GセブンHD Research Memo(5):17/3期は連続で過去最高業績を更新する見通し
[16/08/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
(1)G-7ホールディングス<7508>の 2017年3月期業績見通し
足元の業績では、7月29日付けで発表された2017年3月期第1四半期(2016年4-6月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.0%増の26,124百万円、営業利益が同6.3%増の648百万円、経常利益が同3.6%増の679百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同40.1%減の361百万円となった。政府による消費増税の延期もあったが、業種・業態の垣根を越えた企業間競争は激化している。そのなかで、同社は売上確保、粗利率アップ、在庫コントロール、経費コントロールのグループ方針のもとに、人づくり、組織づくりの再構築を図り、国内外の事業基盤の構築へ向けて経営体制の強化に取り組んでいる。
2017年3月期の連結業績は、売上高が前期比10.7%増の115,000百万円、営業利益が同22.2%増の3,700百万円、経常利益が同24.2%増の4,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.5%増の2,100百万円と連続で過去最高業績を更新する見通しだ。引き続き「オートバックス」「業務スーパー」を中心とした小売店舗数の増加や、店舗当たり収益力の強化に取り組むことで、増収増益を目指していく。事業別の見通しは以下のとおり。
○オートバックス・車関連事業
2017年3月期のオートバックス・車関連事業は増収増益を見込んでいる。主力の(株)G-7・オート・サービスの売上高は前期比13.0%増の35,000百万円を目指していく。既存店の売上高を伸ばしていくほか、新規出店数をM&A含めて15店舗程度に増やす計画だ。主に「オートバックスエクスプレス」や「オートバックスカーズ」の店舗を増やしていくほか、車検や鈑金などサービス部門も引き続き強化していく方針だ。グループのフランチャイジーの中では最も収益力が高いだけに、M&Aを行う機会は十分あると言える。その他、今期は新たな取り組みとして、車関連以外の商材・サービスも手掛けていく予定となっている。
利益面では新規出店に伴う経費増があるものの、既存店舗の収益力強化によって増益を見込んでいる。「経費削減、1人当たり生産性向上、適正在庫」の実践を継続していくほか、G-7モールフェスティバル等のイベント開催による売上拡大や、高付加価値サービス(鈑金・塗装、車検サービスなど)の売上構成比(現状24%)を引き上げていくことで、収益性の向上を図っていく。
一方、(株)G-7バイクワールドについても出店数を拡大していくほか、店舗運営などのマネジメント手法を見直すことで収益力を強化し、増収増益を見込んでいる。また、海外店舗についてはマレーシア、タイのほか、他の東南アジア地域での出店を視野に入れている。
○業務スーパー・こだわり食品事業
業務スーパー・こだわり食品事業は増収増益が続く見通しだ。このうち、業務スーパー事業を手掛ける(株)G-7スーパーマートの売上高は、前期比5.6%増の55,000百万円を見込む。新規出店数は10店舗(うち、リニューアル移転5店舗)を計画しており、前期末比で5店舗増の125店舗となる見通しだ。首都圏を中心に同社がターゲットとするエリアでの出店競争が激しく、好条件の不動産物件が探しにくくなっているため、今期は老朽化した店舗のリニューアルを中心に出店戦略を進めていく計画となっている。前期に引き続き出店店舗では「テラバヤシ」や「めぐみの郷」をテナントとして同時出店し、集客力を高めながら各事業の収益力をアップしていく方針となっている。
また、(株)G-7ミートテラバヤシの売上高は通年で寄与することから、今期は10,000百万円程度の売上高が見込まれる。引き続き「業務スーパー」のテナントとして出店していくほか、他の商業施設内にも出店も進めていく予定となっている。(株)G7ジャパンフードサービスについては、前期同様2ケタ増収増益を見込む。引き続きこだわり食品の発掘と販売先の開拓による収益拡大を見込んでいる。また、食材の海外売上高も徐々に増加していく見通しだ。
○その他事業
その他事業に関しては増収が続き、営業損益は黒字転化が見込まれる。「めぐみの郷」に関しては仕入販売システムの最適化による損益改善と、「業務スーパー」へのテナント出店や集客力の高い商業施設への出店を行い、店舗当たり収益力を高めていくことで黒字転化を見込んでいる。一方、海外のアグリ事業や飲食店事業に関しては、先行投資負担が続くためまだ赤字が続く見通しだが、売上増によって赤字幅は徐々に縮小する見通しだ。
