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三栄コポ Research Memo(4):ブランド事業をさらに拡大し収益基盤を強化する

注目トピックス 日本株
■成長戦略

(1)中長期の方向性

三栄コーポレーション<8119>の中長期の方向性としては、1)売上高500億円を目指す、2)ブランド事業で安定した収益基盤を確保し、OEM事業で業容の更なる拡大を狙う、3)海外取引を拡大し、市場環境の変化、為替相場に左右されにくい体質へ、4)調達先を多様化(東南アジアの調達市場の開拓)、5)ROE15%を目標とする、などを打ち出す。

(2)ブランド事業の拡大による安定収益確保

同社はブランド事業の専門性強化を目的に、2012年に商品カテゴリー別に組織を再編し、現在の4事業部制とした。その後ブランド事業の売上高は83.6億円(2012年3月期)から125.1億円(2016年3月期)まで一貫して成長軌道を描いてきた。特に服飾雑貨セグメントでの成長が著しく、「ビルケンシュトック」の貢献が大きい。ちなみに、「ビルケンシュトック」の売上高が2017年3月期に下がるのは、卸売業務から撤退するためであり、ブランド本部の方針によるものだ。新たなブランドの追加としては、2012年3月期に「WMF」ブランドの取扱いが開始され、2013年には「キプリング」ブランド及び「Silit」ブランドの取扱いが開始された。2017年3月期には業務用調理機器の「MULTI CHEF」ブランドが開始される。総代理店の権利取得が新ブランドへの進出の基本となるが、キプリングは事業譲渡で取得したものであり、今後も秀逸なブランドであればM&Aも視野に入れる構えだ。

(3)業務用調理機器「MULTI CHEF(マルチシェフ)」ブランドを始動

同社はグループ会社で1985年から2013年にかけてフードプロセッサーの有名ブランドである「クイジナート」の輸入販売を手掛けてきた歴史を持つ。今年登場した「MULTI CHEF」ブランドのフードプロセッサー及びブレンダーは同社のこれまで培ってきた知見やノウハウが詰まったものだ。高額修理の原因になるモーターとギヤに負担をかけない独自の“マグネットギヤ”(特許出願中)を採用し、切削性能を左右する刃は日本の伝統技術である「関の刃」「燕三条」の技術を生かした。レストラン・ホテル、病院・介護施設などを対象に既にマーケティング・営業を開始しており、今後の成長を期待したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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