じげん Research Memo(4):逓増型ビジネスモデルとM&Aによる事業拡張力により確かな高い成長力を保有
[16/06/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■強みと事業リスク
(1)強みと競合
じげん<3679>の強みとしては、1)大量のデータベースを活かしたプラットフォーム構築力、2)拡張性と収益性の高い逓増型ビジネスモデル、3)新規事業開発力及びM&Aによる事業拡張力、の3点を挙げることができる。
まず、同社が展開している領域特化型サイトにおいては、情報メディアを運営する企業と連携し充実したデータベースを構築することが極めて重要となる。同社では、ユーザーの獲得に対する成果報酬型の課金設計をベースとする効率的な集客効果を打ち出すことにより、求人分野で最大手のリクルートを最初のクライアントにし、その後も数多くの大手情報メディア企業と連携することに成功。足元の保有データベース数は767万件を誇る。これらを解析、学習、配信を繰り返すことで、最適な情報マッチングを提供する体制を構築している。
加えて、メディア構築のエンジンは横展開が可能で、スピーディな拡張が可能。さらに、正の成長スパイラル(DB数・UU数拡大→見込み顧客増加→クライアントにとっての媒体価値拡大→報酬単価上昇→更なるDB数・UU数拡大)をビジネスモデルの中に内包する収益逓増型のビジネスモデルとなっていることも特長である。
さらに、同社のセールス、マーケティング、エンジニア、デザイナーがバランスよく所属(2016年3月末時点、制作関係72人、非制作125人)する格好となっており、サイト運営のバリューチェーンを内製化してナレッジを蓄積し、改善点の発見、仮説想定と検証、行動までの運営の高速化を実現している。加えて、このナレッジを新規事業・事業再構築にも生かせる体制となっていることも強み。また、ベトナムにオフショア拠点を保有しており、費用効率を改善する仕組みも整えている。
競合企業としては、同社のクライアントでもあるヤフーやGoogleなどの検索サイト運営企業を挙げることができるが、これらの企業は掲載課金型やCPC課金の成功報酬型をとっており、同社の応募による成果報酬型のビジネスモデルと異なっている。さらに、アグリゲーションサイトとして760万件を超える掲載案件数を誇る企業は国内で他に類をみない。
(2)事業リスク
事業リスクとしては、特定の大口クライアントの離反リスクを挙げることができる。上場した直後の2014年3月期にはリクルート、インテリジェンスの2社への売上依存度は合わせて50%を超えていた。事業拡大によりこれらの特定クライアントへの依存度が低下し2016年3月期にはそれぞれ売上高10%程度となったものの、これらの大口顧客が離反することになった場合のマイナス影響は大きいと見られる。
同社は積極的にM&Aを行い、同社の人材、ノウハウを投入することで事業規模を拡大してきた。第1次中期経営計画でも同社のリソースと親和性の高い成長期の企業を重点投資分野として位置付けている。足元については、経営人材は充足していると見られるものの、今後新たに複数のM&Aを行う場合には投入する経営人材が不足する可能性があり、人材の育成・確保が課題と言える。
なお、事業リスク以外のリスクとして、新株予約権行使による株式価値希薄化に関するリスクを挙げることができる。同社では、取締役、従業員に対するインセンティブとしてストック・オプション制度を採用しており、これらの新株予約権が権利行使された場合に、保有株式の価値が希薄化する可能性がある。ちなみに、新株予約権による潜在株式数(2016年5月13日現在)は1,960千株であり、2016年3月期末の発行済株式総数の3.79%に相当する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
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(1)強みと競合
じげん<3679>の強みとしては、1)大量のデータベースを活かしたプラットフォーム構築力、2)拡張性と収益性の高い逓増型ビジネスモデル、3)新規事業開発力及びM&Aによる事業拡張力、の3点を挙げることができる。
まず、同社が展開している領域特化型サイトにおいては、情報メディアを運営する企業と連携し充実したデータベースを構築することが極めて重要となる。同社では、ユーザーの獲得に対する成果報酬型の課金設計をベースとする効率的な集客効果を打ち出すことにより、求人分野で最大手のリクルートを最初のクライアントにし、その後も数多くの大手情報メディア企業と連携することに成功。足元の保有データベース数は767万件を誇る。これらを解析、学習、配信を繰り返すことで、最適な情報マッチングを提供する体制を構築している。
加えて、メディア構築のエンジンは横展開が可能で、スピーディな拡張が可能。さらに、正の成長スパイラル(DB数・UU数拡大→見込み顧客増加→クライアントにとっての媒体価値拡大→報酬単価上昇→更なるDB数・UU数拡大)をビジネスモデルの中に内包する収益逓増型のビジネスモデルとなっていることも特長である。
さらに、同社のセールス、マーケティング、エンジニア、デザイナーがバランスよく所属(2016年3月末時点、制作関係72人、非制作125人)する格好となっており、サイト運営のバリューチェーンを内製化してナレッジを蓄積し、改善点の発見、仮説想定と検証、行動までの運営の高速化を実現している。加えて、このナレッジを新規事業・事業再構築にも生かせる体制となっていることも強み。また、ベトナムにオフショア拠点を保有しており、費用効率を改善する仕組みも整えている。
競合企業としては、同社のクライアントでもあるヤフーやGoogleなどの検索サイト運営企業を挙げることができるが、これらの企業は掲載課金型やCPC課金の成功報酬型をとっており、同社の応募による成果報酬型のビジネスモデルと異なっている。さらに、アグリゲーションサイトとして760万件を超える掲載案件数を誇る企業は国内で他に類をみない。
(2)事業リスク
事業リスクとしては、特定の大口クライアントの離反リスクを挙げることができる。上場した直後の2014年3月期にはリクルート、インテリジェンスの2社への売上依存度は合わせて50%を超えていた。事業拡大によりこれらの特定クライアントへの依存度が低下し2016年3月期にはそれぞれ売上高10%程度となったものの、これらの大口顧客が離反することになった場合のマイナス影響は大きいと見られる。
同社は積極的にM&Aを行い、同社の人材、ノウハウを投入することで事業規模を拡大してきた。第1次中期経営計画でも同社のリソースと親和性の高い成長期の企業を重点投資分野として位置付けている。足元については、経営人材は充足していると見られるものの、今後新たに複数のM&Aを行う場合には投入する経営人材が不足する可能性があり、人材の育成・確保が課題と言える。
なお、事業リスク以外のリスクとして、新株予約権行使による株式価値希薄化に関するリスクを挙げることができる。同社では、取締役、従業員に対するインセンティブとしてストック・オプション制度を採用しており、これらの新株予約権が権利行使された場合に、保有株式の価値が希薄化する可能性がある。ちなみに、新株予約権による潜在株式数(2016年5月13日現在)は1,960千株であり、2016年3月期末の発行済株式総数の3.79%に相当する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
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