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リプロセル Research Memo(1):中計を発表、19/3期連結売上高2,661百万円、営業利益1百万円を目指す

注目トピックス 日本株
リプロセル<4978>は2003年に設立されたバイオベンチャーで、ヒトiPS細胞向けを中心とした研究試薬の製造販売を行っている。2013年にJASDAQに株式を上場して以降、欧米のバイオベンチャーを相次いで子会社化、現在はヒトiPS細胞に関わる研究試薬の販売から細胞製品の作製、創薬支援サービスに至るまでワンストップで商品・サービスをグローバルに提供できる体制を構築。再生医療分野における世界トップ企業を目指している。

同社は2016年5月に3ヶ年の中期経営計画を発表した。最終年度となる2019年3月期に連結売上高2,661百万円、営業利益で1百万円と創業来初の黒字化を目指していく。売上高は2016年3月期実績に対して約2.5倍となる見通しだ。ヒトiPS細胞を使った研究開発が活発化するなかで、研究試薬の安定成長が見込まれるほか、細胞製品の販売や創薬支援サービスの売上高を大きく伸ばしていく考えだ。再生医療分野に関しては、試薬品の販売や創薬支援サービスを展開していくなかで、事業化に向けたノウハウを蓄積する準備期間と位置付けており、2020年以降の事業化を視野に入れている。

グループのシナジーを高めるため、2016年に欧米子会社4社の再編を実施していく。英国のReinnervateとBioptaを7月に合併したほか、米国のStemgentとBioServeも9月に合併する予定となっている。各子会社を統合することで、営業と開発体制の強化を図るほか、間接部門のコスト削減も同時に進めていく。なお、アジア地域に関しては、2016年4月に島津製作所<7701>の子会社と中国市場での販売について業務提携を締結しており、今後の売上増加が期待される。

2017年3月期の連結業績は、売上高で前期比22.4%増の1,305百万円、営業損失で898百万円(前期は1,024百万円の損失)を見込む。売上高は合併会社であるReproCELL Europeの業績がフル寄与することもあり2ケタ増収となる。また、営業損失は増収効果や海外子会社再編に伴うコスト削減効果により、前期より縮小する見通しだ。なお、為替の前提レートは1ドル=110円、1ポンド=170円としており、現状の為替水準が続けば、売上高の7割強を占める海外売上高が目減りすることになるが、同時に海外子会社の営業損失も目減りする可能性がある。

■Check Point
・再生医療分野でのグローバル展開に向けた事業基盤を固める
・ヒトiPS細胞用の培養液では国内シェア50%以上を占める
・海外子会社の業績が通年で寄与したことにより、売上高と売上総利益は大幅増

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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