アイナボHD Research Memo(3):16/9期2Qは増収増益、戸建住宅事業では単価の高い案件に注力
[16/06/24]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■業績動向
(1) 2016年9月期第2四半期
a)損益状況
アイナボホールディングス<7539>の2016年9月期第2四半期は売上高で31,337百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益で1,162百万円(同3.4%増)、経常利益で1,312百万円(同8.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は950百万円(同29.3%増)となった。
新規子会社の影響及び過去に発生した不良工事にかかる張替え費用(83百万円)を引当金として計上したことなどから売上総利益率は前年同期比で若干低下したが、増収による効果から売上総利益額は4,402百万円(前年同期比4.7%増)となった。販売管理費は新規子会社分を含めて3,240百万円(同5.1%増)となったが売上総利益額が増加したことから営業利益は前年同期比で増益となった。
セグメント及びサブセグメント別の状況は以下のようであった。
1)戸建住宅事業
戸建住宅事業では市場全体(住宅着工件数)はやや低調であったが、新規顧客開拓に努めたこと、新商材、木質建材、サッシ等の重点商品の拡販を積極的に行ったことなどから売上高は27,943百万円(前年同期比8.6%増)となった。新規顧客開拓件数は339件(前年同期381件)であったが、単価の高い案件に注力したことから金額ベースでは493百万円(同419百万円)となった。
サブセグメント別では外壁工事が7,064百万円(前年同期比11.5%増)、住設工事が12,330百万円(同7.3%増)、建材販売が4,929百万円(同6.8%増)、住設販売が3,619百万円(同10.3%増)となり、すべてのセグメントで増収となった。
2)大型物件事業
売上高は前年同期比で7.9%減となったが収益性は改善されている。セグメント営業利益は203百万円(同22.2%減)となったが、この中には前述の不良工事にかかる張替え費用(引当金)83百万円が含まれており、この費用計上を除けば実質は増益となっていた。
ただしこの事業部門は床用タイル工事は引続き需要が期待できる。また、同社ではリノベーション市場への展開なども進めている。過去においてもレンガから外壁タイル販売・住設機器販売へ、また近年では卸売中心から工事請負へと事業ドメインを変えてきた同社である、今後も時代の変化に合わせて事業内容を変えていくことは十分可能だろう。
b)財政状況
2016年9月期第2四半期末の財政状況を見ると、流動資産は23,709百万円(前期末比2,455百万円増)となった。主要科目では現金及び預金383百万円減、受取手形・完成工事未収入金2,157百万円増、未成工事支出金618百万円増などであった。固定資産は7,984百万円(同733百万円増)となったが、内訳は有形固定資産が5,823百万円(同63百万円増)、無形固定資産619百万円(同530百万円増)、投資その他資産1,541百万円(同139百万円増)となった。無形固定資産の増加は主にのれんの増加429百万円による。この結果、資産合計は31,694百万円(同3,188百万円増)となった。
流動負債は13,215百万円(同2,392百万円増)となったが、主な変動は支払手形・工事未払金等の増加996百万円、ファクタリング未払金の増加839百万円などであった。固定負債は1,366百万円(同20百万円増)となった。純資産は17,112百万円(同775百万円増)となったが、主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加776百万円による。
c)キャッシュフローの状況
2016年9月期第2四半期末のキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは362百万円の収入(前期は818百万円の支出)となった。主な収入は税金等調整前四半期純利益の計上1,295百万円、仕入債務の増加1,626百万円、一方で、主な支出は売上債権の増加1,591百万円などであった。投資活動によるキャッシュフローは572百万円の支出(同108百万円の支出)となったが、主に定期預金の預入による支出300百万円、無形固定資産の取得による支出157百万円など。財務活動によるキャッシュフローは472百万円の支出(同136百万円の支出)となったが、主に短期借入金の純減による支出284百万円、配当金支払いによる支出173百万円による。この結果、期中の現金及び現金同等物は683百万円減少し、四半期期末残高は7,088百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<HN>
