芙蓉リース Research Memo(2):主力の「リース」が売上高の85%を構成
[16/07/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(1)事業内容
芙蓉総合リース<8424>の事業セグメントは、「リース及び割賦」「営業貸付」「その他」の3つに区分されるが、同社では「リース」と「割賦」をさらに分けて開示している。主力の「リース」が売上高の85.1%、契約実行高の64.5%、営業資産残高の66.8%を占めている。
各事業の概要は以下のとおりである。
a)リース及び割賦
情報通信機器・事務用機器、産業工作機械等のリース業務、及び商業施設、生産設備、病院設備等の割賦販売業務を行っている。営業資産残高はリースが1兆2439億円、割賦が1,288億円となっている。
リースとは、顧客が選定した機械や設備などを顧客に代わってリース会社が取得し、比較的長期にわたって一定のリース料で賃貸する取引である。設備導入に使途を絞った資金調達手段(金融取引)と言える。顧客にとっては設備を自社購入(所有)するよりも「資金の効率的運用」「事務負担の軽減」「陳腐化リスクの回避」のほか、「コストコントロール機能」の面などでメリットがある。リース会社にとっても、通常の融資取引に比べてリース物件の所有権を自らが持つことになるため回収リスクが小さい。なお、リースには、ファイナンスリース※1とオペレーティングリース※2の2つのタイプがあるが、ファイナンスリースがリース営業資産の80%強を占める。
※1解約不能であるとともに、リース物件の使用に伴って生じるコスト(物件の取得価額、資金コスト、固定資産税、保険料など)を実質的にすべて負担するリース取引。
※2ファイナンスリース以外のリース取引。
また、税務上、リースに属さない物件や顧客が物件の所有を希望する場合には、割賦販売にて対応している。
物件別のリース契約実行高では、「情報・事務用機器」の比率が高いところに特長がある。また、最近大きく伸びているのは、「建物等」(不動産リース)と「輸送用機器」である。不動産リースは同社の得意とする商業施設(大型ショッピングセンターなど)のほか、足元ではインバウンド需要を背景としてビジネスホテルが伸びている。法的なハードルの高さや権利関係が複雑であることなどから専門性やノウハウが必要とされる分野であるため、30年以上にわたる経験則が活かされている。加えて、「輸送用機器」の伸びは、航空機リースによるものであり、こちらも古くからの実績やノウハウが強みとなっている。
b)営業貸付
設備投資資金などの事業資金のローンや不動産ファイナンスなどにより受取利息を得るものである。営業資産残高は3,724億円となっている。コーポレート向けの営業貸付(シンジケートローンなど)のほか、連結子会社のシャープファイナンス(株)によるリテール向けなどが含まれる。
c)その他
営業目的の金融収益を得るために有価証券の運用業務等を行っている。営業資産残高は1,183億円となっている。また、自社事業としてのメガソーラーの運営(再生可能エネルギー事業)のほか、航空機リースなどに関わる匿名組合組成業務や生命保険代理店業務なども含まれている。
なお、同社では「営業貸付」と「その他」を合わせた「ファイナンス事業」を戦略分野の1つと位置付け、事業拡大に注力している。「ファイナンス事業」全体の営業資産残高は4,906億円であるが、コーポレート向けが43.8%、リテール向けが13.4%、営業有価証券が20.4%となっており、バランスを保ちながら営業資産の積み上げを図っている。
グループ会社は、同社のほか、子会社171社(国内140社、海外31社)、関連会社4社で構成される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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(1)事業内容
芙蓉総合リース<8424>の事業セグメントは、「リース及び割賦」「営業貸付」「その他」の3つに区分されるが、同社では「リース」と「割賦」をさらに分けて開示している。主力の「リース」が売上高の85.1%、契約実行高の64.5%、営業資産残高の66.8%を占めている。
各事業の概要は以下のとおりである。
a)リース及び割賦
情報通信機器・事務用機器、産業工作機械等のリース業務、及び商業施設、生産設備、病院設備等の割賦販売業務を行っている。営業資産残高はリースが1兆2439億円、割賦が1,288億円となっている。
リースとは、顧客が選定した機械や設備などを顧客に代わってリース会社が取得し、比較的長期にわたって一定のリース料で賃貸する取引である。設備導入に使途を絞った資金調達手段(金融取引)と言える。顧客にとっては設備を自社購入(所有)するよりも「資金の効率的運用」「事務負担の軽減」「陳腐化リスクの回避」のほか、「コストコントロール機能」の面などでメリットがある。リース会社にとっても、通常の融資取引に比べてリース物件の所有権を自らが持つことになるため回収リスクが小さい。なお、リースには、ファイナンスリース※1とオペレーティングリース※2の2つのタイプがあるが、ファイナンスリースがリース営業資産の80%強を占める。
※1解約不能であるとともに、リース物件の使用に伴って生じるコスト(物件の取得価額、資金コスト、固定資産税、保険料など)を実質的にすべて負担するリース取引。
※2ファイナンスリース以外のリース取引。
また、税務上、リースに属さない物件や顧客が物件の所有を希望する場合には、割賦販売にて対応している。
物件別のリース契約実行高では、「情報・事務用機器」の比率が高いところに特長がある。また、最近大きく伸びているのは、「建物等」(不動産リース)と「輸送用機器」である。不動産リースは同社の得意とする商業施設(大型ショッピングセンターなど)のほか、足元ではインバウンド需要を背景としてビジネスホテルが伸びている。法的なハードルの高さや権利関係が複雑であることなどから専門性やノウハウが必要とされる分野であるため、30年以上にわたる経験則が活かされている。加えて、「輸送用機器」の伸びは、航空機リースによるものであり、こちらも古くからの実績やノウハウが強みとなっている。
b)営業貸付
設備投資資金などの事業資金のローンや不動産ファイナンスなどにより受取利息を得るものである。営業資産残高は3,724億円となっている。コーポレート向けの営業貸付(シンジケートローンなど)のほか、連結子会社のシャープファイナンス(株)によるリテール向けなどが含まれる。
c)その他
営業目的の金融収益を得るために有価証券の運用業務等を行っている。営業資産残高は1,183億円となっている。また、自社事業としてのメガソーラーの運営(再生可能エネルギー事業)のほか、航空機リースなどに関わる匿名組合組成業務や生命保険代理店業務なども含まれている。
なお、同社では「営業貸付」と「その他」を合わせた「ファイナンス事業」を戦略分野の1つと位置付け、事業拡大に注力している。「ファイナンス事業」全体の営業資産残高は4,906億円であるが、コーポレート向けが43.8%、リテール向けが13.4%、営業有価証券が20.4%となっており、バランスを保ちながら営業資産の積み上げを図っている。
グループ会社は、同社のほか、子会社171社(国内140社、海外31社)、関連会社4社で構成される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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