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スターティア Research Memo(1):ITサービス企業へと変革し、持続的成長を目指す

注目トピックス 日本株

スターティア<3393>は、大手SI企業やネットワーク機器ディーラーなどが入って来ず、一方でIT担当者を専任で配置できない従業員数300人以下の中小企業に対し、ハードからシステム構築、運用、保守まで、IT関連サービスをワンストップで提供している。

2016年3月期決算は増収ながらも大幅減益となった。自社開発ソフトウェアをメイン商材として収益性が高いビジネスを展開していたウェブソリューション事業の収益が、伸び悩んだことが原因だ。その背景には、顧客層が変化してこれまでの売り方が通用しにくくなってきているという構造的な変化があった。

同社はウェブソリューション事業を取り巻く事業環境変化への対応と、同時に、かねて同社が志向してきたシステムインテグレーションの領域に進出することを決断し、組織体制の変更を行った。具体的には、ウェブソリューション事業は「デジタルマーケティング関連事業」と改称し、販売手法をアプリケーションの販売に加え、顧客への導入支援・営業支援コンサルティングなど、領域を拡大した。

また、中小企業においても情報システム分野への要求水準が高まり、社内では対応が難しいレベルに達している現状を受け、同社はネットワークソリューション事業とビジネスソリューション事業とを統合し、「ITインフラ関連事業」に改編した。この事業においても営業体制を従来の「商材専任制」から、顧客企業ごとの「顧客専任制」へと切り替え、“販売”から“請負”へのシフトを進める方針だ。

弊社では、同社のこれらの取り組みは、非常に理に適ったものであり、正常進化的事業展開にあると考えている。成功への重要なポイントは人材の強化にあり、過去のやり方に慣れ親しんだ営業担当者を、新体制の枠組みに合うように、迅速に再教育できるかがポイントになると考えている。2017年3月期はこうした新体制への移行に伴う費用増加などで2期連続の減益が予想されているが、2018年3月期には大きく改善してくる可能性があると弊社ではみている。

■Check Point
・「IT商材の販売会社」から「ITサービス会社」への変革
・商品の「販売者」からシステム構築の「請負者」へ
・個人株主を重視、株主還元に積極的

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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