リアルワールド Research Memo(2):「Gendama」「REALWORLD」などのクラウドメディアサービス
[16/07/11]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(1)事業内容
リアルワールド<3691>の事業セグメントは、クラウド事業とポイントエクスチェンジ事業の2つであるが、主力のクラウド事業に属するクラウドメディアサービス及びクラウドソーシングサービスのほか、ポイントエクスチェンジサービスの3つのサービスを展開している。
2016年9月期上期実績におけるサービス別売上構成比では、クラウドメディアが60%、クラウドソーシングサービスが40%を占めている(ポイントエクスチェンジサービスの売上高は小さい)。
a)クラウドメディアサービス
インターネット上において、主に成果報酬型広告(アフィリエイト広告)を集約したポイントメディアの運営を行っている。会員が同社のサイトに掲載された広告を経由して顧客企業(広告主等)の商品・サービスの購入、会員登録、口座開設、資料請求、アプリダウンロード等のアクションを行うことにより、ポイントを付与するサービスである。同社の収益は、会員のアクション等に連動した成果広告報酬及びサイトに掲載する広告掲載料等となる。2012年9月期からはPC版サービスに加えて、スマートフォン版サービスの提供を開始したが、2015年9月期におけるスマートフォン版サービスの売上高はクラウドメディアサービスの4分の1強を占めるまでに拡大している。同社が運営しているサービスは以下のとおりである。
◯Gendama
同社設立当初(2005年7月)に開設したサイト。会員が楽しみながらポイントを獲得できるように、ポイント獲得できるミニゲームの充実や、各種広告を掲載するなどポイント獲得手段の多様化を図っている。また、会員が継続的にアクションしやすいサービス及びサイト設計により、会員のポイント獲得の活性化にも注力している。
◯REALWORLD
クラウドメディアとクラウドソーシングが一体となったサービスを目指すため、2015年10月に「ライフマイル」を統合した新しいサイトである。毎日の暮らしを賢く、楽しく、豊かにしていくメディアコマースサービスを提供している。
◯その他
同社グループがクラウドメディアサービスの運営において培ったノウハウに基づき、他社サービスにかかる共同運営、運営受託を行っている。
b)クラウドソーシングサービス
自社運営サイト「CROWD」を通じて、いつでもどこでも働くことのできる機会を提供するクラウドソーシングサービスを展開している。クラウドメディアとの相互作用によって積み上げた会員基盤が同サービスを支えている。顧客企業からのBPO※1等にかかる受託業務を単純化・細分化(マイクロタスク化)することにより、多数の会員が分担して作業を行う形(システム化)に仕上げ、その対価として会員にポイントを付与する仕組みとなっている。主な受託業務としては、インターネットを利用した手書き書類等のデータ入力業務やSEO事業者向けのコンテンツライディング(文書作成)業務等があり、最近では、需要が拡大しているビッグデータにかかるデータクレンジング業務※2や、人工知能及びロボットの精度向上支援にも注力している。また、2015年8月には、これまでの業務提携により蓄積してきたノウハウを集約した「CROWDビジネスパック」の販売を開始※3し、顧客企業の裾野拡大にも取り組んでいる。
※1 Business Process Outsourcingの略であり、自社の業務プロセスの一部を外部の企業に委託すること。
※2データベースの中から誤りや重複を洗い出し、異質なデータを取り除いて整理すること。同社グループのクラウドソーシングサービスにおいては、複数のクラウド会員の目視等によって当該データベースの誤りや重複の洗い出し作業及び収集等の作業を実施している。
※3 2015年12月には「CROWDビジネスパック」のオンライン販売も開始。
なお、2014年12月に連結子会社化を決定したマークアイは知的財産に関する事業を展開している。知的財産権管理の周辺分野では機密性の観点から労働集約的な業務が多く存在しており、同社のクラウドソーシングサービスとの親和性が高いと考えられ、両社のリソースを掛け合わせることで、この分野への進出を図るところに主な狙いがある。
c)ポイントエクスチェンジサービス
