ボルテージ Research Memo(3):「恋愛ドラマアプリ」分野で圧倒的な強みを誇る
[16/06/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期計画と市場セグメント別方針
(1)特徴と強み
ボルテージ<3639>の事業は、モバイルコンテンツ・サプライヤーとしてスマートフォン向けなどにコンテンツを配信し、その情報料を得るというものだ。情報料の回収は通信キャリアやSNS運営事業者等が代行してくれるため、同社はコンテンツの企画・開発・制作・運営に集中できる。
同社の最大の特徴は、コンテンツのテーマを「恋愛と戦いのドラマ」に絞り込み、ストーリー性のあるモバイルコンテンツに特化している点にある。その具体的なコンテンツが「恋愛ドラマアプリ」という分野で、同社はこの草分けとしてランキング上位に多数の恋愛ドラマアプリを送り込み、圧倒的強さを誇っている。
恋愛ドラマアプリの市場性については、同社が過去に独自調査を行っている。それによれば、「スマートフォンユーザーの43%が毎日ゲームを楽しんでいる」ほか、「5人に1人が恋愛ゲームのプレイ経験がある」、「約24%が恋愛ゲームに興味がある」などの調査結果が得られている。これは、恋愛ドラマアプリは女性から一定の認知度を得ており、大きな潜在市場があることを示唆していると言えるだろう。
同社の強みについては、評価軸によって様々なことを挙げられる。その中で、特に投資という観点で弊社が最も注目している点は、同社の業績が長期にわたり着実に成長を遂げてきていることだ。その間には多くのモバイルコンテンツメーカーをふるいにかけた環境変化も起こっている。具体的にはコンテンツ配信PFが携帯キャリア公式サイトからソーシャルゲーム専業PFへ移行したことや、主要なデバイスがフィーチャーフォンからスマートフォンへ移行したことなどがそれにあたる。
とりわけスマートフォンの出現と急速な普及拡大は、配信PFにおけるソーシャル専業PFからOS系PF(App StoreやGoogle Play)への移行に加え、アプリタイプのWebアプリ※1からネイティブアプリ※2(もしくはガワネイティブアプリ※3)への移行を加速させた。Webアプリ技術者とネイティブアプリ技術者の差は陸上選手と水泳選手の差にも例えられるほど大きく、こうした技術的な変遷に追従できずに業績の縮小に見舞われた同業他社も多い。他方で、この転換の波に乗ったことで数年間で業績を何十倍にも急拡大させたモバイルゲーム・コンテンツサプライヤーも数多くあったが、そうした企業も直近では減収に転じているケースが目立つ。
※1 Webアプリ:ネットワーク上のサーバにおいて演算処理をするタイプのアプリ。スマートフォンは入出力のみを行う。インターネット接続環境が不可欠。
※2ネイティブアプリ:スマートフォンの中に落ちてくるアプリ。ホーム画面にアイコンが載り、アプリによっては一切通信せずにプレイが可能。
※3ガワネイティブアプリ:ネイティブアプリのようにスマートフォンのホーム画面にアイコンが載るが内容はWeb上のコンテンツを表示する、Webアプリ。
同社はそうした環境変化を乗り切って依然として増収トレンドを維持している。継続的な増収というのは同社の“強さ”の1つを表象するものであるが、重要なのはその源泉が何かだ。この点について弊社では、事業ドメインをストーリー性のあるモバイルコンテンツに絞り込んで、自社が得意な領域をとことん深耕していく方針を採用していること、広告費用などのマーケティング費用についてコントロールが行き届いていること、アプリの開発においてリスク分散の視点が重視されていること、技術的変遷に対応できる開発技術者を有していること、などを主な要因として考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(1)特徴と強み
ボルテージ<3639>の事業は、モバイルコンテンツ・サプライヤーとしてスマートフォン向けなどにコンテンツを配信し、その情報料を得るというものだ。情報料の回収は通信キャリアやSNS運営事業者等が代行してくれるため、同社はコンテンツの企画・開発・制作・運営に集中できる。
同社の最大の特徴は、コンテンツのテーマを「恋愛と戦いのドラマ」に絞り込み、ストーリー性のあるモバイルコンテンツに特化している点にある。その具体的なコンテンツが「恋愛ドラマアプリ」という分野で、同社はこの草分けとしてランキング上位に多数の恋愛ドラマアプリを送り込み、圧倒的強さを誇っている。
恋愛ドラマアプリの市場性については、同社が過去に独自調査を行っている。それによれば、「スマートフォンユーザーの43%が毎日ゲームを楽しんでいる」ほか、「5人に1人が恋愛ゲームのプレイ経験がある」、「約24%が恋愛ゲームに興味がある」などの調査結果が得られている。これは、恋愛ドラマアプリは女性から一定の認知度を得ており、大きな潜在市場があることを示唆していると言えるだろう。
同社の強みについては、評価軸によって様々なことを挙げられる。その中で、特に投資という観点で弊社が最も注目している点は、同社の業績が長期にわたり着実に成長を遂げてきていることだ。その間には多くのモバイルコンテンツメーカーをふるいにかけた環境変化も起こっている。具体的にはコンテンツ配信PFが携帯キャリア公式サイトからソーシャルゲーム専業PFへ移行したことや、主要なデバイスがフィーチャーフォンからスマートフォンへ移行したことなどがそれにあたる。
とりわけスマートフォンの出現と急速な普及拡大は、配信PFにおけるソーシャル専業PFからOS系PF(App StoreやGoogle Play)への移行に加え、アプリタイプのWebアプリ※1からネイティブアプリ※2(もしくはガワネイティブアプリ※3)への移行を加速させた。Webアプリ技術者とネイティブアプリ技術者の差は陸上選手と水泳選手の差にも例えられるほど大きく、こうした技術的な変遷に追従できずに業績の縮小に見舞われた同業他社も多い。他方で、この転換の波に乗ったことで数年間で業績を何十倍にも急拡大させたモバイルゲーム・コンテンツサプライヤーも数多くあったが、そうした企業も直近では減収に転じているケースが目立つ。
※1 Webアプリ:ネットワーク上のサーバにおいて演算処理をするタイプのアプリ。スマートフォンは入出力のみを行う。インターネット接続環境が不可欠。
※2ネイティブアプリ:スマートフォンの中に落ちてくるアプリ。ホーム画面にアイコンが載り、アプリによっては一切通信せずにプレイが可能。
※3ガワネイティブアプリ:ネイティブアプリのようにスマートフォンのホーム画面にアイコンが載るが内容はWeb上のコンテンツを表示する、Webアプリ。
同社はそうした環境変化を乗り切って依然として増収トレンドを維持している。継続的な増収というのは同社の“強さ”の1つを表象するものであるが、重要なのはその源泉が何かだ。この点について弊社では、事業ドメインをストーリー性のあるモバイルコンテンツに絞り込んで、自社が得意な領域をとことん深耕していく方針を採用していること、広告費用などのマーケティング費用についてコントロールが行き届いていること、アプリの開発においてリスク分散の視点が重視されていること、技術的変遷に対応できる開発技術者を有していること、などを主な要因として考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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