リソー教育 Research Memo(5):既存事業の穴を埋める新規事業の成長により、グループ一体で顧客囲い込み
[16/09/05]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■リソー教育<4714>の中期経営計画
(1) 5ヶ年経営計画
過去2年間で財務基盤再建はほぼ完了し、今後は積極的な新規事業展開を追求する成長路線へとかじを切る。進学個別指導塾「TOMAS」、家庭教師「名門会」、小学校受験指導「伸芽会」の事業3本柱はいずれも生徒数が年平均5〜10%増える堅調な拡大を見込んでいる。
TOMASは、従来は首都圏の主要駅前を中心に 300平方メートル規模の教室に300人程度の生徒を集めてきたが、今後は未進出駅周辺に従来の半分程度のサテライト教室を毎年5〜6校、10年後には合計で120校展開する計画。
(2)新規事業
a)伸芽'Sクラブ
「伸芽会」が持つ小学校受験指導ノウハウを活かして、1〜3歳児を対象とした「お受験」対応型英才託児所事業を都内6ヶ所の伸芽会教室近隣に開設。待機児童が社会問題となるなか、開設と同時に定員満杯となる状態で、設備の整った不動産物件と質の高い保育士等が確保でき次第、新校を順次開設する予定。
保育園と同様に学童保育不足も共働き家庭には深刻な問題となっており、そうしたニーズに応えるべく小学1〜3年生を対象にした学習指導付き学童保育事業を首都圏11校で展開。在籍生徒数は前期比5割増となっており、来期の先行予約も既に数百人規模に達している状況。
託児所事業で1歳児を取り込み、学童保育で小学校受験指導の伸芽会と私立中学受験指導のTOMASとのミッシングリンクを埋める。これら2つの新規事業で2017年2月期から年間10億円超の売上を見込んでいる。
b)スクールTOMAS
主に中高一貫校の学校内個別指導を受託している。3年後には倍増以上の100校体制を目指している。グループ内で唯一のB2B事業であり、TOMASなどB2C事業とは別の営業部隊が必要である。そのため、近い将来、営業販促ツールとしてオンライン英会話システムも学校法人向けに販売する予定。
2017年2月期の売上げは10億円を超え、今後毎年15〜20%ずつ伸びていくと想定している。
不動産物件の確保や現行法規の壁といった課題はあるものの、それぞれ10億円超の売上を目論む上記2つの新規事業の成長次第では、2017年2月期以降連結業績のトップラインに相当の上振れが期待できる。
c)囲い込み戦略
「伸芽'Sクラブ」の展開により1歳児から会員を囲い込み、TOMASで高校3年生までの受験を支援し、将来的にはマンツーマン英会話スクールの「インターTOMAS」で生涯教育までカバーするグループ一貫体制がほぼ整備された。
新入会員の勧誘と募集を担うTOMAS企画の営業担当を大幅に増員する方針と聞くが、既存会員25,000人(うちTOMAS12,000人)に対するグループ内でのクロスセルをシステム化し、親世代になった20〜30万人と言われるOB会員に対する継続的なコンタクトも、まったくの新規顧客にアプローチするよりレスポンスの確率は高く、検討する価値はあるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 小松 健司)
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(1) 5ヶ年経営計画
過去2年間で財務基盤再建はほぼ完了し、今後は積極的な新規事業展開を追求する成長路線へとかじを切る。進学個別指導塾「TOMAS」、家庭教師「名門会」、小学校受験指導「伸芽会」の事業3本柱はいずれも生徒数が年平均5〜10%増える堅調な拡大を見込んでいる。
TOMASは、従来は首都圏の主要駅前を中心に 300平方メートル規模の教室に300人程度の生徒を集めてきたが、今後は未進出駅周辺に従来の半分程度のサテライト教室を毎年5〜6校、10年後には合計で120校展開する計画。
(2)新規事業
a)伸芽'Sクラブ
「伸芽会」が持つ小学校受験指導ノウハウを活かして、1〜3歳児を対象とした「お受験」対応型英才託児所事業を都内6ヶ所の伸芽会教室近隣に開設。待機児童が社会問題となるなか、開設と同時に定員満杯となる状態で、設備の整った不動産物件と質の高い保育士等が確保でき次第、新校を順次開設する予定。
保育園と同様に学童保育不足も共働き家庭には深刻な問題となっており、そうしたニーズに応えるべく小学1〜3年生を対象にした学習指導付き学童保育事業を首都圏11校で展開。在籍生徒数は前期比5割増となっており、来期の先行予約も既に数百人規模に達している状況。
託児所事業で1歳児を取り込み、学童保育で小学校受験指導の伸芽会と私立中学受験指導のTOMASとのミッシングリンクを埋める。これら2つの新規事業で2017年2月期から年間10億円超の売上を見込んでいる。
b)スクールTOMAS
主に中高一貫校の学校内個別指導を受託している。3年後には倍増以上の100校体制を目指している。グループ内で唯一のB2B事業であり、TOMASなどB2C事業とは別の営業部隊が必要である。そのため、近い将来、営業販促ツールとしてオンライン英会話システムも学校法人向けに販売する予定。
2017年2月期の売上げは10億円を超え、今後毎年15〜20%ずつ伸びていくと想定している。
不動産物件の確保や現行法規の壁といった課題はあるものの、それぞれ10億円超の売上を目論む上記2つの新規事業の成長次第では、2017年2月期以降連結業績のトップラインに相当の上振れが期待できる。
c)囲い込み戦略
「伸芽'Sクラブ」の展開により1歳児から会員を囲い込み、TOMASで高校3年生までの受験を支援し、将来的にはマンツーマン英会話スクールの「インターTOMAS」で生涯教育までカバーするグループ一貫体制がほぼ整備された。
新入会員の勧誘と募集を担うTOMAS企画の営業担当を大幅に増員する方針と聞くが、既存会員25,000人(うちTOMAS12,000人)に対するグループ内でのクロスセルをシステム化し、親世代になった20〜30万人と言われるOB会員に対する継続的なコンタクトも、まったくの新規顧客にアプローチするよりレスポンスの確率は高く、検討する価値はあるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 小松 健司)
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