クラウドメディアサービス及びクラウドソーシングサービスにおいて会員に付与されるポイントの交換サービスを提供している。ポイント交換サービス「PointExchange」を通じて、会員が同社グループの運営する複数のサービス上で獲得したポイント及び提携企業等のサービスにかかる各種ポイントの交換サービスを行っている。会員は、保有するポイントを、現金、電子マネー(「WebMoney」「Edy」等)、商品券等への交換が可能となる。また、2015年12月からはビットコインへの交換を開始すると、2016年5月には「ポイント利息」付与サービスも導入している。ポイントを交換する際の手数料が同社の収益源であるが、本サービスについては単独での業績寄与を追求するよりも、主力サービスを支えるプラットフォームとしての役割を担っており、提携先の拡充やポイントを一元管理できる「ポイント通帳」の普及など、会員の利便性を重視した施策を講じてきた。また、「ポイント利息」付与サービスも、会員獲得(囲い込み)に向けた差別化戦略の一環として見ることができる。
(2)沿革
同社は、代表取締役社長である菊池誠晃(きくちまさあき)氏により、クラウドメディアである「Gendama」の事業展開を目的として2005年7月に設立された。2006年7月にはポイント交換を主目的とした(株)ポイントスタイルを設立(2011年11月に吸収合併)。さらに、2008年12月に作業をこなして貯める、クラウドソーシングサービス「CROWD」を開始し、事業基盤を拡大。2011年4月にはサイバーエージェント<4751>から「ライフマイル」を事業譲受し、買物をしてポイントを貯めるクラウドメディアサービス「ライフマイル」を開始し、現在の事業基盤が整った。
アジア地域における市場調査及びクラウド事業展開をにらみ2011年12月にシンガポール、2012年7月にインドネシアへそれぞれ子会社を設立した。一方、国内では、2014年12月に知的財産に関する総合コンサルティング事業を行うマークアイを子会社化。2015年2月にはインターネット・メディア事業を展開するクックパッド<2193>が同社に資本参加するなど、クラウドソーシングの事業基盤の強化・拡大を狙った動きを加速している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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(1)事業内容
リアルワールド<3691>の事業セグメントは、クラウド事業とポイントエクスチェンジ事業の2つであるが、主力のクラウド事業に属するクラウドメディアサービス及びクラウドソーシングサービスのほか、ポイントエクスチェンジサービスの3つのサービスを展開している。
2016年9月期上期実績におけるサービス別売上構成比では、クラウドメディアが60%、クラウドソーシングサービスが40%を占めている(ポイントエクスチェンジサービスの売上高は小さい)。
a)クラウドメディアサービス
インターネット上において、主に成果報酬型広告(アフィリエイト広告)を集約したポイントメディアの運営を行っている。会員が同社のサイトに掲載された広告を経由して顧客企業(広告主等)の商品・サービスの購入、会員登録、口座開設、資料請求、アプリダウンロード等のアクションを行うことにより、ポイントを付与するサービスである。同社の収益は、会員のアクション等に連動した成果広告報酬及びサイトに掲載する広告掲載料等となる。2012年9月期からはPC版サービスに加えて、スマートフォン版サービスの提供を開始したが、2015年9月期におけるスマートフォン版サービスの売上高はクラウドメディアサービスの4分の1強を占めるまでに拡大している。同社が運営しているサービスは以下のとおりである。
◯Gendama
同社設立当初(2005年7月)に開設したサイト。会員が楽しみながらポイントを獲得できるように、ポイント獲得できるミニゲームの充実や、各種広告を掲載するなどポイント獲得手段の多様化を図っている。また、会員が継続的にアクションしやすいサービス及びサイト設計により、会員のポイント獲得の活性化にも注力している。
◯REALWORLD
クラウドメディアとクラウドソーシングが一体となったサービスを目指すため、2015年10月に「ライフマイル」を統合した新しいサイトである。毎日の暮らしを賢く、楽しく、豊かにしていくメディアコマースサービスを提供している。
◯その他
同社グループがクラウドメディアサービスの運営において培ったノウハウに基づき、他社サービスにかかる共同運営、運営受託を行っている。
