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芙蓉リース Research Memo(5):営業資産の積み上げにより概ね右肩上がりに推移

注目トピックス 日本株
■決算動向

(2)過去の業績推移

芙蓉総合リース<8424>の過去の業績を振り返ると、売上高は「営業資産(特にリース営業資産)」の積み上げに伴って概ね右肩上がりに推移してきた。一方、「差引利益」は2013年3月期から2014年3月期にかけて一旦低下傾向をたどったが、2015年3月期以降は増益基調に転じている。なお、「差引利益」の落ち込みは、競争激化によるリース料率の引き下げに伴う「資産粗利率」の低下によるが、「営業資産残高」の積み上げと「資産粗利率」の改善により回復を図っている。「資産粗利率」の改善は、比較的利回りの高い「不動産リース」及び「航空機リース」の拡大が寄与したものとみられる。

一方、費用面を見ると、「調達原価」はほぼ横ばいで推移してきた。調達総額が増加しているものの、市中金利の影響により調達利回りが低下していることが要因である。また、「人件費及び物件費」を一定水準に抑えるとともに、「貸倒関連費用」も低位にて推移しており、同社の強みであるローコストオペレーションも発揮されている。その結果、「経常利益」は2期連続で増益となった。

また、有利子負債は「営業資産」の積み上げに伴い増加してきたが、自己資本比率は10%前後で安定的に推移している。自己資本比率10%水準はリース業界においては他社と比べて見劣りするものではなく、財務基盤の安定性に懸念を生じさせるものではない。

ROAは1.4%の水準を維持してきた。一方、資本効率を示すROEは低下傾向にあったが、前期(2016年3月期)からは改善の兆しがみられる。

営業キャッシュフローはマイナスの状況が続いており、特に直近2期におけるマイナス幅が大きくなっている。これは、将来の収益源となる「営業資産」を積極的に積み上げていることが要因であり、同社の成長性を反映したものとみるのが妥当である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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