EMシステムズ Research Memo(1):介護事業者向けシステム事業の本格参入により医療と介護の連携体制の構築へ
[16/07/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
EMシステムズ<4820>は、調剤薬局を中心とする医療機関向けに、医療事務処理コンピュータシステムを開発・販売するITサービス企業。低い初期費用と月々の利用料支払という料金プランに基づいたストック型ビジネスモデルに業界内でいち早く転換し高い競争力を維持、調剤薬局向けシステムの市場シェアは約30%で業界No.1の地位を不動のものにしている。今年4月に調剤システム事業部、医科システム事業部、医療介護連携事業部及び営業・サービス事業部の4事業部を新設する組織変更を実施。担当するマーケットに合わせた製品・市場戦略を企画・実行し、権限と責任を各々の事業部に持たせることで、医科システム事業の拡大と、今年7月以降の介護事業者向けシステム業界への本格参入と医療(医科・調剤)と介護の連携を推進する体制を整えた。
2016年3月期連結業績は、売上高13,199百万円(前期比17.2%増)、営業利益1,861百万円(同51.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,621百万円(同68.0%増)となり、売上高、すべての利益で過去最高を記録した。これは、1)電子薬歴対応の受注好調に加えて、下期にOEM供給や連結子会社コスモシステムズ(株)の「ぶんぎょうめいと」のリプレースが加速したことなどにより、調剤システムが好調に推移した、2)昨年5月から(株)ブリック薬局が連結子会社となった、3)管理部門も含めて全社レベルでの経費の伸びを抑制できた、などが要因。
同社は2016年3月期決算の発表と同時に新たな中期経営計画(2016年4月〜2019年3月)を1年前倒しで策定、発表した。2018年4月に予定されている介護報酬・診療報酬の同時改定で主力ユーザーである調剤薬局の経営状態が一段と厳しくなり、それにつれてシステム事業者も厳しい状況に置かれることになると予想。同社はこれをビジネスチャンスと捉え、市場シェアのアップとストックビジネスによる収益基盤の更なる盤石化を推進することにより、2019年3月期に売上高14,670百万円、営業利益2,280百万円を達成することを目標として打ち出した。
中期経営計画の初年度である2017年3月期は、OEM供給や「ぶんぎょうめいと」のリプレース、電子薬歴対応受注の好調持続など調剤システムが堅調に推移すると予想されることを前提に、売上高13,900百万円(同5.3%増)、営業利益2,050百万円(同10.1%増)と、増収、2ケタ営業増益を見込む会社計画となっている。弊社では、調剤システムの次世代製品開発について、システムの内容、投資規模など不透明な部分があるものの、2016年4月の調剤報酬改定が調剤薬局にネガティブな内容とならなかったことで、前下期の業績好調が継続する可能性が高いことから、会社計画は保守的であると見ている。一方、今年度から本格参入する介護事業者向けシステムと医療介護連携ソリューションについては、プレマーケティングで良好な手応えがあったうえ、将来的に同社のデータセンタービジネスの中核に発展すると考えられることなどから、その立ち上がり状況について注目している。
■Check Point
・2016年3月期は売上高、すべての利益で過去最高を記録
・2018年4月の介護報酬・診療報酬の同時改定をにらみ、中期経営計画を1年前倒しで策定
・今年8月以降、介護事業者向けシステムと医療介護連携ソリューションの販売を開始予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
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2016年3月期連結業績は、売上高13,199百万円(前期比17.2%増)、営業利益1,861百万円(同51.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,621百万円(同68.0%増)となり、売上高、すべての利益で過去最高を記録した。これは、1)電子薬歴対応の受注好調に加えて、下期にOEM供給や連結子会社コスモシステムズ(株)の「ぶんぎょうめいと」のリプレースが加速したことなどにより、調剤システムが好調に推移した、2)昨年5月から(株)ブリック薬局が連結子会社となった、3)管理部門も含めて全社レベルでの経費の伸びを抑制できた、などが要因。
同社は2016年3月期決算の発表と同時に新たな中期経営計画(2016年4月〜2019年3月)を1年前倒しで策定、発表した。2018年4月に予定されている介護報酬・診療報酬の同時改定で主力ユーザーである調剤薬局の経営状態が一段と厳しくなり、それにつれてシステム事業者も厳しい状況に置かれることになると予想。同社はこれをビジネスチャンスと捉え、市場シェアのアップとストックビジネスによる収益基盤の更なる盤石化を推進することにより、2019年3月期に売上高14,670百万円、営業利益2,280百万円を達成することを目標として打ち出した。
中期経営計画の初年度である2017年3月期は、OEM供給や「ぶんぎょうめいと」のリプレース、電子薬歴対応受注の好調持続など調剤システムが堅調に推移すると予想されることを前提に、売上高13,900百万円(同5.3%増)、営業利益2,050百万円(同10.1%増)と、増収、2ケタ営業増益を見込む会社計画となっている。弊社では、調剤システムの次世代製品開発について、システムの内容、投資規模など不透明な部分があるものの、2016年4月の調剤報酬改定が調剤薬局にネガティブな内容とならなかったことで、前下期の業績好調が継続する可能性が高いことから、会社計画は保守的であると見ている。一方、今年度から本格参入する介護事業者向けシステムと医療介護連携ソリューションについては、プレマーケティングで良好な手応えがあったうえ、将来的に同社のデータセンタービジネスの中核に発展すると考えられることなどから、その立ち上がり状況について注目している。
■Check Point
・2016年3月期は売上高、すべての利益で過去最高を記録
・2018年4月の介護報酬・診療報酬の同時改定をにらみ、中期経営計画を1年前倒しで策定
・今年8月以降、介護事業者向けシステムと医療介護連携ソリューションの販売を開始予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
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