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エイジア Research Memo(6):製品開発強化、WEBCAS ARコンサル強化、クラウドサービス強化が重点施策

注目トピックス 日本株
■エイジア<2352>の今後の見通し

(2) 2017年3月期の重点施策

こうしたなかで、2017年3月期の重点施策として「製品開発の強化」「WEBCAS ARの販売とコンサルティング力の強化」「クラウドサービスの強化」の3つのポイントを挙げている。

○製品開発の強化
前期は新製品・サービスで8本のリリースを行ったが、今期はバージョンアップも含めて10本のリリースを予定している。主なものとしては、戦略製品となるマーケティングオートメーションシステム「WEBCAS AR(Ver.1)」のほか、AI技術を活用したテキストマイニングシステム「WEBCAS Sense Analyzer」、「WEBCAS e-mail」のバージョンアップ及び新APIサービス、クロスチャネル対応製品などが挙げられる。

このうち「WEBCAS Sense Analyzer」は前期に資本業務提携したメタデータ(株)の人工知能技術、自然言語解析技術をベースとしたシステムで、顧客企業のお客様窓口などに寄せられる顧客の声やソーシャルメディア等の書き込みなどに対して、AI技術を使って効果的に分析するシステムとなる。特徴としては、7段階のネガポジ判定やポジショニングマップの自動生成、意味分類の機械学習、類似ランキング機能などを搭載する。6月1日の販売開始を予定している。

また、「WEBCAS e-mail for AWS」の販売を4月から開始している。ここ最近は企業がAWS等のクラウドサービスを使って、自社サービスを運用するケースが増えており、AWS上でも同社の「e-mail」サービスを利用できるようにした。「WEBCAS e-mail」のバージョンアップに関しては、分析機能を拡張し使い勝手を向上させている。新APIサービスは、「WEBCAS e-mail」のOEM版で、利用できる機能を従前よりも増やしていく。「WEBCAS e-mail」のうち、APIサービスの占める比率を今後高めていくことが狙いとなっている。利益率は直販と変わらないため、APIサービスの機能を向上させることで、売上高を伸ばしていく戦略だ。いずれも2016年10月以降に提供していく予定となっている。

○WEBCAS ARの販売とコンサルティング力の強化
第2の重点施策としては、「WEBCAS AR(Ver.1)」の販売及びコンサルティング体制を強化し、契約実績を積み重ねていくことを挙げている。2015年9月に製品発表を行い、各種セミナーなどでプロモーション活動を行ってきた。当初の発売時期は2016年3月を予定していたが、機能を追加したことや安全性テストを実施したこともあり、販売開始時期は6月27日と3ヶ月ほど遅れた格好となる。ただ、見込み顧客件数は3月末時点で当初想定を1.5倍上回るほどの反響で、手応えは十分あると言う。先行する外資系企業のサービスと比較して使い勝手が良いこと、また、今後の機能拡張版において業界では初となるAI技術を搭載する予定となっていることも、差別化要因になっていると見られる。同社ではこうした見込み顧客を確実に成約に結び付けるため、社内の人材教育を前期から進めているほか、2016年1月にはダイレクトマーケティング分野のコンサルティングサービスで実績のあるフュージョン(株)と業務提携した。同製品の効果的な活用方法は顧客ごとに異なるため、顧客を開拓していくに当たっては、コンサルティング力が今まで以上に重要になるとの考えからだ。

既に5月中旬までで数社の見込み案件があるが、いずれも同社にとっての新規顧客となる。主には健康食品や化粧品関連の大手通販ECとなる。通販企業は新製品の企画から顧客の集客、販売、アフターフォローまでのPDCAサイクルがある程度パターン化しているため導入も進みやすい。同社では今期中に「WEBCAS AR」の簡易版及び機能拡張版を開発し、2018年3月期以降の販売を加速化していく計画となっている。

このうち注目されるのは機能拡張版で、コミュニケーションチャネルをe-mailだけでなく、SMSやDMなど複数のチャネルから最適なものを選べるようになるほか、AI技術を使ってより効果的な広告配信を実現できるようにする。具体的には、メタデータが開発したマッチングエンジン「xTech(エックステック)」を使って、WEBCAS Sense Analyzerを使って分析し、同商品を好む会員属性(年齢や嗜好など)を高精度・高スピードでマッチングさせ、広告を最適なチャネルで配信していく格好となる。従来よりも費用対効果の高い販促施策を実現することが可能となる。

AI技術を搭載したマーケティングオートメーションツールは業界でも初となるだけに注目度も高い。同社は国内の総合通販企業上位5社中、4社を顧客としており、これら顧客企業も今後「WEBCAS AR」を導入していく可能性が高いと弊社で見ている。その他にもECやO2Oを展開する企業も顧客対象となり、潜在的な成長ポテンシャルは大きい。売上計画としては、2017年3月期に30百万円、2018年3月期125百万円、2019年3月期310百万円となっており、今後の業績をけん引する製品として注目される。

○クラウドサービスの強化
第3の重点施策として、引き続き収益性の高いクラウドサービスの強化に取り組んでいく。新製品、サービスの積極投入や新規有効リードの獲得強化といった前期からの施策を継続していくことに加えて、受注率改善施策やAWSパートナープログラムを利用した売上拡大を進めていく。こうした施策によって、2017年3月期のクラウドサービスの売上高は前期比26.3%増の832百万円を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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