タマホーム Research Memo(6):2017年5月期は増収増益を見込む、足元の受注も好調を持続
[16/08/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
(1) 2017年5月期の連結業績見通し
タマホーム<1419>の2017年5月期の連結業績は、売上高が前期比14.8%増の158,800百万円、営業利益が同77.4%増の3,200百万円、経常利益が同136.1%増の2,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が500百万円(前期は446百万円の損失)と3期ぶりの増収、4期ぶりの増益に転じる見通しだ。主力の注文住宅の販売棟数が受注回復により前期比13.6%増の7,311棟と増加に転じることが主因だ。足元の月次受注動向を見ても、6月は前年同月比で55%増となり、7月も好調を持続した模様で、順調な滑り出しとなっている。事業セグメント別の見通しは以下のとおり。
○住宅事業
住宅事業の売上高は前期比12.4%増の131,300百万円、営業利益は増収効果によって同117.4%増の1,600百万円となる見通し。注文住宅の受注棟数は環境性能等グレードアップした魅力ある商品の開発や販売体制の強化により、前期比4.3%増の7,956棟と2期連続の増加、販売棟数は同13.6%増の7,311棟と3期ぶりの増加を見込んでいる。
前期からスタートしたベーシックライン(低価格帯規格商品)のレギュラー商品化に加えて、今期はハイライン(中高価格帯住宅)の商品化に取り組んでいく予定となっている。2016年4月に設立した子会社、(株)日本の森と家で9月以降に体験型宿泊施設を開設予定。首都圏、名古屋、仙台に順次、専用店舗を開設していく計画で、販売価格は3,000〜4,000万円となる。「森と都市の循環を促す住宅商品」をコンセプトに、通常の在来軸組工法よりも3〜4倍の木材(国産)を使用する板倉工法による商品開発を進めている。
ターゲットとなる顧客層は比較的年収の高いプレミアム消費者層や環境意識の高い消費者層となるため、マーケティング手法も従来のようにテレビCMなどを使った広告手法とは異なり、体験宿泊により板倉工法の良さ(木の香り等)を実際に体験してもらって、SNSなどを通じてユーザーに拡散してもらうような手法を考えている。まずは、鎌倉に板倉工法による体験宿泊施設を開設する予定となっている。今期については販売開始初年度となるため業績計画には織り込んでいないが、2018年5月期には500棟の販売を目標としている。
また、前期から営業活動を再開したリフォーム事業については、売上高で前期比2倍増の26億円程度となり、その後も高成長が見込まれる。同社が販売した注文住宅のうちリフォームの対象となる築10年以上の物件が2016年5月末時点で1万棟を超え、その後も急速に増加していくためだ。これら顧客のリフォーム需要を取り込むだけでも、リフォーム事業の成長ポテンシャルは大きいと言える。
○不動産事業
不動産事業の売上高は前期比38.8%増の19,100百万円、営業利益は同71.7%増の1,200百万円となる見通し。戸建分譲の販売棟数が前期比17.9%増の409棟と2ケタ伸長が続くほか、2017年4月の消費増税を見越して仕入れていた分譲用地の売却なども見込んでいる。また、2016年1月より開始した不動産仲介事業については、第1号店となる「タマショップ新宿」を軌道に乗せてから、店舗を増やしていく計画となっており、今期は事業基盤の体制を整える一年と位置付けている。
○金融事業
金融事業の売上高は前期比30.0%減の800百万円、営業利益は同62.4%減の200百万円と減収減益を見込んでいる。火災保険の契約期間短縮による手数料単価低下の影響が今期は年間を通じて効いてくることが減収減益要因となる。
○エネルギー・飲食・その他事業
エネルギー・飲食・その他事業の合計売上高は前期比14.1%増の7,600百万円、営業利益は増収効果で200百万円(前期は199百万円の損失)と黒字転換する見通しだ。
住宅事業の回復により住宅周辺事業(家具販売、つなぎ融資サービス、地盤改良サービス等)の収益回復が見込まれるほか、ホテル事業や飲食事業の売上高が年間で寄与することが増収要因となる。また、エネルギー事業については発電能力が変わらないため、前期並みの収益水準となることが予想される。
なお、ハワイの不動産開発事業に関しては現地で開発予定であった高層コンドミニアム(39階建て)について、建物の容積率・建ぺい率などが緩和されることになったため、現在、建設計画の見直しに入っている。39階建てというのは変わらないが、販売戸数が従来の100戸から300-400戸に増える可能性がある。また、インドの合弁事業(戸建請負建設事業)については、人材の採用など課題がまだ多く、事業化までに1〜2年程度かかることが予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(1) 2017年5月期の連結業績見通し
