UMN Research Memo(6):今シーズンの商用生産見送りにより、事業計画は1年“平行移動”
[16/08/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(1) 2016年12月期第2四半期の業績と財務状況
2016年7月29日付で発表されたUMNファーマ<4585>の2016年 12月期第2四半期の連結業績は、売上高が前期比24.3%増の56百万円、営業損失が1,754百万円(前期は2,157百万円の損失)、経常損失が1,861百万円(同2,186百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が1,611百万円(同2,183百万円の損失)となった。売上高は、通期業績予想2,044〜2,428百万円がUMN-0502関連収入(UMN-0502製造販売承認取得時のマイルストン収入と想定される)となっており、下期の業績に期待したい。
一方、利益/コスト面では、主力製品(UMN-0502関連)の研究開発費が一巡、コスト合理化により大幅なコスト削減効果となり、純損失が前期同期から1/5程度縮小した。
また、純資産については、UMN-0502の今シーズンの商用生産見送りに伴い、仕掛品に計上していた研究開発費を一気に費用化したことにより、第2四半期末時点で791百万円の債務超過となった。いずれにしてもこの研究開発費の取扱いは、今シーズン商用化生産の実施/見送りいかんに限らず通期決算では費用化される(想定範囲)ものであり、12月期通期の業績見通しでは債務超過は解消されるもの思われる。
(2)債務超過の早期解消と財務構造の正常化
2016年通期での確実な債務超過解消に向けて、インフルエンザ新ワクチン関連の売上計上、BCMO(バイオ医薬品受製造託)事業の更なる積み上げ、450百万円以上のコスト改善(5月25日開示の通期業績予想に対して)、現在進行中の資本増強の強化なども進めている。
また財務状況は、昨年より負債総額が資産総額を上回る不安的な状況が続いており、今回の一時的債務超過は氷山の一角と言える。やはり、新ワクチンの商用生産がスタートして営業キャッシュフローが拡大すれば、財務構造は一気に好転するだろう。
(3) 2016年12月期の業績見通し
2016年12月期(通期)は、売上高2,044百万円、営業損失が2,315百万円、経常損失が2,608百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失2,366百万円を見込んでいる。なお、8月17日に発表した同社のリリースでは、米国向け原薬輸出事業に関するFDAへの製造所認可申請に必要な試験製造ロット数が半減したことを受け、上記業績予想値より450百万円以上のコスト改善が見込まれるとしており、通期業績改善に向けたコスト合理化及び通期純損失の抑制策を強力に推進している。
今下期の最大のポイントは、国内次世代インフルエンザワクチン供給(販売予定元:アステラス製薬(株))事業については、当局の審査で照会事項への迅速な対応による製造販売承認の取得、また、米国原薬輸出(米PSC向けFlublok®)事業に関しては、早期のFDAへの製造所認可申請、FDAによる岐阜工場の査察など、Flublok®向け原液製造供給開始に向けて一定の進展が確認できるかの2点に尽きる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水 啓司)
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(1) 2016年12月期第2四半期の業績と財務状況
2016年7月29日付で発表されたUMNファーマ<4585>の2016年 12月期第2四半期の連結業績は、売上高が前期比24.3%増の56百万円、営業損失が1,754百万円(前期は2,157百万円の損失)、経常損失が1,861百万円(同2,186百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が1,611百万円(同2,183百万円の損失)となった。売上高は、通期業績予想2,044〜2,428百万円がUMN-0502関連収入(UMN-0502製造販売承認取得時のマイルストン収入と想定される)となっており、下期の業績に期待したい。
一方、利益/コスト面では、主力製品(UMN-0502関連)の研究開発費が一巡、コスト合理化により大幅なコスト削減効果となり、純損失が前期同期から1/5程度縮小した。
また、純資産については、UMN-0502の今シーズンの商用生産見送りに伴い、仕掛品に計上していた研究開発費を一気に費用化したことにより、第2四半期末時点で791百万円の債務超過となった。いずれにしてもこの研究開発費の取扱いは、今シーズン商用化生産の実施/見送りいかんに限らず通期決算では費用化される(想定範囲)ものであり、12月期通期の業績見通しでは債務超過は解消されるもの思われる。
(2)債務超過の早期解消と財務構造の正常化
2016年通期での確実な債務超過解消に向けて、インフルエンザ新ワクチン関連の売上計上、BCMO(バイオ医薬品受製造託)事業の更なる積み上げ、450百万円以上のコスト改善(5月25日開示の通期業績予想に対して)、現在進行中の資本増強の強化なども進めている。
また財務状況は、昨年より負債総額が資産総額を上回る不安的な状況が続いており、今回の一時的債務超過は氷山の一角と言える。やはり、新ワクチンの商用生産がスタートして営業キャッシュフローが拡大すれば、財務構造は一気に好転するだろう。
(3) 2016年12月期の業績見通し
2016年12月期(通期)は、売上高2,044百万円、営業損失が2,315百万円、経常損失が2,608百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失2,366百万円を見込んでいる。なお、8月17日に発表した同社のリリースでは、米国向け原薬輸出事業に関するFDAへの製造所認可申請に必要な試験製造ロット数が半減したことを受け、上記業績予想値より450百万円以上のコスト改善が見込まれるとしており、通期業績改善に向けたコスト合理化及び通期純損失の抑制策を強力に推進している。
今下期の最大のポイントは、国内次世代インフルエンザワクチン供給(販売予定元:アステラス製薬(株))事業については、当局の審査で照会事項への迅速な対応による製造販売承認の取得、また、米国原薬輸出(米PSC向けFlublok®)事業に関しては、早期のFDAへの製造所認可申請、FDAによる岐阜工場の査察など、Flublok®向け原液製造供給開始に向けて一定の進展が確認できるかの2点に尽きる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水 啓司)
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