入モデル)は、コンテンツの公開期間中、毎日一定量の漫画コンテンツを無料でお試しできるところに特徴がある。継続して漫画コンテンツを読みたいユーザーは課金購入することで続きを楽しむことができ、広告収入と課金収入を合わせた収益モデルとなっているため、ハイブリッドアプリと呼称している。有力作品の配信許諾を多数獲得するなど、当該事業モデルにおいては優位性を維持しているものの、無料コミックアプリの一般化に伴う利用者の嗜好変化及び競争激化に苦戦しているため、今後は有力作品に絞ってスポット的に展開していく方針のようである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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イグニス<3689>は、スマートフォン向けネイティブアプリの企画・開発・運営・販売を手掛けている。主に広告収入による「無料ネイティブアプリ」と課金収入による「ネイティブソーシャルゲーム」の2ジャンルを事業の柱とし、ゲーム及び非ゲームの領域で独自のポジショニングを確立している。
「次のあたりまえを創る。何度でも」をビジョンに掲げ、日常的に利用する様々なアプリを高品質で提供し、ダウンロード数やMAUの拡大が同社の成長をけん引してきた。前期(2015年9月期)からは、これまでの小規模アプリ中心から、コミュニケーション領域などライフタイムの長い中・大規模アプリへ開発リソースをシフトすることによる収益構造改革に取り組んでいる。2016年2 月には累計ダウンロード数で1億DLを達成した。
ネイティブアプリは、App Store及びGoogle Play等のプラットフォームを通じてスマートフォンユーザーに提供されているが、同社はスマートフォンアプリ事業を収益モデル別に、「無料ネイティブアプリ」(広告収入モデル)、「ネイティブソーシャルゲーム」(課金収入モデル)の大きく2つのジャンルに分類している。なお、前期まで独立したジャンルとしていた「全巻無料型ハイブリッドアプリ」(広告収入モデル+課金収入モデル)については、「無料ネイティブアプリ」に含めて記載することとなった。
2016年9月期上期実績では、好調な「ぼくとドラゴン」の貢献により「ネイティブソーシャルゲーム」が売上高の約87.7%を占めている。一方、これまで同社の収益基盤を支えてきた「無料ネイティブアプリ」については、収益貢献までに時間のかかる中・大規模アプリ(更新型アプリ)に注力していることから一旦縮小しているが、これは収益構造改革を進めるに当たっての一時的な現象と見るのが妥当である。
各ジャンルの特徴は以下のとおりである。
(1)無料ネイティブアプリ(広告収入モデル)
このモデルは無料で提供するアプリ内に広告を掲載することで、広告主からの広告収入を主な収益源とする。したがって、ダウンロード数及びMAUを増やすことが広告収入の拡大に結び付く。スマートフォンの使い勝手及び日常生活の利便性を高めるツール系アプリのほか、カジュアルゲーム系アプリ、コミュニケーション系アプリなど、様々なジャンルのアプリを展開している。無料ながら有料アプリと同等の品質を保証していることに加え、利便性の追求、パンダのオリジナル人気キャラクター「だーぱん」の活用などがユーザーからの評価を高め、ダウンロード数及びMAUの拡大に貢献してきた。特に同社の得意分野であるツール系アプリは、基本的に収益貢献が3ヶ月程度であるカジュアルゲーム系と違って、長期使用を前提としたユーザー積み上げ型であり、同社の事業基盤を支えている。
前期(2015年9月期)からは、コミュニケーション領域などの中・大規模アプリの開発に注力しており、更なるユーザー数の積み上げとライフタイムの長期化に取り組んでいる。また、最近の環境変化により、無料ネイティブアプリにおいても、広告収入だけではなく課金収入の重要性も高まってきているようだ。
一方、今期から「無料ネイティブアプリ」に含めて記載されることになった「全巻無料型ハイブリッドアプリ」(広告収入+課金収入モデル)は、コンテンツの公開期間中、毎日一定量の漫画コンテンツを無料でお試しできるところに特徴がある。継続して漫画コンテンツを読みたいユーザーは課金購入することで続きを楽しむことができ、広告収入と課金収入を合わせた収益モデルとなっているため、ハイブリッドアプリと呼称している。有力作品の配信許諾を多数獲得するなど、当該事業モデルにおいては優位性を維持しているものの、無料コミックアプリの一般化に伴う利用者の嗜好変化及び競争激化に苦戦しているため、今後は有力作品に絞ってスポット的に展開していく方針のようである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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