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ダイコク電 Research Memo(6):16/3期は業界における自主規制の影響により減収減益で着地

注目トピックス 日本株
■決算動向

(2) 2016年3月期決算の概要

ダイコク電機<6430>の2016年3月期の業績は、売上高が前期比13.0%減の47,004百万円、営業損失が894百万円(前期は1,425百万円の利益)、経常損失が749百万円(同1,566百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が1,676百万円(同874百万円の利益)と大幅な減収減益となり、営業損失に転落した。また、減額修正後の業績予想(2015年10月26日付)に対しても、売上高、各利益ともにさらに下回る着地となった。

自主規制の追加等の影響により厳しい市場環境が続くなかで、情報システム事業及び制御システム事業がともに低調に推移した。情報システム事業では、自主規制の追加等の影響によりパチンコホールの投資意欲が冷え込んだことが計画を下回る要因となった。一方、制御システム事業についても、厳しい市場環境を背景として、主力の表示ユニットが販売機種数及び販売台数の減少などにより大きく落ち込んだ。また、自社開発パチスロ遊技機でも期初時点で販売を計画していた4機種のうち3機種が、自主規制の影響による仕様変更等により翌期(2017年3月期)にずれ込んだことが業績の足を大きく引っ張った。

損益面でも、売上高の落ち込みが利益を下押しする中で、次世代ホールコンピュータ等への研究開発費は想定の範囲内であったものの、自社開発パチスロ遊技機の期ずれに伴う専用部材等の評価替えが営業損失に陥った原因である。

財務面では、自己資本が純損失の計上などにより前期末比8.9%減の29,291百万円に縮小した一方、総資産も減収に伴う売上債権や現預金の減少のほか、回収可能性の見直しによる繰延税金資産の減少などにより同11.9%減の47,139百万円に縮小したことから、自己資本比率は62.1%(前期末は60.0%)に上昇した。

事業別の業績は以下のとおりである。

a)情報システム事業の業績は、売上高が前期比8.2%減の34,076百万円、セグメント利益が同46.4%減の2,277百万円と減収減益となった。前期(2015年3月期)までの新製品効果(CRユニット等)による伸びが一巡した周辺機器の販売減は想定の範囲内であったものの、下期からの自主規制の追加等の影響を受けたパチンコホールの投資意欲の冷え込みにより、ホールコンピュータの入替需要が伸び悩んだことから計画を下回る減収となった。ホールコンピュータの販売台数は前期比18台減の113台(期初計画は150台)にとどまった。一方、サービス売上は拡大しており、そのうち同社が安定収益源として推進しているMGサービスの売上高も同13.4%増の3,832百万円と順調に伸びており、ストック型の収益構造への転換には進展がみられる。

損益面では、売上高が計画を下回る減収となる中で、次世代ホールコンピュータ向けの研究開発費を計画どおりに投下したことからセグメント利益も計画を大きく下回る減益となった。

b)制御システム事業の業績も、売上高が前期比23.4%減の12,986百万円、セグメント損失が1,319百万円(前期は1,105百万円の損失)と大幅な減収及び損失幅が拡大した。厳しい市場環境を背景として、販売機種数が13機種(前期は14機種)、販売台数が124,770台(前期比49.6%減)に減少したことから、主力のパチンコ遊技台向けの表示ユニット等が大きく落ち込んだ。リユース品比率※の上昇も減収要因となったようだ。一方、自社開発パチスロ遊技台についても期初時点では4機種(30,000台)の販売を計画していたが、自主規制の影響による仕様変更等により3機種が翌期(2017年3月期)にずれ込んだことから、1機種(5,100台)の販売台数にとどまった。

※遊技機メーカーによるリユース品比率(中古品の再利用率)が上昇すると同社にとっては販売単価の低下につながる

また、損益面でも、減収による利益の下押しに加えて、パチスロ遊技機の期ずれに伴う専用部材等の評価替えにより損失幅が拡大した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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