なお、2016年4月にシンガポールで現地企業との合弁によりオープンした「業務スーパー」「めぐみの郷」については、順調な滑り出しを見せている。出店場所はシンガポール西部ジュロンイースト地区で、シンガポール最大級のウエアハウスストア※「BIG BOX」内であり、購買層は現地の日本人が中心となっている。国内から食材を輸出するため、当初は輸入手続きなどの面で時間が掛かるなど問題が生じたが、今後はスムーズに食材の供給も進むものと予想される。同社では今回の店舗で収益モデルが確立できれば、独資により周辺国も含めて多店舗展開を進めていく予定となっており、今後の展開が注目される。ただ、食材の輸出に関しては国ごとに規制が異なっており、手続きも煩雑なことから、時間をかけて事業を拡大していくことになるだろう。
※大型の倉庫などを利用し、商品をセルフサービスにより低価格、短時間で購入できるようにした小売業態
(2)中期経営計画について
同社は、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を新たに策定した。最終年度の業績目標値としては、連結売上高で1,700億円、経常利益で70億円となる。2016年3月期実績からは、売上高で約6割増、経常利益で約2倍に拡大する格好となる。すべての事業を拡大していく方針だが、なかでもオートバックス事業((株)G-7・オート・サービス)で2016年3月期比約2倍増の600億円と大幅伸長を見込んでおり、今後の成長ドライバーとなる。年平均成長率で14%成長となる計算だが、M&Aも含めた国内での店舗数拡大に加えて、新規商材・サービスの拡充に取り組むことで、目標を達成していく考えだ。
また、業務スーパー事業((株)G-7スーパーマート)については、2016年3月期比25%増の650億円を目標としている。年平均成長率で見ると5%増ペースとなるため、年間5〜10店ペースで店舗数を拡大していけば、十分達成可能な目標と言える。バイクワールド、精肉、アグリ事業なども店舗数の拡大によってそれぞれ目標を達成していくことになる。
海外事業については2016年3月期実績の数億円規模から、2021年3月期に100億円と急拡大を見込んでいる。100億円の内訳としては海外でのオートバックス、バイクワールド事業で約5割、外食・食品・アグリ事業で約5割の構成となる。このため今後も東南アジア各国を中心に積極的な店舗展開を進めていく方針で、当面は先行投資負担が続くことになる。ただ、これらの国では潜在的な経済成長率が高く、収益モデルが確立できれば将来的に同社の主力事業として、業績をけん引していくものと期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(1)G-7ホールディングス<7508>の 2017年3月期業績見通し
足元の業績では、7月29日付けで発表された2017年3月期第1四半期(2016年4-6月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.0%増の26,124百万円、営業利益が同6.3%増の648百万円、経常利益が同3.6%増の679百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同40.1%減の361百万円となった。政府による消費増税の延期もあったが、業種・業態の垣根を越えた企業間競争は激化している。そのなかで、同社は売上確保、粗利率アップ、在庫コントロール、経費コントロールのグループ方針のもとに、人づくり、組織づくりの再構築を図り、国内外の事業基盤の構築へ向けて経営体制の強化に取り組んでいる。
2017年3月期の連結業績は、売上高が前期比10.7%増の115,000百万円、営業利益が同22.2%増の3,700百万円、経常利益が同24.2%増の4,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.5%増の2,100百万円と連続で過去最高業績を更新する見通しだ。引き続き「オートバックス」「業務スーパー」を中心とした小売店舗数の増加や、店舗当たり収益力の強化に取り組むことで、増収増益を目指していく。事業別の見通しは以下のとおり。
○オートバックス・車関連事業
2017年3月期のオートバックス・車関連事業は増収増益を見込んでいる。主力の(株)G-7・オート・サービスの売上高は前期比13.0%増の35,000百万円を目指していく。既存店の売上高を伸ばしていくほか、新規出店数をM&A含めて15店舗程度に増やす計画だ。主に「オートバックスエクスプレス」や「オートバックスカーズ」の店舗を増やしていくほか、車検や鈑金などサービス部門も引き続き強化していく方針だ。グループのフランチャイジーの中では最も収益力が高いだけに、M&Aを行う機会は十分あると言える。その他、今期は新たな取り組みとして、車関連以外の商材・サービスも手掛けていく予定となっている。
利益面では新規出店に伴う経費増があるものの、既存店舗の収益力強化によって増益を見込んでいる。「経費削減、1人当たり生産性向上、適正在庫」の実践を継続していくほか、G-7モールフェスティバル等のイベント開催による売上拡大や、高付加価値サービス(鈑金・塗装、車検サービスなど)の売上構成比(現状24%)を引き上げていくことで、収益性の向上を図っていく。
