ナガイレーベ Research Memo(4):ずれ込んでいた大型の更新需要を確実に取り込み増収
[16/08/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(1) 2016年8月期第3四半期の連結業績概要
a)損益状況
ナガイレーベン<7447>の2016年8月期第3四半期(2015年9月−2016年5月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.8%増の12,879百万円、営業利益が同1.5%増の3,896百万円、経常利益が同5.1%減の3,896百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同0.6%減の2,563百万円となった。なお、第3四半期の予想は発表していない。
売上高は前年同期比で2.8%増となり、ずれ込んでいた大型の更新需要を確実に取り込んだこと、また新規案件も順調に獲得できたことなどから前年同期比で増収となった。市場動向として2016年春からの診療報酬や薬価改訂の影響が懸念されたが、診療報酬本体は+0.49%であったことから、特に大きな影響は見られず市場環境、業界環境は概ね安定していたと言える。
売上総利益率は46.6%(前年同期46.7%)となり、ほぼ前年同期並みとなった。第2四半期までの売上総利益率は45.8%(同46.6%)であったが、海外生産の比率が上昇したこと、為替が円高に振れてきたこと、製品構成比の変化などにより、原材料や加工賃のアップを吸収して売上総利益率は改善した。一方で販管費は同4.7%増の2,109百万円であったが、当初から見込んでいた100周年記念関連費用の増加等があったことによるもので、ほぼ期初計画どおりとなった。この結果、営業利益は前年同期比では1.5%増となった。
一方、経常利益は前年同期比5.1%減となったが、これは主に営業外収益での為替差損益の影響によるもので当初から予想されたことだ。売上原価での円安の影響をヘッジするために保有しているドル預金から発生した為替差益が前年同期は237百万円であったが、この第3四半期は40百万円の差損となったことなどから、営業外収益は前年同期比で244百万円減少した。特別損益では特に大きな変動や想定外のものは発生しなかったが、税率低下の影響により法人税等調整額が増加し親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比0.6%減の2,563百万円にとどまった。経常利益以下は前年同期比で減益ではあるが、期初予想比ではプラスとなっており懸念される結果ではなかったと言えるだろう。
アイテム別の売上高は、ヘルスケアウェアが前年同期比3.0%増の7,533百万円、ドクターウェアが同2.8%増の2,154百万円、ユーティリティウェアが同8.5%減の480百万円、患者ウェアが同12.1%増の1,199百万円、手術ウェアが同0.2%増の1,139百万円、シューズが同3.8%減の161百万円、その他が同1.6%減の211百万円となった。
主力のヘルスケアウェアは第1四半期に一部で更新需要の切り替えや売上計上のずれなどがあったことから前年同期比で16.1%減と大幅なダウンであったが、第2四半期以降に遅れ案件を取り戻し、計画していた更新需要も着実に獲得できたことから前年同期比で3.0%増と回復した。ドクターウェアもヘルスウェアと同様の傾向で、第1四半期の減収分を新商品群の健闘などもあって第2四半期以降で取り戻し、前年同期比でプラスとなった。
手術ウェアはほぼ前年同期並みであったが、一方で患者ウェアは新商品群の貢献などもあり前年同期比12.1%増と2桁の伸びとなったことは注目に値する。ユーティリティウェアは元々減少傾向であったことから驚くような結果ではない。シューズやその他商品もマイナスとなったが、金額が少ないため全体への影響は小さい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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(1) 2016年8月期第3四半期の連結業績概要
a)損益状況
ナガイレーベン<7447>の2016年8月期第3四半期(2015年9月−2016年5月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.8%増の12,879百万円、営業利益が同1.5%増の3,896百万円、経常利益が同5.1%減の3,896百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同0.6%減の2,563百万円となった。なお、第3四半期の予想は発表していない。
売上高は前年同期比で2.8%増となり、ずれ込んでいた大型の更新需要を確実に取り込んだこと、また新規案件も順調に獲得できたことなどから前年同期比で増収となった。市場動向として2016年春からの診療報酬や薬価改訂の影響が懸念されたが、診療報酬本体は+0.49%であったことから、特に大きな影響は見られず市場環境、業界環境は概ね安定していたと言える。
売上総利益率は46.6%(前年同期46.7%)となり、ほぼ前年同期並みとなった。第2四半期までの売上総利益率は45.8%(同46.6%)であったが、海外生産の比率が上昇したこと、為替が円高に振れてきたこと、製品構成比の変化などにより、原材料や加工賃のアップを吸収して売上総利益率は改善した。一方で販管費は同4.7%増の2,109百万円であったが、当初から見込んでいた100周年記念関連費用の増加等があったことによるもので、ほぼ期初計画どおりとなった。この結果、営業利益は前年同期比では1.5%増となった。
一方、経常利益は前年同期比5.1%減となったが、これは主に営業外収益での為替差損益の影響によるもので当初から予想されたことだ。売上原価での円安の影響をヘッジするために保有しているドル預金から発生した為替差益が前年同期は237百万円であったが、この第3四半期は40百万円の差損となったことなどから、営業外収益は前年同期比で244百万円減少した。特別損益では特に大きな変動や想定外のものは発生しなかったが、税率低下の影響により法人税等調整額が増加し親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比0.6%減の2,563百万円にとどまった。経常利益以下は前年同期比で減益ではあるが、期初予想比ではプラスとなっており懸念される結果ではなかったと言えるだろう。
アイテム別の売上高は、ヘルスケアウェアが前年同期比3.0%増の7,533百万円、ドクターウェアが同2.8%増の2,154百万円、ユーティリティウェアが同8.5%減の480百万円、患者ウェアが同12.1%増の1,199百万円、手術ウェアが同0.2%増の1,139百万円、シューズが同3.8%減の161百万円、その他が同1.6%減の211百万円となった。
主力のヘルスケアウェアは第1四半期に一部で更新需要の切り替えや売上計上のずれなどがあったことから前年同期比で16.1%減と大幅なダウンであったが、第2四半期以降に遅れ案件を取り戻し、計画していた更新需要も着実に獲得できたことから前年同期比で3.0%増と回復した。ドクターウェアもヘルスウェアと同様の傾向で、第1四半期の減収分を新商品群の健闘などもあって第2四半期以降で取り戻し、前年同期比でプラスとなった。
手術ウェアはほぼ前年同期並みであったが、一方で患者ウェアは新商品群の貢献などもあり前年同期比12.1%増と2桁の伸びとなったことは注目に値する。ユーティリティウェアは元々減少傾向であったことから驚くような結果ではない。シューズやその他商品もマイナスとなったが、金額が少ないため全体への影響は小さい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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