ランドコンピュータ Research Memo(1):独立系のシステムインテグレーター。収益性の改善トレンドが鮮明に
[16/06/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ランドコンピュータ<3924>は、中堅の独立系システムインテグレーター。主力のシステムインテグレーション・サービスのほか、インフラソリューション・サービス、パッケージベースSI・サービスを提供する。主要顧客は、富士通<6702>を中心とするメーカー系システムインテグレーターで、設立直後の取引関係から富士通グループとは極めて親密。富士通のコアパートナーとなっており、同グループ向けの売上が全体の半分弱を占める。2015年12月に資金調達の多様化を図るとともに、社会的信用・知名度の向上、優秀な人材の確保を目的として東京証券取引所市場第2部へ株式を上場した。
2016年3月期業績は、売上高が前期比17.1増の7,413百万円、営業利益は同49.8%増の558百万円、当期純利益は同41.5%増の323百万円と2ケタ増収・営業増益となり、売上高、利益ともに過去最高を記録した。主力のシステムインテグレーションを中心に各サービスともに受注が好調に推移したことに加えて、2014年3月期以降取り組んできたマネジメント改革の効果が顕在化したことにより、プロジェクトの利益率が上昇するなど収益性の改善が進んだことが主要因。
2017年3月期については、売上高が前期比4.8%増の7,770百万円、営業利益は同2.4%増の571百万円、当期純利益は同9.9%増の355百万円と1ケタながら増収・増益を確保し、売上高、利益ともに過去最高を更新する会社計画となっている。なお、売上高、営業利益が1ケタの伸びにとどまるのは、上場後実質的に初年度であるため保守的な予算を組んだことに加えて、大手金融機関向けの大型システム統合案件の反動減、本社増床、採用・営業強化による人員増、研究開発費増などの費用増を見込むことによる。
弊社では、1)2016年3月期末の受注残高が前期末比25.8%増と高水準な状態となっている、2)マイナンバー制度関連の需要は旺盛で公共分野の受注拡大が期待できる、3)Salesforce((株)セールスフォース・ドットコム)関連の受注好調が続くと見込まれる、??などから、会社計画は保守的であると考える。このため、業績動向を占う重要な手掛かりとして、主力のシステムインテグレーション・サービスの第1四半期(4月〜6月)の受注動向について注目している。
同社は中期経営計画を公表していないため、中期的な数値目標はない。しかし、「顧客価値の創造」に基づく更なる事業収益の拡大を図ることにより、持続的かつ飛躍的な成長と、より強固な経営基盤を確立すべく、成長性、収益性、独自性の観点から戦略を展開している。弊社では、これらの戦略の実行により、売上高100億円、営業利益率10%の確保が当面の目標となっているとみている。
株主への利益還元については、経営体質の強化と今後の事業展開に必要な内部留保の充実を勘案した上で、業績向上に応じて継続的かつ安定的な利益還元を行うことを基本方針としている。このため、2016年3月期は、1株当たり50円(配当性向は26.6%)の期末配当を実施。続く2017年3月期については、株主への利益還元に積極的に取り組む方針で、配当性向30%を目途とすることを打ち出し、1株当たり54円の配当(配当性向30.3%、中間配当金27円、期末配当金27円)を計画している。
■Check Point
・2016年3月期は売上高、利益ともに過去最高を更新
・2016年3月末の受注残高は前期末比25.8%増と潤沢で、各サービスラインはいずれも順調
・株主還元の基本方針は配当性向30%を目途とすることに変更。2017年3月期は1株当たり54円を計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
<HN>
2016年3月期業績は、売上高が前期比17.1増の7,413百万円、営業利益は同49.8%増の558百万円、当期純利益は同41.5%増の323百万円と2ケタ増収・営業増益となり、売上高、利益ともに過去最高を記録した。主力のシステムインテグレーションを中心に各サービスともに受注が好調に推移したことに加えて、2014年3月期以降取り組んできたマネジメント改革の効果が顕在化したことにより、プロジェクトの利益率が上昇するなど収益性の改善が進んだことが主要因。
2017年3月期については、売上高が前期比4.8%増の7,770百万円、営業利益は同2.4%増の571百万円、当期純利益は同9.9%増の355百万円と1ケタながら増収・増益を確保し、売上高、利益ともに過去最高を更新する会社計画となっている。なお、売上高、営業利益が1ケタの伸びにとどまるのは、上場後実質的に初年度であるため保守的な予算を組んだことに加えて、大手金融機関向けの大型システム統合案件の反動減、本社増床、採用・営業強化による人員増、研究開発費増などの費用増を見込むことによる。
弊社では、1)2016年3月期末の受注残高が前期末比25.8%増と高水準な状態となっている、2)マイナンバー制度関連の需要は旺盛で公共分野の受注拡大が期待できる、3)Salesforce((株)セールスフォース・ドットコム)関連の受注好調が続くと見込まれる、??などから、会社計画は保守的であると考える。このため、業績動向を占う重要な手掛かりとして、主力のシステムインテグレーション・サービスの第1四半期(4月〜6月)の受注動向について注目している。
同社は中期経営計画を公表していないため、中期的な数値目標はない。しかし、「顧客価値の創造」に基づく更なる事業収益の拡大を図ることにより、持続的かつ飛躍的な成長と、より強固な経営基盤を確立すべく、成長性、収益性、独自性の観点から戦略を展開している。弊社では、これらの戦略の実行により、売上高100億円、営業利益率10%の確保が当面の目標となっているとみている。
株主への利益還元については、経営体質の強化と今後の事業展開に必要な内部留保の充実を勘案した上で、業績向上に応じて継続的かつ安定的な利益還元を行うことを基本方針としている。このため、2016年3月期は、1株当たり50円(配当性向は26.6%)の期末配当を実施。続く2017年3月期については、株主への利益還元に積極的に取り組む方針で、配当性向30%を目途とすることを打ち出し、1株当たり54円の配当(配当性向30.3%、中間配当金27円、期末配当金27円)を計画している。
■Check Point
・2016年3月期は売上高、利益ともに過去最高を更新
・2016年3月末の受注残高は前期末比25.8%増と潤沢で、各サービスラインはいずれも順調
・株主還元の基本方針は配当性向30%を目途とすることに変更。2017年3月期は1株当たり54円を計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
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