一方、(株)G-7バイクワールドについても出店数を拡大していくほか、店舗運営などのマネジメント手法を見直すことで収益力を強化し、増収増益を見込んでいる。また、海外店舗についてはマレーシア、タイのほか、他の東南アジア地域での出店を視野に入れている。
○業務スーパー・こだわり食品事業
業務スーパー・こだわり食品事業は増収増益が続く見通しだ。このうち、業務スーパー事業を手掛ける(株)G-7スーパーマートの売上高は、前期比5.6%増の55,000百万円を見込む。新規出店数は10店舗(うち、リニューアル移転5店舗)を計画しており、前期末比で5店舗増の125店舗となる見通しだ。首都圏を中心に同社がターゲットとするエリアでの出店競争が激しく、好条件の不動産物件が探しにくくなっているため、今期は老朽化した店舗のリニューアルを中心に出店戦略を進めていく計画となっている。前期に引き続き出店店舗では「テラバヤシ」や「めぐみの郷」をテナントとして同時出店し、集客力を高めながら各事業の収益力をアップしていく方針となっている。
また、(株)G-7ミートテラバヤシの売上高は通年で寄与することから、今期は10,000百万円程度の売上高が見込まれる。引き続き「業務スーパー」のテナントとして出店していくほか、他の商業施設内にも出店も進めていく予定となっている。(株)G7ジャパンフードサービスについては、前期同様2ケタ増収増益を見込む。引き続きこだわり食品の発掘と販売先の開拓による収益拡大を見込んでいる。また、食材の海外売上高も徐々に増加していく見通しだ。
○その他事業
その他事業に関しては増収が続き、営業損益は黒字転化が見込まれる。「めぐみの郷」に関しては仕入販売システムの最適化による損益改善と、「業務スーパー」へのテナント出店や集客力の高い商業施設への出店を行い、店舗当たり収益力を高めていくことで黒字転化を見込んでいる。一方、海外のアグリ事業や飲食店事業に関しては、先行投資負担が続くためまだ赤字が続く見通しだが、売上増によって赤字幅は徐々に縮小する見通しだ。
なお、2016年4月にシンガポールで現地企業との合弁によりオープンした「業務スーパー」「めぐみの郷」については、順調な滑り出しを見せている。出店場所はシンガポール西部ジュロンイースト地区で、シンガポール最大級のウエアハウスストア※「BIG BOX」内であり、購買層は現地の日本人が中心となっている。国内から食材を輸出するため、当初は輸入手続きなどの面で時間が掛かるなど問題が生じたが、今後はスムーズに食材の供給も進むものと予想される。同社では今回の店舗で収益モデルが確立できれば、独資により周辺国も含めて多店舗展開を進めていく予定となっており、今後の展開が注目される。ただ、食材の輸出に関しては国ごとに規制が異なっており、手続きも煩雑なことから、時間をかけて事業を拡大していくことになるだろう。
※大型の倉庫などを利用し、商品をセルフサービスにより低価格、短時間で購入できるようにした小売業態
(2)中期経営計画について
同社は、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を新たに策定した。最終年度の業績目標値としては、連結売上高で1,700億円、経常利益で70億円となる。2016年3月期実績からは、売上高で約6割増、経常利益で約2倍に拡大する格好となる。すべての事業を拡大していく方針だが、なかでもオートバックス事業((株)G-7・オート・サービス)で2016年3月期比約2倍増の600億円と大幅伸長を見込んでおり、今後の成長ドライバーとなる。年平均成長率で14%成長となる計算だが、M&Aも含めた国内での店舗数拡大に加えて、新規商材・サービスの拡充に取り組むことで、目標を達成していく考えだ。
また、業務スーパー事業((株)G-7スーパーマート)については、2016年3月期比25%増の650億円を目標としている。年平均成長率で見ると5%増ペースとなるため、年間5〜10店ペースで店舗数を拡大していけば、十分達成可能な目標と言える。バイクワールド、精肉、アグリ事業なども店舗数の拡大によってそれぞれ目標を達成していくことになる。
海外事業については2016年3月期実績の数億円規模から、2021年3月期に100億円と急拡大を見込んでいる。100億円の内訳としては海外でのオートバックス、バイクワールド事業で約5割、外食・食品・アグリ事業で約5割の構成となる。このため今後も東南アジア各国を中心に積極的な店舗展開を進めていく方針で、当面は先行投資負担が続くことになる。ただ、これらの国では潜在的な経済成長率が高く、収益モデルが確立できれば将来的に同社の主力事業として、業績をけん引していくものと期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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