タマホーム<1419>の2017年5月期の連結業績は、売上高が前期比14.8%増の158,800百万円、営業利益が同77.4%増の3,200百万円、経常利益が同136.1%増の2,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が500百万円(前期は446百万円の損失)と3期ぶりの増収、4期ぶりの増益に転じる見通しだ。主力の注文住宅の販売棟数が受注回復により前期比13.6%増の7,311棟と増加に転じることが主因だ。足元の月次受注動向を見ても、6月は前年同月比で55%増となり、7月も好調を持続した模様で、順調な滑り出しとなっている。事業セグメント別の見通しは以下のとおり。
○住宅事業
住宅事業の売上高は前期比12.4%増の131,300百万円、営業利益は増収効果によって同117.4%増の1,600百万円となる見通し。注文住宅の受注棟数は環境性能等グレードアップした魅力ある商品の開発や販売体制の強化により、前期比4.3%増の7,956棟と2期連続の増加、販売棟数は同13.6%増の7,311棟と3期ぶりの増加を見込んでいる。
前期からスタートしたベーシックライン(低価格帯規格商品)のレギュラー商品化に加えて、今期はハイライン(中高価格帯住宅)の商品化に取り組んでいく予定となっている。2016年4月に設立した子会社、(株)日本の森と家で9月以降に体験型宿泊施設を開設予定。首都圏、名古屋、仙台に順次、専用店舗を開設していく計画で、販売価格は3,000〜4,000万円となる。「森と都市の循環を促す住宅商品」をコンセプトに、通常の在来軸組工法よりも3〜4倍の木材(国産)を使用する板倉工法による商品開発を進めている。
ターゲットとなる顧客層は比較的年収の高いプレミアム消費者層や環境意識の高い消費者層となるため、マーケティング手法も従来のようにテレビCMなどを使った広告手法とは異なり、体験宿泊により板倉工法の良さ(木の香り等)を実際に体験してもらって、SNSなどを通じてユーザーに拡散してもらうような手法を考えている。まずは、鎌倉に板倉工法による体験宿泊施設を開設する予定となっている。今期については販売開始初年度となるため業績計画には織り込んでいないが、2018年5月期には500棟の販売を目標としている。
また、前期から営業活動を再開したリフォーム事業については、売上高で前期比2倍増の26億円程度となり、その後も高成長が見込まれる。同社が販売した注文住宅のうちリフォームの対象となる築10年以上の物件が2016年5月末時点で1万棟を超え、その後も急速に増加していくためだ。これら顧客のリフォーム需要を取り込むだけでも、リフォーム事業の成長ポテンシャルは大きいと言える。
○不動産事業
不動産事業の売上高は前期比38.8%増の19,100百万円、営業利益は同71.7%増の1,200百万円となる見通し。戸建分譲の販売棟数が前期比17.9%増の409棟と2ケタ伸長が続くほか、2017年4月の消費増税を見越して仕入れていた分譲用地の売却なども見込んでいる。また、2016年1月より開始した不動産仲介事業については、第1号店となる「タマショップ新宿」を軌道に乗せてから、店舗を増やしていく計画となっており、今期は事業基盤の体制を整える一年と位置付けている。
○金融事業
金融事業の売上高は前期比30.0%減の800百万円、営業利益は同62.4%減の200百万円と減収減益を見込んでいる。火災保険の契約期間短縮による手数料単価低下の影響が今期は年間を通じて効いてくることが減収減益要因となる。
○エネルギー・飲食・その他事業
エネルギー・飲食・その他事業の合計売上高は前期比14.1%増の7,600百万円、営業利益は増収効果で200百万円(前期は199百万円の損失)と黒字転換する見通しだ。
住宅事業の回復により住宅周辺事業(家具販売、つなぎ融資サービス、地盤改良サービス等)の収益回復が見込まれるほか、ホテル事業や飲食事業の売上高が年間で寄与することが増収要因となる。また、エネルギー事業については発電能力が変わらないため、前期並みの収益水準となることが予想される。
なお、ハワイの不動産開発事業に関しては現地で開発予定であった高層コンドミニアム(39階建て)について、建物の容積率・建ぺい率などが緩和されることになったため、現在、建設計画の見直しに入っている。39階建てというのは変わらないが、販売戸数が従来の100戸から300-400戸に増える可能性がある。また、インドの合弁事業(戸建請負建設事業)については、人材の採用など課題がまだ多く、事業化までに1〜2年程度かかることが予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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