サン電子 Research Memo(10):M2M事業、AR事業、クラウドビジネス事業を強化
[16/07/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略
サン電子<6736>の中期的な成長戦略は、情報通信関連分野のグローバル展開によって、成長を加速することである。特に、モバイルデータソリューション事業のリーディングカンパニーとして世界市場の開拓を進めるとともに、新たな成長分野であるM2M事業、AR事業、クラウドビジネス事業の強化を図るため、M&Aを含めて先進的な技術への積極投資を行っていく方針としている。
注力分野に対する成長への取り組みは以下のとおりである。
(1)モバイルデータソリューション事業
MLC向けは、クラウド型のデータ移行サービスが台頭する中で、これまでのデータ移行に対する需要が減退しているものの、故障診断機能(Diagnostics)の導入を主要キャリア向けに推進している。今後は、中古買取りなどを含めた機能充実やCellomat社との連携により利便性を高め、成長を加速させる方針である。
フォレンジック向けは、世界的な需要の拡大に対応することで再び成長軌道に乗せる計画である。特に、独自技術をさらに強化するとともに、インターポールとの提携を始めとしたトレーニングプログラムの充実や新製品・新サービスの開発などにより事業拡大を目指す。
(2)その他(M2M事業、新規事業)
M2M(IoT)事業については、Bacsoft社のIoT(M2M)プラットフォームとの連携によるワンストップサービスの提供のほか、高い品質や提案力により差別化を図ることで、国内での本格導入を推進している。特に、国内においては裾野拡大に対応することにより持続的な成長を目指す方針である。また、Bacsoft社においても世界展開に向けて販売チャネル及びマーケティング強化を図っている。
AR事業については、InfinityAR社の開発プラットフォーム及びLumus社の高性能のディスプレイユニットとの連携により、3社の強みを活かした企業向け現実拡張システム「AceReal」(メガネ型のウエアラブルコンピュータとAR技術を組み合わせたトータルソリューションシステム)の提供に向けて準備を進めている。ハード性能の高さや独自のAR技術、優れたガイダンス性に特長があり、製造業、メンテナンス業、医療、教育などにおけるフィールド作業の効率化やアミューズメント施設のアトラクションでの利用などを予定している。さらには、AR技術を軸として、M2M(メンテナンス業務支援)やエンターテインメント(デジタル情報の現実への展開)など各事業とのシナジー追求により、新たな価値の創出にも取り組む。今期のAR事業は、下期での実証実験開始により試作売上高を見込んでいるが、来期以降の本格的な業績貢献を目指している。
また、VR分野においても、今年10月に発売予定の「PlayStation ®VR」向けコンテンツの開発を進めており、今後は、ゲームコンテンツについても次世代技術を活かす機会が拡大するものと考えられる。
弊社では、一旦後退する格好となったモバイルデータソリューション事業の回復、さらには成長加速に向けた道筋のほか、M2M及びARなど、新たな成長分野における収益源の育成や収益モデルの転換(ストックビジネスへのシフト)にも注目している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<HN>
サン電子<6736>の中期的な成長戦略は、情報通信関連分野のグローバル展開によって、成長を加速することである。特に、モバイルデータソリューション事業のリーディングカンパニーとして世界市場の開拓を進めるとともに、新たな成長分野であるM2M事業、AR事業、クラウドビジネス事業の強化を図るため、M&Aを含めて先進的な技術への積極投資を行っていく方針としている。
注力分野に対する成長への取り組みは以下のとおりである。
(1)モバイルデータソリューション事業
MLC向けは、クラウド型のデータ移行サービスが台頭する中で、これまでのデータ移行に対する需要が減退しているものの、故障診断機能(Diagnostics)の導入を主要キャリア向けに推進している。今後は、中古買取りなどを含めた機能充実やCellomat社との連携により利便性を高め、成長を加速させる方針である。
フォレンジック向けは、世界的な需要の拡大に対応することで再び成長軌道に乗せる計画である。特に、独自技術をさらに強化するとともに、インターポールとの提携を始めとしたトレーニングプログラムの充実や新製品・新サービスの開発などにより事業拡大を目指す。
(2)その他(M2M事業、新規事業)
M2M(IoT)事業については、Bacsoft社のIoT(M2M)プラットフォームとの連携によるワンストップサービスの提供のほか、高い品質や提案力により差別化を図ることで、国内での本格導入を推進している。特に、国内においては裾野拡大に対応することにより持続的な成長を目指す方針である。また、Bacsoft社においても世界展開に向けて販売チャネル及びマーケティング強化を図っている。
AR事業については、InfinityAR社の開発プラットフォーム及びLumus社の高性能のディスプレイユニットとの連携により、3社の強みを活かした企業向け現実拡張システム「AceReal」(メガネ型のウエアラブルコンピュータとAR技術を組み合わせたトータルソリューションシステム)の提供に向けて準備を進めている。ハード性能の高さや独自のAR技術、優れたガイダンス性に特長があり、製造業、メンテナンス業、医療、教育などにおけるフィールド作業の効率化やアミューズメント施設のアトラクションでの利用などを予定している。さらには、AR技術を軸として、M2M(メンテナンス業務支援)やエンターテインメント(デジタル情報の現実への展開)など各事業とのシナジー追求により、新たな価値の創出にも取り組む。今期のAR事業は、下期での実証実験開始により試作売上高を見込んでいるが、来期以降の本格的な業績貢献を目指している。
また、VR分野においても、今年10月に発売予定の「PlayStation ®VR」向けコンテンツの開発を進めており、今後は、ゲームコンテンツについても次世代技術を活かす機会が拡大するものと考えられる。
弊社では、一旦後退する格好となったモバイルデータソリューション事業の回復、さらには成長加速に向けた道筋のほか、M2M及びARなど、新たな成長分野における収益源の育成や収益モデルの転換(ストックビジネスへのシフト)にも注目している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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