b)クラウドソーシングサービス
自社運営サイト「CROWD」を通じて、いつでもどこでも働くことのできる機会を提供するクラウドソーシングサービスを展開している。クラウドメディアとの相互作用によって積み上げた会員基盤が同サービスを支えている。顧客企業からのBPO※1等にかかる受託業務を単純化・細分化(マイクロタスク化)することにより、多数の会員が分担して作業を行う形(システム化)に仕上げ、その対価として会員にポイントを付与する仕組みとなっている。主な受託業務としては、インターネットを利用した手書き書類等のデータ入力業務やSEO事業者向けのコンテンツライディング(文書作成)業務等があり、最近では、需要が拡大しているビッグデータにかかるデータクレンジング業務※2や、人工知能及びロボットの精度向上支援にも注力している。また、2015年8月には、これまでの業務提携により蓄積してきたノウハウを集約した「CROWDビジネスパック」の販売を開始※3し、顧客企業の裾野拡大にも取り組んでいる。
※1 Business Process Outsourcingの略であり、自社の業務プロセスの一部を外部の企業に委託すること。
※2データベースの中から誤りや重複を洗い出し、異質なデータを取り除いて整理すること。同社グループのクラウドソーシングサービスにおいては、複数のクラウド会員の目視等によって当該データベースの誤りや重複の洗い出し作業及び収集等の作業を実施している。
※3 2015年12月には「CROWDビジネスパック」のオンライン販売も開始。
なお、2014年12月に連結子会社化を決定したマークアイは知的財産に関する事業を展開している。知的財産権管理の周辺分野では機密性の観点から労働集約的な業務が多く存在しており、同社のクラウドソーシングサービスとの親和性が高いと考えられ、両社のリソースを掛け合わせることで、この分野への進出を図るところに主な狙いがある。
c)ポイントエクスチェンジサービス
クラウドメディアサービス及びクラウドソーシングサービスにおいて会員に付与されるポイントの交換サービスを提供している。ポイント交換サービス「PointExchange」を通じて、会員が同社グループの運営する複数のサービス上で獲得したポイント及び提携企業等のサービスにかかる各種ポイントの交換サービスを行っている。会員は、保有するポイントを、現金、電子マネー(「WebMoney」「Edy」等)、商品券等への交換が可能となる。また、2015年12月からはビットコインへの交換を開始すると、2016年5月には「ポイント利息」付与サービスも導入している。ポイントを交換する際の手数料が同社の収益源であるが、本サービスについては単独での業績寄与を追求するよりも、主力サービスを支えるプラットフォームとしての役割を担っており、提携先の拡充やポイントを一元管理できる「ポイント通帳」の普及など、会員の利便性を重視した施策を講じてきた。また、「ポイント利息」付与サービスも、会員獲得(囲い込み)に向けた差別化戦略の一環として見ることができる。
(2)沿革
同社は、代表取締役社長である菊池誠晃(きくちまさあき)氏により、クラウドメディアである「Gendama」の事業展開を目的として2005年7月に設立された。2006年7月にはポイント交換を主目的とした(株)ポイントスタイルを設立(2011年11月に吸収合併)。さらに、2008年12月に作業をこなして貯める、クラウドソーシングサービス「CROWD」を開始し、事業基盤を拡大。2011年4月にはサイバーエージェント<4751>から「ライフマイル」を事業譲受し、買物をしてポイントを貯めるクラウドメディアサービス「ライフマイル」を開始し、現在の事業基盤が整った。
アジア地域における市場調査及びクラウド事業展開をにらみ2011年12月にシンガポール、2012年7月にインドネシアへそれぞれ子会社を設立した。一方、国内では、2014年12月に知的財産に関する総合コンサルティング事業を行うマークアイを子会社化。2015年2月にはインターネット・メディア事業を展開するクックパッド<2193>が同社に資本参加するなど、クラウドソーシングの事業基盤の強化・拡大を狙った動きを加速している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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