(1) 2016年9月期第2四半期
a)損益状況
アイナボホールディングス<7539>の2016年9月期第2四半期は売上高で31,337百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益で1,162百万円(同3.4%増)、経常利益で1,312百万円(同8.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は950百万円(同29.3%増)となった。
新規子会社の影響及び過去に発生した不良工事にかかる張替え費用(83百万円)を引当金として計上したことなどから売上総利益率は前年同期比で若干低下したが、増収による効果から売上総利益額は4,402百万円(前年同期比4.7%増)となった。販売管理費は新規子会社分を含めて3,240百万円(同5.1%増)となったが売上総利益額が増加したことから営業利益は前年同期比で増益となった。
セグメント及びサブセグメント別の状況は以下のようであった。
1)戸建住宅事業
戸建住宅事業では市場全体(住宅着工件数)はやや低調であったが、新規顧客開拓に努めたこと、新商材、木質建材、サッシ等の重点商品の拡販を積極的に行ったことなどから売上高は27,943百万円(前年同期比8.6%増)となった。新規顧客開拓件数は339件(前年同期381件)であったが、単価の高い案件に注力したことから金額ベースでは493百万円(同419百万円)となった。
サブセグメント別では外壁工事が7,064百万円(前年同期比11.5%増)、住設工事が12,330百万円(同7.3%増)、建材販売が4,929百万円(同6.8%増)、住設販売が3,619百万円(同10.3%増)となり、すべてのセグメントで増収となった。
2)大型物件事業
売上高は前年同期比で7.9%減となったが収益性は改善されている。セグメント営業利益は203百万円(同22.2%減)となったが、この中には前述の不良工事にかかる張替え費用(引当金)83百万円が含まれており、この費用計上を除けば実質は増益となっていた。
ただしこの事業部門は床用タイル工事は引続き需要が期待できる。また、同社ではリノベーション市場への展開なども進めている。過去においてもレンガから外壁タイル販売・住設機器販売へ、また近年では卸売中心から工事請負へと事業ドメインを変えてきた同社である、今後も時代の変化に合わせて事業内容を変えていくことは十分可能だろう。
b)財政状況
2016年9月期第2四半期末の財政状況を見ると、流動資産は23,709百万円(前期末比2,455百万円増)となった。主要科目では現金及び預金383百万円減、受取手形・完成工事未収入金2,157百万円増、未成工事支出金618百万円増などであった。固定資産は7,984百万円(同733百万円増)となったが、内訳は有形固定資産が5,823百万円(同63百万円増)、無形固定資産619百万円(同530百万円増)、投資その他資産1,541百万円(同139百万円増)となった。無形固定資産の増加は主にのれんの増加429百万円による。この結果、資産合計は31,694百万円(同3,188百万円増)となった。
流動負債は13,215百万円(同2,392百万円増)となったが、主な変動は支払手形・工事未払金等の増加996百万円、ファクタリング未払金の増加839百万円などであった。固定負債は1,366百万円(同20百万円増)となった。純資産は17,112百万円(同775百万円増)となったが、主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加776百万円による。
c)キャッシュフローの状況
2016年9月期第2四半期末のキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは362百万円の収入(前期は818百万円の支出)となった。主な収入は税金等調整前四半期純利益の計上1,295百万円、仕入債務の増加1,626百万円、一方で、主な支出は売上債権の増加1,591百万円などであった。投資活動によるキャッシュフローは572百万円の支出(同108百万円の支出)となったが、主に定期預金の預入による支出300百万円、無形固定資産の取得による支出157百万円など。財務活動によるキャッシュフローは472百万円の支出(同136百万円の支出)となったが、主に短期借入金の純減による支出284百万円、配当金支払いによる支出173百万円による。この結果、期中の現金及び現金同等物は683百万円減少し、四半期期末残高は7,088百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<HN>